- モルテン高いと思っている人。
- モルテンのようなデュアルソースで糖質吸収60g→80gにブーストしたい人
- 血糖値スパイクを起こさないようにしたい人
- エネルギー切れ起こりやすい人
- 安く効率の良いエネルギー補給を考えている人
補給はこれまで色々と試してきましたが、吸収率、エネルギー効率、血糖値スパイク防止など各種エビデンスからマルチカーボ組成かつクワッドソースを調合しています。結局シングルソースよりもデュアル→トリプル→クワッドソース混合系が良いという結論。
はやく結論を知りたいという方向けに以下に使用している糖質と比率を掲載しました。4種類を全て1:1:1:1で混ぜています。
ドリンクは上記の混合粉末を500mlあたり80g、ジェルは200mlの水と100~120gで割って使用しています。
マルチカーボ組成
ここでおさらいですが、シングルソースは例えばデキストリン単体、パラチノース単体、CCD単体のように1種類のみ摂取する使い方です。デュアルソースはモルテンや、イネオスのSIS BETA FUELといった炭水化物の吸収効率をブーストする使い方です。
炭水化物の吸収効率をブーストする仕組みを要約すると、たとえばグルコースだけを摂取した場合は「SGLT1」輸送体を使います。あわせてフルクトースも摂取すると、もうひとつの輸送体である「GLUT-5」を活用します。結果、2つの経路で多くの糖質が体内に運ばれるという仕組みです。
エビデンスは↓の書籍、寺田 新氏(東京大学)「スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる」第6章 運動中の水分摂取法とスポーツドリンクの効果にあるとおりです。
そして最近になってちらほらでてきたのが、消化吸収速度の異なる複数のエネルギー源を組み合わせたマルチカーボ組成のトリプルソースです。話は簡単で、デキストリンとフルクトースのデュアルソースでブーストし、パラチノースで血糖値スパイク起こさないようにしよう、という仕組みです。
2021年に発売したリポビタンゼリー for Sportsがデキストリン、フルクトース、パラチノースを含んだトリプルソースのエネルギー補給商品です。なお血糖値スパイクを起こさないようなマルチカーボ組成のエビデンスとしては、パラチノースの「7-2. 他の 糖質による 血糖値上昇 を 抑制 する効果」を参照ください。
このように糖質には様々な種類がありますが、わたしが走るレース(1~5時間)には速やかな補給が望ましく、それでいてモルテンのようなデキストリンとフルクトースのデュアルソースで1時間あたり60g→80gにブーストしてエネルギー切れを起こさないようにしたい、というわけです。
ただ、デキストリンとフルクトースは血糖値が急激に上がってしまう場合があります。そこで、血糖値を上げにくいパラチノースを混ぜて血糖値上昇を抑制する方法がをとります。
パラチノースは非常に優れた糖質ですが、単一で使用するとレース中の吸収がおそすぎると感じています。また、デュアルソース並の吸収効率も期待できません。そこで、それぞれの糖質のメリット、デメリットを考慮して当初は定番の比率で自作して使用していました。
- マルトデキストリン:2
- フルクトース:1
- パラチノース:1
これはトリプルソース飲料ですが、マルトデキストリンよりもクラスターデキストリンのほうが消化がラクかつ、胃腸への負担が少ない、スポーツドリンクとして使った場合その速さはグルコース(ブドウ糖)や他のデキストリンを上回ることが確認されています。
ただし、クラスターデキストリンは高価というのがネックですがそこにケチれないのでクワッドソースとして以下の配合にたどり着きました。
- クラスターデキストリン:1
- マルトデキストリン:1
- フルクトース:1
- パラチノース:1
これでモルテンのようにグルコースとフルクトースを混ぜて時間あたりの吸収量を上げる。そしてパラチノースを混ぜて血糖値のスパイクを起こりにくくする。というような、マルチカーボ組成のクワッドソースをレース中の補給からジェルまで同一のものを使用しています。
実際に使用している製品
初期投資はけっこうかかりますが、ドリンクからジェルまで水分量を変えるだけで良いためトータル的に安上がりです。
クラスターデキストリンは、バルクスポーツのCDです。グリコのCCDの中身は同じで味がありません。
マルトデキストリンはこれまで粉飴を使っていましたが、めっちゃ値上がりしたのでグロングの5kgパウダーを大人買いしています。
フルクトースは、「果糖 1kg」を買ってます。
パラチノースはピュアパラを使っています。単体でパラチノースを使うスタイルではなく、ここまでに紹介したマルトデキストリンの血糖値スパイクを抑える用途の糖質です。
この4種類の糖質を混ぜる際にパラチノースの袋が活躍します。パラチノースの袋はシャカシャカして使い勝手が良かったため、4種類の糖質を混ぜ合わせて保管しておくために使用しています。
まとめ:マルチカーボ組成で効率的な糖質補給を
以前は、クラスターデキストリン一択でしたが、モルテンでデュアルソース飲料の効率的な糖質補給を取り入れました。しかし、モルテンは非常に高価であるため常用することが非常に厳しいです。
サイクリストに人気のパラチノースも使用してみましたが、シングルソースの場合は当然デュアルソース吸収効率が劣ることや、吸収スピードが遅いためすぐにエネルギーとして利用したいロードレースには向いていないと判断しました。
しかし一方で、吸収スピードを早めるためにマルトデキストリンを摂取すると血糖値スパイクが起こります。どの糖質もメリットデメリットがあるわけですが、マルチカーボ組成であれば良いところ、悪いところのバランスをうまい具合に取れるわけです。
初期投資に少々お金がかかるものの、コストパフォーマンスとして非常に優れています。単体でモルテンを買うよりも当然安く、グリコのCCDのようにわけのわからない成分も入っていません。
味もさっぱりとしており、レース後半でもグビグビ飲めます。
- 1:バルクスポーツカーボパウダークラスターデキストリン(1.8円/g)
- 1:グロングマルトデキストリンパウダー(0.8円/g)
- 1:果糖 1kg(0.6円/g)
- 1:スプーン印 ピュアパラ(2.0円/g)
36円+16円+12円+40円=104円で80gの糖質が取れるクワッドソースのドリンクが出来上がります。モルテンは1000円近くしますので96%ほどコストダウンできます。
ドリンクは上記の混合粉末を500mlあたり80g、ジェルは200mlの水と100~120gで割って使用しています。ロングの練習から、広島ロードクラシックまで使いましたがエネルギー切れの心配もありませんでした。予算に余裕があるならモルテンですが、同じような効果で常用することを考えたらこれらのパウダーを混ぜて自作したほうが相当安上がりです。
レースや練習中にいつも背中に刺しているソフトフラスクは↓です。250mlのフラスコに200mlの水と120gのクワッドソース粉末を溶かしてジェルにしています。