SPECIALIZEDのS-Works Tarmac SL8と思われる新型バイクが目撃され、instagramにアップされた。
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イタリアで行われたクイックステップのトレーニングキャンプで発見されたTarmac SL8と思わしきバイクは、先日WeightWeeniesフォーラムでリークした別のTarmac SL8と思わしき写真と非常によく似ている。
2023年にTarmac SL8がリリースされるとのもっぱらの噂だったが、ツール・ド・フランスでSL8の発表は無く、世間の予測は外れてしまった。
発表されなかった理由としてはいくつかある。世界経済の不況、自転車市場の低迷がスペシャライズドのSL8計画を中止させたのか、もしくは、レムコがツールに出場していれば違った展開になっていたのか、その真相は未だ不明のままだ。
実のところ、Tarmac SL8と思わしきリーク画像以外でわかることはことはあまりない。もちろん、SPECIALIZEDからも新型SL8の存在についての声明はない。
ただ、画像のバイクは、プロチームの塗装に至るまで、生産レベルの仕上がりにみえる。今年、スペシャライズドの新作はまだUCI承認フレームリストに登場していないが、UCIは現在、リストに公に掲載されなくても発売前の承認を認めているため、今回のようにプロが使用することができる。
また、フレームはトップチューブのすぐ下のシートチューブにUCI承認ステッカーが貼られているように見える。これらの写真を見る限り、おそらくSL8と呼ばれる新型ターマックがレース用に準備されていることは間違いないだろう。
さらに明らかなのは、この新しいフレームが既存のTarmac SL7やその前のTarmac SL6と似ていることだ。ぱっと見は、現行のTarmac SL7だ。ぱっと見、トップチューブ、シートチューブ、ドロップしたシートステーはSL7に酷似しており、ダウンチューブはSL6を彷彿とさせる。
微妙な違いはあるにせよ、これは同社の「Innovate Or Die」というよりも、マイナーアップデートのようにみえる。
もちろん、目に見えて明らかな違いがひとつある。多くのブランドが最近、フロントエンドの空力効率を向上させるため、新しいフレームデザインにかなり深いヘッドチューブを組み込んでいる。技術的にはスペシャライズドも同様だが、新型SL8の前方に膨らんだヘッドチューブは、エアロ・ヘッドチューブ・デザインに対する全く異なるアプローチだ。
新型バイクの真正面からの画像はまだ確認できていないが、おそらくヘッドチューブをヘッドセットとホースルーティングの前方に持ってくることで、フロントエンドをより狭くし、ヘッドチューブ上の流れをより良く整えることができるのだろう。それは空力的にも理にかなっている。
SL7は3年近く前の発売以来、大成功を収めた人気のバイクだ。その人気の一因は、見た目と乗り心地の良さ、「1台で全てを」という現代のトレンドを提唱し、いち早くバイクに採用したことにある。
バイクの「美しさ」は見る人によって判断が異なるが、間違いなく、新型SL8の新型ヘッドチューブはSL7よりも見劣りすると評価されてしまう可能性がある。性能の大幅な向上と引き換えに美観を捨てることには賛否両論あるとおもうが、この些細な微調整がわずかなエアロ効果以上のものをもたらす可能性はあるのだろうか。
フロントエンドにこだわると、フォークの設計がもうひとつの大きなアップデートになる可能性がある。ブレードはより深く、おそらく既存のSL7のものよりも太くなっているように見える。実際、新型フォークはVengeのフォークと似ており、クラウンがより深くヘッドチューブに沿うように前方にアーチ状に立ち上がっている。
実際のところ、廃盤になったVENGEは非常に人気が高く、新型SL8がよりVengeライクでエアロ専用バイクになることを期待していたが、フォークだけはVengeライクになった。
トップチューブはSL7よりもかなり細くなっている。シートステー、チェーンステーも薄くしているようだ。ステーとシートチューブの接合部は、シートポストのさらに後方にあり、さらに低い位置に取り付けられるようにみえる。
興味深いことに、リーク画像の5台のバイクはすべて、既存のTarmac SL7の2ピース・バーとステムのセットアップを採用している。さらに、どのバイクもステムの上にスペーサーが付いている。メカニックが少しポジションを試す余地を残したのかもしれないが、これはプロバイクでは非常に珍しいことだ。
スペシャライズドは新しいシートポストも開発したようだ。手前のバイクはフロントとリアのクランプ調整が可能なセットバックシートポストを採用し、次のバイクは、既存のSL7のようなシングルボルトのサイドクランプを備えたシートポストを採用している。
新型SL8と思われるバイクには、見た目でわかるエアロ化や、MADONEのISOFLOWのようなビジュアル面のアップデートがほとんどない。どちらかといえば、エートスの技術を踏襲して軽量化を狙ったバイクなのかもしれない。
SL7と同様のエアロ性能を維持したまま軽量化するのかもしれないが、もしそうなら、私は重量はそのままで、エアロ性能の向上のほうが望ましいと考える。
「Innovate Or Die」のスペシャライズドがTarmac SL7よりも「遅く」「重い」バイクをつくるはずがない。今から発表が楽しみだ。