超軽量346g!高剛性のカーボンクランク ELILEE X320インプレッション!

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数あるクランクにおいて、最軽量クラスの重量を誇るのがELILEE(エライリー)のx320カーボンクランクだ。24mmのチタンスピンドルとカーボンアームという異質な組み合わせが珍しい。

重量も非常に軽く、クランク単体重量が346.5gでパワーメーターとセットの重量がわずか464gだ。デュラエースのR9200パワーメーターの609gと比較しても145gも軽い。開発元のELILEEは中国の新興メーカーながら、クランク以外にもフレームやホイール、ハンドルも手がけておりカーボンを用いた製品の開発を得意としている。

チタンシャフトとカーボンクランクという究極の組み合わせは、飛び道具的な機材に思われがちだ。しかし、昨年からメイン機材として使い続けているが、トラブルなどは一切なかった。製品の品質や作り込みも優れており、全く問題のないクランクだった。

様々な形態のレースにも実践投入し、日々ハードな使い方をしても満足の行く堅牢性をそなえていた。その結果、これまで愛用してきたシマノクランクはすべて売り払って、追加で1セット購入したほどだ。

今回はELILEEのX320カーボンクランクを長期間使用しレビューを行った。いまだ得体のしれない中国の新興ブランドが作るチタンシャフトカーボンクランクの性能にせまる。

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超軽量346.5g

スペーサーがなどを外すとさらに軽量化できる。

X320カーボンクランクは24mmシャフトとしては最軽量クラスだ。他にも30mmや29mmシャフトで軽いクランクも多数存在するが、24mmシャフトでX320よりも軽いクランクはみあたらない。THM Clavicula SE Road Powermeterの重量が320gと最軽量だが30mmシャフトだ。

一例としてクランク単体、パワーメータ込み、チェーンリング全て無しの実測重量を以下に掲載する。

  • SRAM RED DUB:338g
  • ELILEE クランク:346g
  • SRAM RED GXP:393g
  • ELILEE + XCADEY:450g
  • ELILEE + SIGEYI:454g
  • ELILEE + P2M:461g
  • R9100 + 4iiii:513g
  • XCADEY + carbon:555g
  • FC-R9200 + 4iiii:569g
  • FC-R8100-P:610g
  • FC-R9200-P:610g
  • Margne P505:611g

クランク単体ではSRAM RED DUBに8g及ばないが、24mmスピンドルでは最軽量クラスになる。

デュラパワーメーターの重量は同一の609グラム。

なんと、デュラもアルテのパワーメーターも609.5gと同一重量・・・。

パワーメータ付きで比較してみると、デュラエースのパワーメータクランクと145gの差になる。クランクという回転部品の重量が145gも軽くなってしまうと、はっきりと回転が軽く感じられるほどだ。

ELILEEのカーボンクランクは、ヒルクライムやロード問わず軽量化を追求するライダーは無視できない軽量性を備えている。

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剛性

カーボンクランクに金属の接合部が埋め込まれている。

カーボンクランクということで、剛性を気にする方がいらっしゃるかもしれない。それは全くの取り越し苦労だ。負荷試験において、ELILEEのカーボンクランクは他社製品を凌ぐ高い剛性を備えていることが判明している。人間のパワー程度ではほとんど変形すらしない。

市場に出回っているカーボンクランク4種類の剛性を比較した結果は以下の通りだ。試験では垂直方向に200kgの負荷をクランクに加えた場合の変形量(mm)を表している。棒は低いほど変形量が小さくパフォーマンスが高く、高剛性だ。

左からEASTON EC90、ELILEE XXE X320、ROTOR ALDLU、SRAM AXSと並んでいる。

200kgの負荷を加えた際の変形量は以下のとおり。

  1. EC90(344g) : 21.63mm
  2. ELILEE X320(320g) : 21.8mm
  3. ROTOR ALDLU(351g) : 21.97mm
  4. SRAM AXS(335.8g) : 24.18mm

最も硬いのはEASTONのEC90だ。次いでELILEEのX320になる。なお、重量はメーカー公称値であり、実測重量とは若干の差があることには注意が必要だ。重量を考慮した「重量剛性比率」は以下のとおりになる。

棒が長いほどパフォーマンスが高い。「軽くて高剛性」という性能が読み取れる。

破壊テストでは420kgまで耐えることが確認されている。トップ競輪選手の背筋力が200kg前後ということを考えてみても、一般的なライダーにとっては十分な剛性といえるだろう。

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チタンシャフト

シマノクランク互換の24mmシャフト。そのまま取り替えることが可能だ。

シャフトは24mmと30mm(DUB兼用)から選択することができる。

シマノクランク互換の24mmシャフトはチタン製とスチール製が選べる。差額は70ドルと僅かであるため、重量と価格を考慮してもチタン製を選んでおいたほうが合理的だろう。チタンは柔らかいイメージがあるが、垂直方向の破断負荷が400kg弱であるため剛性の心配は何度も言うように無用だ。

ねじ込み式でクランクとクランクを接続する。すべてチタンで作られている。

DUBと30mmに対応するシャフトはスチール製だが、シャフトが太く剛性が十分に確保できているため、実際はチタニウムシャフトよりも軽量になっている。

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豊富なクランク長

クランク長は7種類で幅広いクランク長のラインナップがある。

  • 155mm
  • 160mm
  • 165mm
  • 167.5mm
  • 170mm
  • 172.5mm
  • 175mm

話題のショートクランク化や160mmや155mmといった女性や、トライアスリート向けの超ショートクランクがある。カーボンクランク、軽量ということを考えると、いままで165mmでも長く感じていた方は、155mmや160mmといった短いクランクを使用できる。

カーボンクランクかつ24mmスピンドルで155mmや160mmをラインナップしているブランドは数少ない。ELILEEはどんなサイクリストにも合うサイズをラインナップしている点が非常に親切だ。Q-FACTORは149mmと現行R9200、R8100と比べて1mm長い。

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パワーメータは3種類対応

  • Sigeyi AXO(110g)
  • Power2Max NG eco(117g)
  • Xcadey XPOWER-S(106g)

パワーメーターは3種類から選ぶことができる。重量は実測値だ。パワーメーターが不要な場合は、5アームや、4アームを選ぶことも可能になっている。

クランクアーム側のマウントはEASTONと同型の16山タイプだ。このマウントなら様々なスパイダーを選択することが可能だ。

実用性を考えるとSIGEYIやPower2Maxを選んだほうがいいだろう。Xcadeyは安価で軽量ではあるものの、測定精度が期待できないパワーメータという位置づけだ。

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インプレッション

ELILEEのクランクを試そうと思ったのは、何よりも軽さだ。24mmシャフトとして最軽量クラスのクランクは魅力的に映った。とはいえ、2022年当時はELILEEクランクの情報もなく、完全に人柱的にカネを溝に捨てつもりで「得体のしれない中華クランク」を試してみようと思っていた。

しかし、購入してわかったのはアタリのクランクだったということだ。

まず、シマノクランクから容易に交換できる24mmスピンドルというのは大きなメリットだった。24mmシャフトで軽いクランクはそれほど多くなく、軽量なカーボンクランクといえば、どれもが30mmやDUB用なのだ。そして165mmというラインナップが存在していない。

私はこれまでシマノクランクを愛用してきたため、24mmシャフトのBBをそのまま使用できるクランクを探していた。ELILEEクランクは、シマノクランクから容易に交換できるため、BB交換が不要であるというメリットも大きかった。

ニセコクラシックでも軽さのアドバンテージが生かされた。

クランク長のラインナップは、各社が見習って欲しいほどだ。ハイエンドクランクながら、155mmから175mmまでラインナップされている。トライアスリートや小柄な女性などが155mmや165mmのクランク長を選択できるのは嬉しい。探されていたかも多いのではないだろうか。

165mmから更にショートクランクを選べるなど、選択の幅が広いのは今の時代大きなメリットになる。

カーボンクランク自体の剛性については「不足している」なとどは、とても言えないほどの高剛性だ。剛性については先程も触れたとおり、十分すぎるほど硬いクランクであることはデータが証明している。では、踏んだら硬いのかと言われると正直なところ硬さを感じることは不可能だろう。

それよりも、「もしかしたら」と感じたのは、実際に回した時の軽さだ。

クランクとパワーメーター込みでFC-R9200-Pから145gも軽量になる。ここまで軽くなると、回した時に「あっ、軽いかも!」とプラシーボの可能性もあるが気分がいい。確かに数値上軽くなっており、思い込みかもしれないが、回しが軽くなったことは確かだ。

バイクのトータル重量も7.0kgが6.85kgになるわけだから、ELILEEの重量削減効果たるや、数値以上のインパクトがある。バイクをできるだけ軽量化したい方は、シマノクランクなんて使ってられないだろう。

シューズとこの部分の干渉も心配なかった。

一点気になってたことしては、クランクと足が接触しないかが心配だった。

シャフトとクランクアームが接続する部分は出っ張っていたため、カカトや土踏まず部分が擦れてしまわないか、購入前は心配だった。実際使ってみるとアームにシューズが当たることは無かった。しかし、私のクリートセッティングの話であるため、参考程度にしておいていただきたい。

結局、手持ちのシマノクランクは全て売っぱらってしまって、ELILEEクランクを2セット買った。なんなら、シクロクロス用にも追加したいぐらいだ。

パワーメーターも話題のSIGEYIや個人的に信頼しているPower2Maxを選べるため満足度が高い。Xcadey XPOWER-Sも選べるのだが、パワー測定精度が非常に悪いので避けたほうがいい。確かに軽いが、その数グラムを削ってまで地雷をふむ合理的な理由がみあたらない。

ELILEE X320カーボンクランクは剛性面、重量面で満足が行く製品だ。レース機材として考えても十分すぎる、むしろオーバースペックなクランクに仕上がっている。

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購入先、実勢価格11.9万(パワメ込)

購入先はaliexpressのELILEE公式ページから購入することができる。クランク単体は5万弱、パワーメータ付属はモデルによるが11.9万円ほどで購入可能だ。

53971.0¥ |Elilee カーボンファイバークランク,ペダル,クランクセット,マウンテンバイク用の超軽量クランク| | - AliExpress
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まとめ:重量、剛性、価格の三拍子そろったクランク

ELILEEのカーボンクランクは、新興メーカーの製品ながら完成度の高い仕上がりだ。実用にも十分に耐えられるばかりか、パワーメータが3種類から選べ、クランク長も様々な長さがラインナップされており選択の幅も広い。

スピンドルはシマノ純正クランクと同様の24mmに対応しており、既存のシマノクランクからも乗り換え可能だ。SRAMのDUBも対応しているため、ほとんど全てのユーザーが使用しているクランクとの交換が可能になっている。

重量面でのアドバンテージも高く、既存のDURA-ACE R9200パワーメーターと比較すると140g以上の軽量化ができることは見逃せない。価格もパワーメーター込で11.9万とカーボンクランクとパワーメータがセットになっていることを考えると非常にお求めやすい価格だ。

ELILEEのX320カーボンクランクは、総じて、軽量化、高剛性、価格など満足度の高い製品だ。既存のクランクの買い替えや、ショートクランク、軽いクランクをお探しの方に非常におすすめできるクランクに仕上がっている。

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