空気入れがラクになる素晴らしい方法がある。
電動ポンプを使う。以上、終了。
と、いきたいところだがもう少しお付き合い頂けると幸いだ。
これまで10年以上、携帯ポンプとCO2カートリッジの組み合わせを使ってきた。この組み合わせを長らく使ってきた理由は、使いやすく、空気の充填が早いという単純な理由だった。
だからあえて、最近になって登場してきた電動ポンプを使う必要があるのかと問われれば、正直な話迷うところがあった。
今回のレビューは電動ポンプCYCPLUS CUBEを試した結果をお伝えする。電動ポンプのCYCPLUS CUBEは空気入れの根本、そして考え方を変える製品に仕上がっていた。
CYCPLUS CUBEとは?
CYCPLUS CUBEは小型の充電式空気ポンプだ。
ちまたにある電動タイヤポンプと同じように作動するが、大きく異なるのはその大きさだ。
ライドに持ち出す際に気にならない小さなサイズだ。USB-C経由で充電し、20分でフル充電できる。以下の表に示すように、1回の充電で空気を入れられる回数はタイヤのサイズと空気圧によって異なる。
700cの25cタイヤの場合は以下の通りだ。
空気圧 | 充填時間 | 回数 |
---|---|---|
4bar | 1分弱 | 4回弱 |
5bar | 2分弱 | 2回弱 |
6bar | 3分弱 | 1回強 |
7bar | 4分弱 | 1回弱 |
CYCLPLUS CUBEの性能は?
実際に使用してみると、使用しているタイヤとサイズや設定したい空気圧によってCYCPLUS Cubeの性能の良し悪しは異なる。空気圧が高ければ高いほど空気の充填スピードが遅くなっていく。そして、バッテリーの減りが早まることがわかった。
実際には2度以上パンクする可能性も考慮して、保険的にバッテリーの余力を残すのなら4bar以下、3bar弱で使用するのが最も効率的だと感じた。
高圧になればなるほど、モーターの動作音が大きくなる。内部のポンプが一生懸命働いていることがよくわかった。とはいえ、仕様どおりには動作することが確認できた。ロードバイクの25cタイヤなら7barまでは入れることが可能だ。
グラベルやCXタイヤで使用する1~3bar程度であれば、モーターにほとんど負荷がかからない。何回も空気を入れることができるので(時間さえ許せば)CXで複数のタイヤを入れることも可能だ。デメリットは充填中のモーターの音が大きすぎることぐらいだ。
家の中で使用するととんでもなく大きな音だが、野外で使用するにはまったく気にならない。空気入れにかかる時間は、ハンドポンプよりもかなり早く、CO2よりは遅い。
全体のサイズと重量は、CO2カートリッジを2本使うのとほぼ同じかそれ以下だ。むしろ、ジャージのバックポケットに入れるのが最も簡単だ。私は、CO2ボンベの代わりに電動ポンプを使用することにした。それでも携帯ポンプも保険として持ち歩いている。
特徴とメリットのまとめは以下の通り。
- サイコンよりも小さくコンパクト。
- 口金が埋め込んである。
- 飛行機に持ち込める。
- 軽量97グラム
- 繰り返し使用可能。
- 米式や仏式が両方対応。
CYCPLUS CUBEの欠点
欠点を上げるとしたら、使用回数に制限があるということだ。これはCo2ボンベにも同じことが言える。1回のライドで多くても2回までしかパンクしたことがないため、1回ないし2回使えれば良い。そのため、欠点といった欠点ではないのだが、あえて言うならば使用回数が欠点だ。
したがって、CO2ボンベの代替品という位置づけのほうが適切だと感じた。携帯ハンドポンプは引き続き持ち運ぶ必要がある。
また、CYCPLUS CUBEは電動ポンプというだけあって高価でAmazonで11,699円だ。CO2ボンベは、1個100円でAmazonで買える。
117回分というのはかなりのパンク数だ。とはいえ、CYCPLUS CUBEの電動ポンプは空気を充填する間待っているだけでいい、という使い勝手の良さがある。ただ、実際に使用する際には、費用対効果を考慮しておく必要がある。
具体的には、Co2ボンベ”も”ポンピングが不要かつ、回数権限があるが、手軽でありながら、一方で安価であるということだ。
Co2ボンベは使うと冷たくなる。対してCYCPLUS CUBEは、モーターに負担がかかり熱が生じる。そのため、シリコンカバーが付属している。また、充電することを忘れた場合は使えない。使用後は充電する必要がある。また、冬場のバッテリー消耗についてはまだテストできていないため今後追跡調査する必要がある。
使い方と注意事項
- 電源ボタンを押す。
- 指示ライトが点灯することを確認。
- 3秒以内に電源ボタンを2回連続押す。
- 起動する
使用する際にはいくつか注意事項もある。
- 動作中は熱くなるため、火傷防止のためシリコンケースを使用する。
- TPUチューブを使用する場合は、CUBE専用の延長ホースを使用する。TPUバルブが樹脂製であるため熱でバルブが軟化する恐れがあるため。
- 防水ではない。雨の日の使用や携行はできない。
サイズは以下の通り。
- サイズ:65 x 46.5 x 28mm
- 重量:97g
- 充電時間:25分
- 充電方式:Type-C
- 最高気圧:100PSI
- バッテリーインジケータ:緑(80-100%)、黄色(50-80%)、赤(50%未満)
まとめ:小型軽量でCo2ボンベの代替品に
電動ポンプのCYCPLUS CUBEは、はやく買えばよかったと思う製品だった。
私はCO2ボンベを好んで使用していた。ただ、電動ポンプのCYCPLUS CUBEのほうが使い勝手がいい。携帯ポンプと比べるとなおのことだ。しかし携帯ポンプの代用にはならないと感じた。Co2ボンベの代替品としての位置づけのほうが適切だろう。
携帯性も高く、空気の充填も信頼できる。ツールボックスやバックポケットにも入るサイズでこれだけの充填力がある電動ポンプが登場したことは技術の進化を感じた。CO2よりもはるかに使いやすく、信頼性も高いと思う。
高い空気圧は得意ではないようだが、4bar程度なら2回程充填でき家まで帰宅するには十分な空気圧と言える。合わせて別売りのホースは必須だと感じた。また、CYCPLUS CUBE単体だけではな心もとなく、別途携帯ポンプが必要なのは確かだ。