Nepest RELI 46 インプレッション 軽量化を狙わず、空力の限界も追わない意味

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ここまできたか。

Nepest NovaがDURA-ACEだとしたら、RELIはULTEGRAグレードなのか。いや、どうやらそうではないようだ。グレードの違いではなく、構成する部品の方向性が違う。

RELIは十分な軽さの中に快適性や耐久性、堅牢性をもたせた。その設計思想は、速さを削って耐久性に振ったのではなく、速さを維持しながら走りの「質」を変えてきたことにある。

ギリギリまで攻めた肉抜き加工のハブではなく、堅牢性を重視し、スポークを引っ掛ける方式から、スポークに通す方式に変えた。この変更は見た目以上に意味が大きい。

引っ掛ける方式、いわゆるオープンフランジのスポーク固定は、1本のスポークが破損した際に隣接するスポークが連鎖的に外れるリスクがある。

Nepestは上位モデルのNOVAで特許取得済みの脱落防止フランジ構造を採用しているが、RELIはそもそもスポークがフランジを貫通する方式を選んだ。引っ掛けるのではなく、通す。

この構造的な判断は、破損時にスポークがハブから離脱しないという物理的な安全マージンを確保する。長距離を走るライダーが150km先で味わいたくない恐怖、それはスポークの連鎖的な崩壊である。RELIはその恐怖を設計段階で排除している。

ハブは軽量化するわけではなく、どちらかといえば肉厚で十分な剛性と強度をもたせていることがわかる。ラチェットシステムによるパワー伝達は確実であり、CEMAセラミックベアリングの回転の滑らかさは上位モデルと変わらない。

ただ、この堅牢なハブだから硬いわけではなく、VONOAスポークのしなやかさが良い仕事をする。ようするに、しなやかで乗りやすいのだ。

VONOA第4世代カーボンスポークは、1本あたり約1.8gという軽量性を実現しながら、従来のカーボンスポークとは異なるアプローチを取っている。断面積を約30%削減しつつも引張強度を維持し、振動吸収性を高めた設計である。

カーボンスポークといえば「硬い」「振動が伝わる」というイメージを抱くライダーは多いが、VONOAの第4世代はその固定観念を覆す。スポークの柔軟性がホイール全体のコンプライアンスに寄与し、路面からの微振動をスポークの弾性変形で吸収する。

RELIにおいてこのスポークは、レーシング性能のためではなく、乗り手の身体を守るために機能している。

Nepestは本当に良いホイールを作るようになった。無闇矢鱈な見せかけだけの高性能化ではなく、ホイールという機材をどこに向かわせたいのか、何に特化させたいのか、テーマが明確にされている。

ホイール設計とは本来そうあるべきだ。軽くすれば良い、硬くすれば良い、深くすれば良いという思考停止から離れ、「このホイールは誰のために、何のために存在するのか」という問いに答えること。RELIにはそれがある。

長時間でも疲れにくい

長時間疲れないホイールとはなにか。RELIに乗ればそれがすぐにわかるが、ホイールの硬さを決定している要素を整理したい。タイヤとタイヤ空気圧(リム内幅を含む)を抜きにすると、スポークの剛性がホイール剛性に対して支配的であるようだ。

ホイール工学の観点から見ると、プリテンションされたスポークホイールの垂直方向の剛性は極めて高い。Bath大学やDuke大学の研究が示すように、荷重下におけるリムとハブの相対変位は数十ミクロン単位にすぎない。

タイヤのコンプライアンスはスポークの約6,500倍であり、純粋な垂直方向の剛性差だけでは、ホイール間の乗り心地の違いを説明しきれない。しかし、実走においてライダーが感じる「硬さ」「柔らかさ」は確実に存在する。

それは垂直方向だけでなく、横方向のコンプライアンスや、高周波振動の減衰特性、そしてスポークテンションのバランスが複合的に作用した結果として体感されるものである。

それゆえ、RELIの快適性はスポークの張力調整と前後穴数の最適化によるものも大きい。スポークのしなやかさとあわせて、どれくらいスポークテンションを上げるか下げるか、そしてどのような組み方をするかで乗り味は変わってくる。

2:1の組みパターンは、駆動側と非駆動側のテンション差を最適化し、横方向の安定性を確保しながらも、スポーク全体としてのエネルギー吸収特性を高める。

この設計は、単純にスポーク本数を減らして軽量化を図る手法とは根本的に異なる。RELIは必要な本数を確保したうえで、テンションの最適解を見つけている。

RELIは長時間でも疲れにくいホイールである。荒れた路面でも振動や嫌な突き上げが本当に無い。100kmを超えたあたりから手のひらや肩に蓄積する微振動の疲労、あの不快な痺れがRELIでは感じにくい。

この特徴は、レーシングホイールを使い慣れたライダーからすると、反応の鋭さが物足りないと感じるかもしれない。ペダルを踏んだ瞬間に車体が跳ねるような加速感を求めるライダーには、RELIは静かすぎるだろう。

しかし、一般的なライダーであれば必要十分以上であると思うし、150kmを走り終えた後の身体の状態が、このホイールの本当の価値を証明する。

日常で壊れにくい

日常でも壊れにくいことを目指しているという。それは見るからにしっかりと作られた堅牢なハブからもわかる。Nepestの上位モデルであるNOVAは、Hambini Engineeringのレビューにおいて構造設計の質の高さが評価されている。

ハブシェルにはセミレクタンギュラー型のスポークホールを採用し、荷重分散とスポークアライメントの精度を高めているとされる。RELIもこの設計思想を共有しながら、さらに堅牢性に振った構造を採用している。

ホイールの耐久性とは、カタログに記載されない性能である。3年保証という制度はあっても、実際に3年間使い続けられるかどうかは設計の誠実さにかかっている。

RELIの設計は、週末のロングライドだけでなく、日常的な通勤やトレーニングライドにも耐えうることを想定している。スポークの貫通式固定、肉厚なハブシェル、36Tラチェットシステムの信頼性。

これらは華やかさのない技術だが、ホイールが日常で壊れないために必要な技術のすべてである。

安定したコーナリング

RELIは25Cのタイヤには対応していない。28C~32Cのタイヤに対応している。リム内幅は24mmであるが、この数値は現在のロードホイール設計における一つの回答である。

最新のRoval Rapide CLX IIIがリム内幅21mmを採用したことは象徴的である。Rovalは自社のWin Tunnelでの空力テストに基づき、28mmタイヤとの組み合わせにおいて21mm内幅が最も空力効率が高いと結論づけた。

外幅との比率がいわゆる「105%ルール」に近づき、タイヤとリムの間のエアフロー遷移がスムーズになるためである。RELIもこの逆行するトレンドを取り入れている。

ワイドリム化の潮流の中で、23mmや25mmの内幅を採用するメーカーも増えているが、24mmという選択は28Cタイヤとの空力的な相性と、タイヤエアボリュームの増大、リムの構造的な強度のバランスを取った結果であろう。

実走においてコーナリングの安定感は顕著である。28Cタイヤを装着した状態での接地感があり、下りのコーナーで自信を持って攻めることができる。

ワイドリムによるタイヤプロファイルの安定化は、低圧運用時のタイヤのよれを抑制し、コーナリング時のグリップ感に貢献する。レースのような限界走行ではなく、日常のライドにおいて安心して曲がれること。

それはRELIが目指す「壊れにくさ」と同じ地平にある設計思想である。

走行感は穏やか、「疲れにくさ」を重視するライダーに

このホイールの方向性はレーシングホイールではない。

レーシングホイールは多くの人にとって無用の長物である可能性がある。週末に100km走るライダーに、プロトンで最後の100mをスプリントするためのホイールが必要だろうか。

ホイールに何を求めるかは人によるが、レーシングホイールのような反応性と硬さを期待する人はRELIが合わないと思う。

一方で、疲れにくさ、150kmを走っても疲れをためたくない人はRELIが合う。しなやかさ、体への負担の少なさ、走らせた時の脚あたりの少なさは特筆すべきものがある。

脚あたりの少なさとは、ペダリング入力に対するホイールの応答が穏やかであることを意味する。硬いホイールはライダーの入力をそのまま路面に伝えるが、同時に路面からの反力もライダーにそのまま返す。

RELIはその反力をスポークのしなやかさで受け流す。その結果、コンフォート系と分類するほど鈍くはないが、レーシングホイールのような攻撃性もない。よく走る。その表現が最もしっくりくる。

疲労を抑えつつ安定した巡航を重視

疲労を最小限に抑えつつも、走りの質は高い。安定した巡航と、46mmのリムハイトながら、50mmクラスのような巡航速度の維持が特徴である。

リムハイト46mmは、ある種の中間点である。40mm以下ではエアロ効果が限定的になり、50mm以上では横風の影響が増大する。46mmはその間を取りながらも、U字形状のリムプロファイルによって実効的な空力性能を50mmクラスに近づけている。

ホイールの空力性能はリムハイトだけで決まるのではない。リムの断面形状、外幅、スポークの空力処理、そしてタイヤとリムの遷移部分の滑らかさが複合的に作用する。

あえて50mmを使わずとも、反応性が良くよく走る46mm。何も考えていなければ50mmと間違えてしまうような走りの良さがある。

それは、数字に還元されない巡航の質とでも呼ぶべきものである。速度計を見なければ、自分がどれだけのリムハイトを履いているかわからない。それこそが、RELIの46mmが到達した設計の到達点ではないだろうか。

高すぎる剛性よりも「扱いやすさ」を求める方

このホイールの方向性を考えると、高い剛性よりもホイールの扱いやすさ、走らせやすさを求める方に向いていると思う。バリバリのGR86のようなレーシングカーではなく、速いけど扱いやすいプリウスのような大衆受けする性能を持っている。

この例えは的を射ている(自分で言うのもアレだが)

GR86はサーキットで腕のあるドライバーが限界を引き出してこそ真価を発揮するが、日常の買い物では使いにくい。プリウスは誰が運転しても一定以上の性能を発揮し、長距離を走っても疲れない。

RELIはまさにプリウスの思想をホイールに落とし込んだ存在である。技術的に高度でありながら、その高度さをライダーに意識させない。操る楽しさではなく、走る楽しさを提供する。その違いは、100km地点では感じにくいかもしれないが、150km地点では明確になる。

硬すぎるホイールに疲れを感じる方

カーボンスポークやレーシングホイールはカタログ上は魅力的であり使ってみたいと思わせてくれる。使えば速くなるような期待も持てる。

しかし、乗ってみると違うと感じてしまうこともある。あまりにも硬すぎてしまい、ホイールを手放してしまった経験をお持ちの方がいらっしゃるかもしれない。

無闇矢鱈な高剛性化の悪しき影響として、走らせられない、走らないホイールに感じてしまうことがある。私はLightweightを4本ほど所有してきたが、まさにこれだった。

Lightweightにも、見えなくはない・・・?

床の間に飾ったり、バイクに取り付けたりすると素晴らしいのだが、いざ「速さ」を求めて150km以上のライドやレースで使おうとすると、「使えない」のだ。Lightweightは硬すぎて私には合わなかった。だからすべて売った。

20年以上やり続けてきて、硬くて高価なホイールだから速いというのは、単なる思い込みであることがわかった。Zippの元エンジニアであるJosh Poertner氏がSilcaのブログで興味深い指摘をしている。

パリ~ルーベ用のホイール開発において、浅いアルミリムのホイールの方がディープカーボンよりも「快適」だとライダーが感じていたが、実際に垂直方向のコンプライアンスを計測すると、ディープカーボンの方がコンプライアンスが大きかったという事例である。

つまり、ライダーの知覚する「硬さ」は、物理的な剛性値とは必ずしも一致しない。振動の周波数特性や減衰特性、ホイール全体のエネルギー伝達の仕方が、体感としての硬さや柔らかさを形成する。

RELIは、この知覚の設計に成功しているホイールだと感じる。数値的な剛性を下げたのではなく、振動の質を変えている。

振動吸収や安定感を重視する方

木の車輪を想像してほしい。衝撃がそのまま伝わり、乗り味が悪く乗っていて疲れる。サスペンションのない馬車の不快さを思い浮かべれば近い。

高剛性のホイールはたいていそうだ。路面のあらゆる情報を増幅してライダーに伝え、それを「ダイレクト感」と呼ぶ。しかし、100km、150km、200kmと距離が伸びるにつれ、そのダイレクト感は暴力に変わる。

その対極にRELIがある。RELIは路面情報を消し去るのではなく、必要な情報を残しながら不要なノイズだけを取り除く。

良いスピーカーがホワイトノイズを除去しながら音楽の微細なニュアンスを再現するように、RELIは路面のうねりやグリップの変化は伝えつつ、高周波の微振動を吸収する。それがVONOAスポークとハブ、リムの三位一体の設計から生まれるフィルタリング効果である。

完成車付属ホイールからのアップグレード

完成車に付属しているホイールから、アップグレードしたいと考えていたとき、ハズレがないのがRELIだと思う。レース用途ではなく、「汎用的に速い」のがRELIである。

完成車付属のアルミホイールからカーボンホイールへのアップグレードは、ロードバイクにおいて最もコストパフォーマンスの高い投資の一つである。しかし、選択肢が多すぎて何を選んだらよいかわからないという問題がある。

特に中華カーボンホイール市場は玉石混交であり、同じOEMから供給されたリムやスポーク、ハブをブランドごとに異なるパッケージで販売しているケースも珍しくない。

RELIが使用しているカーボンリム、VONOAスポーク、ハブなどのコンポーネントは、19万円台という価格に対して明らかにオーバースペックである。Toray T800カーボンファイバーのリム、CEMA製セラミックベアリング、VONOA第4世代スポーク。

これらを個別に調達して手組みすれば、パーツ代だけでRELIの販売価格に迫る。売るところが売れば20万円後半でもおかしくない構成であり、RELIの価格設定はコストパフォーマンスという言葉では片付けられない誠実さがある。

初めてのカーボンホイールに安心感を

このホイールは、初めてのカーボンホイールに安心感を求めている人に適切だと思う。

「よくわからない中華ホイール」が玉石混交の状況にある中、Nepestは一定の信頼感と信頼性がある。2017年からOEM生産の経験を積み、2022年にブランドを立ち上げ、EuroBikeへの継続出展、UCI認証の取得、日本国内での正規販売店展開と試乗会の実施。

これらの地道な活動は、製品への自信がなければできないことである。

Nepestのホイールは初めは本当に使えなかった。前作のMAUIシリーズに対しては、硬すぎて初心者にはおすすめできないと率直に書いた。

しかし、NOVAで大幅な改善を遂げ、今ではレースに投入したり、CXレースで無茶なコースに使用しても安定した性能を発揮してくれる。RELIはさらにNepestの技術と安定性を合わせた非常に優れたホイールに仕上がっている。

初めてのカーボンホイールで何を選んだらよいかわからない。性能の善し悪しがわからないけど、良いものを使いたい。ハズしたくない。そういう人にRELIはぴったりだ。

NOVAよりもRELIのスポークパターンのほうが美しい。

ホイール選びとは、突き詰めれば「何を信じるか」という問いである。カタログスペックを信じるのか、ブランドネームを信じるのか、それとも設計思想を信じるのか。

RELIは最後の選択に応えるホイールだ。速さのためだけにすべてを犠牲にするのではなく、走ることの本質的な喜びを、長く、安全に、快適に続けるために設計された。

そこに、Nepestが辿り着いた一つの回答がある。

RELI発売記念として、定価\185,000から20,000円引き売り出される。実質165,000円になり、クーポンコード「8Nepest」で8%offになるので、最終的に151,800円になる。4/25~5/12までの期間限定、Nepestは発売時が最安だ。

RELI カーボンホイール
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