SL7とVENGEをお持ちの方は、SPECIALIZED史上最速になる可能性がある「お宝フレーム」を手放すことは、もう少し考えたほうが良いのかもしれない。むしろ、今回紹介するパーツの存在を知ると、まだ使い続けたほうがいいかもしれないと思うかもしれない。
MagCADが開発した「MAGCAD ROVAL RAPIDEヘッドセットスペーサー」を使用すると、空力が4W改善するROVAL RAPIDEがVENGEとSL7に完璧にフィットするようになる。
VENGEやSL7を所有するユーザーは、「延命措置」ではなくスペシャライズドのロードバイクにおいて「最速」に近づけられる可能性がある。
こちらはVENGEとRAPIDEハンドルとMAGCAD ROVAL RAPIDEヘッドセットスペーサーの組み合わせだ。見た目はご覧の通り、純正以上に、純正感がある。
こちらはSL7とRAPIDEハンドルとMAGCAD ROVAL RAPIDEヘッドセットスペーサーの組み合わせだ。見た目はご覧の通り、純正以上に、純正感がある。
「SL7やVENGEにRAPIDEハンドルつけると、SL8より空力よくね?」
と、島国日本のみならず、海外のフォーラムでも議論になった。追い打ちをかけるように、ドイツのTOUR紙の風洞実験結果が公開された。
SL8の空力性能は209WとVENGEの208Wを超えられなかった。世界13番目だった。SL7の210Wと比べてもわずか「1ワット」だけ改善された。この風洞実験結果は、議論を巻き起こした。
Tarmac SL7の210Wという結果は、同社の旧型AEROFLYとTarmac SL7ステムの組み合わせだったからだ。もちろん2世代前のセパレートハンドルのため空力は一体型よりもかなり悪い。カンの良い人はもうお気づきかもしれないがSL8の風洞実験結果は、4ワット改善するという一体型RAPIDE COCKPITを取り付けた話だ。
「SL7やVENGEにRAPIDEハンドルつけると、SL8より空力よくね?」
という妄想は、見当違いではなかったのだ。
VENGEとSL7のユーザー数は、世界規模で考えるとかなり多いかもしれない。その中には、SL8の登場を羨ましいと思いながらも、VENGEやSL7に愛着を持っているライダーも相当数居るだろう。
MagCADはこの既存のライダーたちの要望、そしてSL8を凌ぐ可能性があるバイクにアップデートするための「MAGCAD ROVAL RAPIDEヘッドセットスペーサー」を開発した。お値段は¥3,200だ。安い。ドルでの決済だけど安い。
早速、SL7とVENGE用のROVAL RAPIDE ヘッドスペーサーを見ていこう。
SL7用 MAGCAD ROVAL RAPIDEヘッドセットスペーサー
MagCADヘッドセットスペーサーSL7用を使用すると、最新のRoval Rapide一体型コックピットをTarmac SL7バイクに取り付けることができる。
このヘッドセットスペーサーは、Tarmac SL7の純正ベアリングカバーとスペーサー(別売)のプロファイルに合わせ、Roval Rapideコックピットの下側に取り付ける。内部ケーブルルーティングは、既存のTarmac SL7セットアップとまったく同じ方法をサポートしている。
このスペーサーは、ヘッドセット・スタックに4mmを追加するもので、TARMAC SL7トップ・スペーサー相当であり、スペシャライズドのトランジションスペーサー(S232500001)と同等になっている。
MagCADのヘッドセットパーツは、長年の使用に耐えるように耐久性のあるナイロンで3Dプリントされている。
- 適合車種:TARMAC SL7
- 適合ハンドル:Roval Rapide Cockpit
- 重量:5グラム
VENGE用 MAGCAD ROVAL RAPIDEヘッドセットスペーサー
MagCADヘッドセットスペーサーVENGE用を使用すると、最新のRoval Rapide一体型コックピットをSpecialized Venge(2019-2021)バイクに取り付けることができる。
改造されたトップヘッドセットスペーサーは、Vengeの純正ベアリングカバーとスペーサー(別売)のプロファイルに合わせ、Roval Rapideコックピットの下側に取り付ける。内部ケーブルルーティングは、既存のスペシャライズドVengeセットアップと全く同じ方法でサポートされている。
このスペーサーは、ヘッドセット・スタック高に6mmを追加し、OEMスペシャライズドVengeトップ・スペーサーより1mm高くなる。互換性のあるトップベアリングカバーとスペーサーについては、スペシャライズドVenge MY19ヘッドセットスペーサーキット(S182500011)を参照のこと。
適合車種:Venge(2019-2021) 適合ハンドル:Roval Rapide Cockpit 重量:6グラム
重量が純正の半分以下、MAGCAD GARMIN ROVAL RAPIDE GARMINマウント
MAGCAD GARMIN ROVAL RAPIDE マウントは、最新のRoval Rapideコックピット専用設計のマウントだ。Roval Rapideコックピットに特化したデザインで、コンピューターの位置を下げ、前方投影面積を減らし接触面を改良している。
マウント自体の剛性も非常に高く、デバイスをハンドルバーの前にしっかりと固定できる。重量は純正Rovalマウントが36gであるのに対し、18g(ハードウェアを含む)と18g(50%)の軽量化を実現している。
このMagCADマウントは、540/840サイズまでのガーミンエッジデバイスに適合するように設計されている。マウントには、Garmin 1030/1040専用に設計されたロングバージョンもある。
使用方法と取り付けは簡単で、Roval Rapideハンドルバーの下側にあるネジ穴にマウントをねじ込み、2.7Nm(スペシャライズド指定トルク)で締め付けるだけだ。ネジを取り付ける前にネジロック剤を使用し、定期的にネジがしっかりと締まっているか確認することが推奨されている。
- 対応モデル:Garmin Edgeデバイス 130 Plus、530、540、830、840。
- 対応ハンドル:Roval Rapide一体型コックピット
- 重量:16グラム(金具なし)、18グラム(金具付き)
まとめ:VENGEとSL7を「延命」ではなく「最速」に近づける
ハイエンドバイクのどれもが性能の高止まりをしている。だからこそ、最新が必ずしも良いと言い切れなくなってきた。メーカーは新製品をあの手この手でプロモーションするが、実際のデーターでは過去のモデルのほうが優れているという、不都合な事実もある。
VENGEやSL7を所有するユーザーは、「延命措置」ではなく「最速」に近づけるステップアップになる。ROVAL RAPIDEハンドルとマウントを取り付けるのは、費用対効果にみあった賢く合理的な選択だと思う。今お使いのSL7とVENGEがさらに速くなる可能性がある。
RAPIDE COCKPITをできるだけスマートに、そしてあたかも純正品かのようにふるまってくれるMAGCADのスペーサーは既存のユーザーにとって待望の製品だ。
既存のVENGEやSL7のユーザーの方は、SPECIALIZED史上最速になるかもしれない「お宝フレーム」を手放すのはもう少し考えたほうが良いのかもしれない。乗り味や愛着、思い出があればなおさらだ。いま一度、名作VENGEとSL7をスペーサー1つ(3200円)で見直すきっかけになればSPECIALIZEDも喜ぶ(?)はずだ。