シマノのクリート用チタンボルトとプレートが登場、未踏の軽量化に

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「もうこれ以上軽くする余地がない」。そう思った瞬間から、このパーツの物語がはじまります。

バイクにはUCIの重量規定があります。現代のハイエンドロードバイクなら6.8kgを下回ることは珍しいことではなく、むしろ規定値に合わせてオモリを追加するケースさえあります。しかし、ライダーが身に着けるもの、例えばシューズやクリートは重量規定の対象外です。

そこに残っていた最後の余白が、クリートのボルトとプレートです。

軽さと美しさ。

ペダリング中、シューズは円軌道を描きながら上下に往復運動を繰り返します。ケイデンス90rpmで60分間走行した場合、その回転数は5,400回に達します。5時間のライドであれば、27,000回もクランクを回すことになります。

クリートボルト6本+プレート6枚の合計12点は、この往復運動の外周に位置しており、わずかな重量差も回転慣性として蓄積されていきます。1回の走行では誤差の範囲でも、何千回という繰り返し動作のなかでは、慣性重量の差は確実に積み重っていきます。

純正ボルトとプレートは 34.3g、チタンボルト&プレートは 17.8 gです。

しかも、足回りだけでこの軽量化です。

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素材:64チタン(Ti-6Al-4V)

美しい加工。

本製品に採用した64チタンは、航空宇宙・医療分野でも広く使われるアルミニウム 6%・バナジウム 4% 添加のチタン合金です。一般的なステンレスボルトや鉄ボルトと比較すると、以下の特徴があげられます。

  1. 高い引張強度:一般的なステンレス・鉄ボルトを上回る強度を持ち、締め付け時の伸びが少ない。パーツをより強固に固定できる。
  2. 低ヤング率(適度な弾性):鉄に対してヤング率が約半分であり、金属でありながら微細な振動を吸収する特性を持つ。路面からの突き上げをわずかにマイルドにする可能性がある。
  3. 優れた耐食性:表面に形成される強固な酸化被膜により、雨水や汗への耐性が高い。海水に対しては白金(プラチナ)に匹敵するとされるほど錆に強い。

正直に言うと、2の振動吸収効果は体感レベルで明確に感じ取れるものではないです。通常のボルトでも剛性があるため、ライダーの感覚域を超えている部分もあります。

締付時にカチッとした底のある硬さを感じる。

一方、1の高い引張強度については締め付け時のトルク感として確かに感じられますので、ぜひ体験していただきたい特徴です。純正ボルトは「にゅーん」と締まっていきますが、チタンボルトは「ゴチッ」とトルクの底に着くのが早く感じられます。

六角レンチでアルミ製とスチール製の工具を使い分けている方は、このしなりや伸びの違いを手に伝わってくる感覚で理解していると思います。

プレートとボルトの組み合わせも美しい。

そして、目に見えて確実にわかる差は、軽さ、重量です。

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設計:軽さと強度を両立する構造

強度を維持した中空構造。

ボルトヘッドには肉抜き加工を施し、ボルト内部は中空構造を採用しています。チタンを使うことは、軽量化のための単純な「素材置き換え」ではなく、強度を維持しながら余分な材料と質量を削ぎ落とすことが可能になります。

アノダイズ加工による焼きチタン仕上げ

カラーはアノダイズ加工による焼きチタン仕上げを施しました。定番のシルバーカラーは純正品と見た目が近似しており、クリート交換時に(チタンボルトを使っていることを忘れて)誤って廃棄するリスクを減らせます。

焼きチタン特有の虹彩色は視覚的な識別を容易にするだけでなく、ボルト・プレート単体としての「モノとしての完成度」も高められています。

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仕様・販売情報

ボルト x6、プレート x6(左右分)

項目 内容
素材 Ti-6Al-4V(64チタン)
セット内容 ボルト x6、プレート x6(左右分)
表面処理 アノダイズ加工(焼きチタンカラー)

価格についてです。例えば、市販のβチタニウム製のチタンボルトは1本あたり2,000~3,000円ほどします。これだけでも12点で24,000~36,000円相当です。以前作成したROVALやTARMAC用のチタンボルトも、1本あたり1500~2000円します。

本製品は、ボルト6本+プレート6枚の合計12点セットで12,800円です。チタンボルトの相場を知っている方でしたら、相場よりも安いと思われるかもしれません(価格としては当然高いのですが・・・)。

製造するにあたり、1セットで12点必要になる為、製造数が単純に倍以上に増えた結果、1本あたりのコストが抑えられました。余談ですが、プレートのほうが加工難易度が高いためコストがかかりました。

材料費、加工費、予算の制約から、製作を依頼できる数が今回限られてしまいました。在庫の表示があれば、ぜひ隠れた差別化と最後の軽量化を試して頂きたいです。クライマーの方には最後の軽量化の追い込みにお使いいただきたいです。

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こんな方に

  1. 軽量化で「もう削る場所がない」と思っている方
  2. 回転慣性の低減にこだわる方
  3. 1%のマージナルゲインを積み重ねることに価値を見出せる方
  4. 重量規定が及ばない領域で差別化を図りたい方
  5. 小さな部品にも妥協せず、良いものを選びたい方

未踏、最後のフロンティア。

重量規定の外側に残された最後のフロンティアで、あなたの足元は確実に軽くなります。差別化したい方、良いものを使いたい方、細部にこだわる方はぜひ試してみてください。

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