「トレーニング専用のパンツほしいな」と思って、サンボルトの橋本社長に無理言って誕生したのが「トレーニングビブパンツ」だった。ちょうど、コロナ禍で外に走りに行けなかった頃だ。
シンプルかつ、ロゴやデザインも一切無いシンプルなビブパンツは、生地の耐久性をとことん高めつつも着心地が良いという相反する性能をもたせることに成功した。見た目ではなく、中身、性能を追求したかった。トレーニングビブパンツはありがたいことに累計1,100枚以上も売れたそうだ。
前回は、予想以上の反響で募集段階で生地が無くなってしまったため、募集を停止しご迷惑をおかけしてしまった過去がある。
あれから2年以上が経過し、前作から大幅なアップデートを施し、やっと「トレーニングビブパンツVer.2」をリリースすることになった。
前作から変わったこと、変わらないことは以下の通りだ。
まずは、変わったことから。
- ビブ、スソ、ハラ周りを可能な限りシームレスに
- 密着感か向上
- ビブを側面から逃がし身体に沿う構造
- ビブをワイド化し負荷分散化
- ビブ前面をメッシュ化
- ビブ背面はしなやかな生地を採用
- ビブをパンツ内部まで延長
- 厚みのあるコンフォートパッド
- パッドのスポンジはベルギー製
- スソはレーザーエッヂング
- スソ内側はグリッパーで滑り止め加工
変わらないこと
- 価格は据え置きの12,800円
- サイズ感は同一
- 受注生産
- 製造元工場(前作が良かったので)
前作の良い部分は引き継ぎ、新機能や素材を採用してトレーニングビブパンツはアップデートしVer.2になった。初めてトレーニングビブパンツのことを知る方もいらっしゃると思うため、トレーニングビブパンツについて紹介していく。
トレーニングビブパンツ誕生秘話
以前、コロナ禍で平日も土日も室内トレーニングを実施していた。ZWIFTは毎日のトレーニングを楽しいものに変えてくれたが、いくつか問題もでてきていた。レーパンを2枚ローテしていたのだが生地の消耗がとても激しく、徐々にヘタってきた。
私は朝と夜にローラーで練習するため、1日2枚レーパンを使用する。一回洗濯を忘れてしまったら同じものを使いまわしていた。あまり気温が上がっていない冬の時期なら良いが、夏になるともはや2枚でレーパンのローテーションは厳しい。
というわけで、SUNVOLTの橋本社長に相談した。
今から思うと無茶苦茶なお願いだ。こういう人がいるから、日本の人件費も上がらないし、ステルス値上げが横行し、デフレ脱却ができない。内容を見返すと、最近問題になっているカスタマーハラスメントである。
企画と開発は急ピッチで進み、トレーニングビブパンツは完成した。当初、「ZWIFT用パンツ」と銘打とうかと考えたが、訴えられるかもしれないので「トレーニングビブパンツ」とした。
実際今では、平日はローラー用、休日はトレーニングや生地の頑丈さからCXやMTBでトレイルに入るときにも使っている。コンセプトとしては、「身につけるものを気にしなくていいシンプルなトレーニングパンツ」だ。とにかくシンプル。そして機能性が高いビブパンツだ。
ここまでがVer.1のトレーニングビブパンツだ。
今回の新作であるVer.2で重視したこと、こだわったポイントはいくつかある。
Ver.2で初採用したのが新型の「コンフォートパッド」だ。スポンジはベルギー製だ。パッドは3D構造で快適性を重視しさらに進化した。正方形のワッフルのようなパターンが並んだ厚みのあるパッドになっている。
さらに、前面部は古墳の「前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)」のように広がっており、デリケートなボール(隠語)や竿(隠語)部分がつつみこまれるようにしっかりと鎮座できる。
開発目標にもなっていた「シッティングで長時間のトレーニングに対応する」は、長時間のライドでお尻をサポートし続けてくれる。トレーニングのほとんどの時間はシッティングでこなすことが多いため、パッドはコンフォートが良いという結論に至った。
次は、着用した際の着心地についてだ。とにかく「生地に段差がないこと」と「シームレス加工を使いまくる」ということ。私は結構神経質なので縫い目が肌に当たることが嫌だった。これをすべて改善している。
ビブの前側の付け根は、できるだけ脇腹まで遠ざけるように配置した。ビブが体の前を通らず、側面に逃がすような設計に変更している。
他に着心地の部分で追求したことは以下の通り。
- 腹部にビブがかからないカッティング
- ビブ部分に段差がないシームレス加工。
- ビブ全体をうすく
- ビブ背面はクロス
- 裾部分はシームレスで締め付け感がない(最近の強杉)。
- シームレス部分にもしっかり滑り止め。
- 縫製部分の締め付けを減らす
次は素材についてだ。前作の素材は綿のようなしなやかさと肌触りの良さながら、耐久性をあわせもつ優れた素材だった。この生地をベースとして、Ver.2は若干の変更を加えた。この生地の最大の特徴はなんといってもヘビーローテションしてもヘタレないこと。
発売から2年以上毎日使っているが、まだまだ全然ヘタれてきていないという人も多いのではないだろうか。
実際に1日2回使う事を想定した。朝トレーニングして、洗濯して乾かして、夜使うというパターンだ。
- パンツ生地は82.6%nylon+17.4 spandex
- 耐久性、伸縮性に優れた素材
- 洗っても傷みにくい
- 放熱性が良い
とにかく耐久性を追求しながらも、「綿の肌触りに近いシームレス素材、最小限の縫製と肌触り」という相反する状態を両立している。速乾性が高いということは、洗濯してからの乾きも早いということ。夜乾かせば翌朝のトレーニングには間に合う。
価格は12,800円だ。このご時世、確実に値上げするかと思っていたのだが、サンボルトの企業努力でお値段据え置きになった。パッドやビブ、裁断も大幅にアップデートしているにもかかわらず、お値段据え置きというのは頭が上がらない。
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今回は予約販売で2024/4/30までの限定募集になっている。あと数日と期間は短いが、トレーニングでガシガシ使いたい方、前作からの買い替え、買い足し、室内トレーニングにいかがだろうか。
もちろん、これからの季節のトレーニングに最適な一枚に仕上がっている。
「できるだけ安く・・・。」という無茶苦茶なお願いを実現してくれたサンボルトさんに今回も頭が上がらない。
インプレッション記事を追加しました。