ハイエンドホイール市場が二極化して久しい。
一方には純粋な空力を追求したディープリム、もう一方にはヒルクライム特化の超軽量リム。その間に広がる「日常で使えて、ロングライドで疲れず、レースでも戦える」という当たり前の領域は、かえって薄くなっていた。
NEPEST RELI(リライ) 46は、まさにこの中間領域へ正面から踏み込んできた製品である。
リムハイト46mm、セット重量1,245g±30g、リム単体400g±15g、VONOA ST-520カーボンスポーク、NP-C04セラミックハブ、Carbontrueペイントレス製法、大フランジ+2:1組。
この仕様を\185,000(税込)に収めた設計は、カーボンスポーク時代のオールラウンドホイールへの一つの回答として、無視できない密度を持っている。RELI 46を構成する8つの技術要素を分解していく。
設計思想
「快適性」と「耐久性」
現代のホイール市場は、快適性と耐久性を両立するという、いわば二律背反を解消する努力を放棄しつつあった。RELI 46の存在理由はここにある。
2020年代前半、カーボンホイールは三つの方向へ分岐した。ディープリムによる純空力追求、ヒルクライム特化の超軽量化、そしてグラベルまで射程に入れたワイド路線。
どの方向も極端化したため、普段から走り込み、レースに出つつも100kmのロングも流すライダーが「一本で済む」ホイールを探すと選択肢が極端に絞られる状況になっていた。
46mmという深さは、フラットでの巡航とヒルクライムのどちらにも致命的な欠点を生まないレンジに位置する。内幅24mm・外幅33mmは28~40Cタイヤに対応し、舗装路から荒れた県道、ライトグラベルまでを射程に入れる。
最大ライダー体重125kgという余裕ある設計荷重、ラチェット36T/54Tの選択余地、Carbontrue仕上げの摩耗許容性は、いずれも日常運用での使用頻度を上げるためのマージンである。
レース機材としての瞬発力と、通勤・グランフォンド・ブルベを通じた持久力を、同じホイールに共存させる。それがRELI 46の根本的な設計命題だ。
快適性を担う技術
快適性の鍵はスポーク素材と張力設計の組み合わせにある。カーボンスポークは60Hz以上の高周波振動(アスファルトのざらつき、橋継ぎ目の細かな段差)に対し、金属スポークより高い減衰特性を持つ。
VONOA ST-520のような極薄断面スポークは、この振動減衰効果をさらに高める。前輪18本・後輪24本という前後非対称配分も、前輪の快適性と後輪の駆動剛性を別々に最適化した設計判断である。
スポークテンションの均一性、大フランジが生む力学的安定性、リム内幅24mmがもたらすタイヤ断面の適正化。これらが積み重なって「長距離でも疲れにくい」という体感につながる。
VONOA ST-520 カーボンスポーク
0.81mm
VONOA ST-520はSapim CX-RAYに対し、重量・振動減衰で優位に立つ。空力でも極薄断面が功を奏し、ホイール全体として見たときのエアロ優位は明確である。
Sapim CX-RAYは長年スチールスポーク勢のベンチマークであり続けた。断面2.2×0.9mm、1本あたり4.25g、引張強度1,600N/mm、疲労寿命は標準ダブルバテッドの約2倍という数値は、スチールスポークの頂点として君臨してきた。
新しいvonoaスポーク試させてもらってるんですが、厚みがついにcx-rayの0.9mmよりさらに薄く0.8mmで重量半分とかわけわからん技術進化してて横転。 pic.twitter.com/O6lBRMbSNj
— IT技術者ロードバイク (@FJT_TKS) March 17, 2026
これに対してVONOA系カーボンスポーク(台湾STREN社ブランドで、Reserve・FFWD・Hunt等が採用)の重量は1本あたり2.5g前後。NEPEST仕様のST-520は丸径Φ1.8mm・フラット部3.2×0.8mm相当という極薄断面で、CX-RAYをさらに凌ぐ薄さを実現している。
VONOA系の採用で24本リアホイール1セットあたり50~100g以上の軽量化(スチール比)が可能になっている。
薄さは速さか、快適か
結論は「両立する」である。ただしメカニズムが分かれる。
空力面では、スポーク単体のエアロ性能を決める支配変数は素材ではなく「薄さ」だ。FLO Cyclingの風洞試験では、ブレードスポークは丸断面に対してアイアンマン換算で数十秒の短縮効果を示した。
スポーク本数が同じなら薄いほど有利であり、VONOA ST-520の極薄断面は前面投影面積の縮小という点でCX-RAYを上回る可能性がある。Scribe Cyclingの試験でも、最適化されたカーボンブレードスポークは鋼製ブレードと同等以上の空力を持つことが示された。
乗り味面では別の物理が働く。
カーボン繊維は金属に比べて高周波振動の減衰特性が高い。路面の細かなざらつきに対し、カーボンスポークは振幅をホイール内部で吸収する。「路面が綺麗に感じる」という感覚は、この減衰特性の差から生まれる。
ゆえに同じリム・同じ本数でもカーボン化したホイールは、路面の上質感が明確に変わる。
| スポーク | 1本重量 | 断面寸法 | 素材 | 振動減衰 |
|---|---|---|---|---|
| Sapim CX-RAY | 約4.25g | 2.2×0.9mm | ステンレス鋼 | 標準 |
| Sapim Laser(参考) | 約4.2g | Φ2.0/1.5mm | ステンレス鋼 | 標準 |
| VONOA系(Reserve仕様) | 約2.5g | ブレード+丸 | カーボン | 高 |
| VONOA ST-520(NEPEST仕様) | 約2.8g | 丸Φ1.8/フラット3.2×0.8mm | カーボン | 高 |
| BERD PolyLight(参考) | 約2.5g | Φ1.8mm丸 | UHMWポリ | 最高レベル |
Gen4の「脚あたりがやさしい」と評される特性は、こうした微細な物性の積み重ねによる。VONOA ST-520の薄型化が持つ意味は、スペック表の数値以上に「走り出しの感覚」に表れる。
ゼロ発進から、次に踏み込んだトルクが遅延なくリムへ届く即応性。それでいて路面からの小突き上げはスポーク内部で拡散する。この二面性こそが、薄型カーボンスポークの本質的な価値である。
スポーク数
なぜ前後で本数を変えるのか
前輪と後輪は荷重の質が根本的に異なるため、同じ本数にする合理性がなくなった。
前輪はラジアル荷重と操舵入力のみを処理し、駆動トルクを負担しない。ディスクブレーキ車でも制動トルクはタンジェント方向に分散されるため、前輪は本数を絞っても剛性破綻を起こさない。
一方、後輪は駆動トルク・ディスクブレーキ制動トルク・カセットによる非対称ディッシュ・ライダー体重の60%以上を同時に受け止める。本数が多い方が疲労寿命と剛性余裕で優位となる。F18/R24という3:4配分は、この非対称な力学要件への合理的な回答といえる。
他社比較
同じ配分を採用するのは、Roval Rapide CLX III、Princeton CarbonWorks Peak 4550などの高級エアロレーシング群である。
一方ENVE SES Gen4系はF20/R24、Zipp 303 FirecrestはF24/R24、Winspace LUN HYPER D45はF21/R21の2:1、Cadex Max 40はF21/R24を採用している。
スポーク本数の差は風洞データ換算でF24からF18へ6本削減すると約1.0Wのエアロゲインが見込める。この数字は控えめに見えるが、スポーク本数由来の空力寄与であり、リムプロファイルの空力とは別レイヤーの利得だ。
| モデル | F/R本数 | スポーク種別 | リム深 |
|---|---|---|---|
| NEPEST RELI 46 | 18/24 | VONOA ST-520カーボン | 46/46mm |
| Roval Rapide CLX III | 18/24 | ARRIS | 51/60mm |
| Princeton Peak 4550 | 20/24 | Sapim CX-RAY | 45/50mm |
| ENVE SES 4.5 Gen4 | 20/24 | Sapim CX-RAY | 49/56mm |
| Winspace LUN HYPER D45 | 21/21(2:1) | カーボン | 46/54mm |
| Cadex Max 40 | 21/24 | Cadex一体 | 40mm |
| Zipp 353 NSW | 24/24 | Sapim系 | 45mm |
前輪18本化は、快適性の最適化という文脈でも読み解ける。本数を絞ることで1本あたりのスポークテンションを下げることなく構造を成立させ、振動の伝達経路を減らす。
後輪24本はリアの駆動剛性と耐久余裕を確保するための選択だ。レース機材としての攻撃性と、日常機材としての信頼性の折衷点として、F18/R24は合理的な解のひとつである。
セラミックベアリング
低抵抗の意味
セラミックベアリングの効果は条件付であると言える。ベアリング単体の転がり摩擦差は0.1~1W程度であり、メーカー公称値で1W以上の削減はハブ・BB・プーリーを合算した全系統の新品条件下の数値だ。
Friction Facts(現CeramicSpeed)による独立測定では、最高グレードのスチールBBと最高グレードのセラミックBBの差は0.03W程度にとどまる。

Hambini Engineeringはさらに厳しく、ベアリング摩擦のうち純粋な転がり摩擦は全体の3%程度であり、残りはシール・グリース・ケージによる摩擦と指摘している。ロードホイール1セットのベアリング単体で得られる速度ゲインは1W未満と見るのが適切である。
速さよりも耐久性
ベアリングの役目は長期的な耐久性と耐食性にある。これこそが日常高頻度使用ホイールにとって本質的な価値である。
CeramicSpeedは自社セラミックが標準スチール比10倍の寿命を持つと公表している。セラミックボール(窒化ケイ素Si3N4)自体は錆びないため、雨天走行や汗の混入が多い日常使用環境での長期優位が明確だ。
NP-C04のようなハイブリッドセラミック(セラミックボール+硬化スチールレース)は、フルセラミックの脆性破壊リスクを避けつつ、スチール比でわずかに軽い回転フィールを提供する。
ラチェット36T(エンゲージメントアングル10°)と54T(6.67°)の選択余地も、「使い込むホイール」という思想の延長線上にある。
| 比較項目 | ハイブリッドセラミック | 高品質スチール |
|---|---|---|
| ボール硬度(対スチール比) | 約+128% | 基準 |
| 表面粗さ | 約4倍滑らか | 基準 |
| ボール重量 | 約-30~-58% | 基準 |
| 単体摩擦差 | 0.02~0.1W優位 | 基準 |
| 公称寿命倍率 | 3~10倍 | 基準 |
| 耐食性 | ボールは錆びない | 錆びのリスクあり |
プロのTTで1ワットを削るよりも、5年・10年スパンで当たりが変わらない方が、日常的に使うハイエンドユーザーの実利は大きい。NP-C04は「速さのための部品」ではなく「長く使うための部品」として評価すべきハブである。
重量1,245g・リム重量400g
実測重量
RELI 46: 1,261g
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RELI 46はフロント 564g、リア697gで1,261g(リムテープ15g込、カタログ値+1g)
RELI 54: 1,327g
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RELI 54はフロント599g、リア728gで合計1,327g(カタログ値 +2g、リムテープなし)
1,100g以下を狙わない
1,245g±30gこそがこのプロファイルの設計余裕を残した最適点と言える。軽量化の追求はどこかで必ず壁剛性か耐衝撃性を削る。
46mmハイトのディスクホイールで1,200g台前半は、現行市場のやや軽めに位置する。Roval Rapide CLX IIIは1,300g前後、ENVE SES 4.5 Gen4は1,450g台、Zipp 353 NSWは1,304g、Winspace LUN HYPER D45は1,240~1,334g、Cadex Max 40は1,295g前後である。
RELI 46の1,245gはヒルクライマー向けの極限軽量域まで踏み込まず、かつ日常使用に必要な壁厚とスポーク断面を残した値と読める。
リム単体400g±15gも同様の哲学を示している。24mm内幅・33mm外幅・46mmハイトのワイドプロファイルとしては軽量側だが、剛性・耐衝撃性の設計下限を守っている。
同等プロファイルのリムが概ね400~440gに集中することを踏まえると、400gはこのカテゴリで「快適性と剛性を両立できる最軽量点」付近に位置する。
重量バランスと走り
ホイールの外周質量(リム+タイヤ)は、回転慣性モーメントに二乗で効く。同じ総重量なら総量を10%減らすより、外周を5%減らす方が加速フィールに効くのはこのためだ。
RELI 46のリム部800g(400g×2)はセット重量1,245gの64%を占める。この外周質量の比率は、信号発進の一漕ぎ目、ストレート折り返しの再加速、10%勾配での立ち漕ぎ移行で、体感的な軽さとして現れる。
重量数値だけでなく、その質量配分こそが実走フィールを決める。
Carbontrueペイントレス製法
なぜ軽く、なぜ難しいのか
結論は単純だ。塗装を省けば20~40gが消え、かつ表面を隠せないため製造精度が上がる。しかしそれは、金型から出た時点で製品が完成していなければならないということでもある。
塗装の重量寄与はフレーム事例が参考になる。Orbeaがカーボンフレームの塗装撤廃で80~100gの軽量化を公式に謳い、Scottの白塗装はフレーム単体で+160gという実測例もある。
リム1本換算では塗膜は10~30g相当、ホイールセット全体では20~60gの潜在減量となる。RELI 46のCarbontrueが謳う「一歩成型」も、この範囲の軽量化を実現していると推定される。
製造難易度の面では、ペイントレスリムはEPS(発泡ポリスチレン)コア成型か高精度内圧ブラダーによるモノコック成型が必要になる。内面にシワや樹脂ボイドが残ると塗装で隠せないからだ。
ENVEやAlto Cyclingが採用するこの製法は、金型投資とプロセス精度の点で通常の塗装品より要求レベルが高い。
| 製法 | 内圧方式 | 主要メリット | 主要デメリット |
|---|---|---|---|
| ブラダー成型(一般) | エアブラダー | 量産性高、コスト低 | シワ・ボイドのリスクあり |
| EPSコア成型 | 発泡コア+シリコン | 内面までシワレス、厚み均一 | 金型投資額が大きい |
| モノコック一体成型 | 高精度ブラダー/EPS | 接合部応力集中を回避 | 形状自由度に制約あり |
ペイントレスの恩恵
塗装リムは数年使うと表面にマイクロクラック、チッピング、紫外線フェードが現れる。これらは見た目だけの問題ではなく、塗膜下のカーボン層に応力集中を誘発することがある。
ペイントレスリムは最初から塗膜を持たないため、経年で「育つ」のみで劣化しない。繊維の織柄がそのまま意匠として露出し、製品の正直さが保たれる。欠陥を塗装で隠さない姿勢が、ホイールビルドの精度にも表れる。
ENVE SES 4.5 PRO、NEPEST MAUI系列が同じ潮流にある理由はここにある。
大フランジ、2:1組み、180°対向引き
スポーク配分を非対称に
ディスクブレーキ時代のリアホイールは左右のスポークが同じ仕事をしなくなった。
ディスクロードのリアはドライブ側(DS)にカセット、非ドライブ側(NDS)にディスクローターが配置される。リムセンターとハブセンターのずれ(ディッシュ量)が非対称で、DSのスポーク角度は浅く、NDSは深い。
通常のDS12/NDS12配列では、DSテンションをNDSの約1.8倍にしなければホイールセンターが取れない。この結果、NDSスポークは走行中に張力がゼロ近くまで緩む場面があり、これが横剛性低下と疲労破断の温床になる。
2:1組みはこれへの解である。
後輪24本のうちDS16本/NDS8本と配分することで、NDS側は本数を減らして1本あたりの張力を引き上げられる。NDSスラック状態が横剛性を大きく損なうことはSheldon BrownやRinardの剛性試験でも確認されており、2:1配分はこの構造的欠陥を根本から解消する。
Cadex Max 40、Campagnolo G3、Fulcrum Windといったブランドが同系統の配置を採用しているのも同じ理由である。
180°対向引きと大フランジ
180°対向引きの構造の利点は、駆動・制動トルクの伝達効率と、スポーク疲労の分散である。
180°対向引きはタンジェント組みの完全展開形であり、フランジ対角の二本のスポークが互いに反対方向から同じリム点に向かい、トルクを押し引きで受け渡す。
ラジアル組み(0クロス)は横剛性こそ高いが駆動トルク伝達が期待できず、ディスク車リアDSには不適である。現代のカーボンスポークは2クロス相当の角度で十分なトルク容量を持ち、180°対向はその合理的な設定値となる。
大フランジはスポーク有効長を短縮し、フランジ側のブレーシング角(スポークが立つ角度)を拡大する。同じディッシュ量でも横方向の支持力が増し、スポーク自体が短いため弾性変形も小さくなる。
Winspace LUN、Cadex Max、ENVE Premium Straight-Pullが揃って大径フランジを採用するのはこの理由による。カーボンスポークは金属より剛体的にふるまうため、角度設計の精度が乗り味に直結する。
RELI 46の大フランジ設計は、VONOA ST-520の性能を引き出すための必須条件である。
二重の安全設計 ― 「脱落しない」設計
スポークがハブを貫通する
カーボンスポークは金属のように塑性変形しないため、単一の固定点に応力が集中すると破断に至る。貫通構造は、この応力集中を避ける冗長設計だ。
伝統的なJベンドスポークはハブフランジ穴にヘッドを引っ掛け、エルボ部で方向転換する。金属スポークはこのエルボ部で塑性変形することで衝撃エネルギーを吸収できるが、カーボンはそれができない。
ストレートプルは改善策だったが、スポークが途中で止まる構造では、テンションがゼロに落ちた瞬間にスポークが抜ける事故例がプロレースの現場でも報告されてきた。
スルー式は、スポーク先端がフランジを物理的に貫通し、T字ヘッド・テーパー・キャプティブ形状で抜け止めされる構造である。衝撃で一瞬テンションがゼロになっても、スポークはフランジから機械的に離脱しない。
Hunt 5AM TaperLock、NEPEST NOVA系のanti-detachment positioning designもこの系統だ。スポークがハブを「通り抜ける」構造にすることで、物理的な脱落不能を担保する。
二重の安全設計は何を多重化したか
RELI 46の設計において以下の安全性が備わっている。
- 機械的拘束層:スルー式フランジでスポーク本体をハブから抜けなくする
- テンション保持層:ニップルの戻り止め処理によりテンション自然解除を防ぐ
- フランジ形状層:大径・閉フランジ化でスポーク交差部の応力集中を分散する
- リム補強層:スポーク穴周辺に追加カーボンレイヤーを積層する
- 設計荷重マージン層:最大ライダー体重125kgという余裕ある荷重上限設定
最大ライダー体重125kgはENVEの一部モデル(103~120kg)より高い設定で、Princeton Peak 4550やRoval Rapide CLX IIと同等の耐荷重クラスに位置する。
日常的に高頻度で使われるホイールにとって、この多層的な冗長設計こそが最大の価値である。カーボンスポークの「壊れるのでは」という心理的な不安を、構造で解消する。それがRELI 46のスルー式ハブの根本的な役割だ。
削りきらないことの意味
RELI 46を評価し直すと、「極端化した現代ホイール市場における保守的革新」という矛盾した表現でしか括れない製品だということがわかる。
軽量化の記録を狙わず、空力の限界も追わない。一方でカーボンスポーク・セラミックベアリング・ペイントレス製法・2:1組み・スルー式ハブという、2025~26年時点で高級セグメントを定義する五つの技術を漏れなく搭載する。
価格\185,000円という設定は、Winspace LUN HYPER D45(29.8万円)よりも安くElitewheels Drive 50D II(18.8万円)と同じ価格帯に並ぶ。
ただしRELI 46は、この価格帯としては稀にVONOA系カーボンスポーク・ハイブリッドセラミックハブ・ペイントレスモノコックリムを同時に提供する。ENVE SES 4.5 Gen4やPrinceton Peak 4550が50万円クラスあることを踏まえれば、機能対価格比での差別化は明確だ。
より本質的に言えば、RELI 46が示すのは「使い潰せる高級品」という価値観である。レース専用の飾り棚機材ではなく、週末のグランフォンドでも、平日の通勤でも、雨の日の練習でも迷わず回せる。
ペイントレスで塗装剥げを気にせず、セラミックベアリングで10年スパンの耐久を見込み、カーボンスポークで膨大な走行距離の疲労寿命を確保する。
これは成熟したサイクリストが最終的に回帰する、機材との長期的な関係の形である。1,245gという数字は単なる重量値ではなく、この設計思想の座標点でもある。
スペック
| モデル名 | RELI 46 | RELI 54 | RELI X | ||
| 素材 | トレイ T800 カーボン | ||||
| リム内幅 | 24mm | ||||
| リム外辐 | 33mm | ||||
| リムハイト | 46mm | 54mm | フロント:46mm リア:54mm |
||
| リム重量 | 400±15g | 440 ±15g | 400/440±15g | ||
| セット重量 | 1245± 30g | 1325 ±30g | 1285± 30g | ||
| 仕上げ | ペイントレス(Carbonrue ™) | ||||
| ブレーキタイプ | ディスクブレーキ | ||||
| ハブ | NP-C04 ハブ 2:1 セラミックベアリング ラチェット36T/54T |
||||
| O.L.D.(エンド幅) | フロント12*100/リア 12*142 | ||||
| スポーク | VONOA ST-520 | ||||
| 推奨タイヤ幅 | 28-40C | ||||
| 対応タイヤ種類 | クリンチャー/チューブレス | ||||
| 推奨タイヤ圧 | 80-120 psi (クリンチャー) / 50-80 psi (チューブレスタイプ) | ||||
| チューブの互換性 | プレスタ | ||||
| ライダー体重制限 | 275lbs /125kg | ||||
NEPEST RELI 46:あなたの次の一本として
NEPEST RELI 46は、46mmという中庸なリムハイト、F18/R24という合理的な非対称配分、1,245g±30gという削りすぎない軽量、リム単体400g±15gという外周質量の最適化。
そして\185,000という現実的な価格設定は、次の一本に悩むハイエンドライダーにとって具体的な選択肢となる。
以下に該当するライダーに推奨できる。
- ロードからライトグラベル(28~40C)まで1セットで賄いたい、走行頻度の高い実用派レーサー
- カーボンスポークの振動減衰とセラミックベアリングの長寿命を、日常使用の中で享受したい層
- 予算を抑えながら機能を求めている
- 2:1組み・スルー式スポークハブ・ペイントレスを揃えた選択肢を探している
NEPESTという新興ブランドが提示した新しい均衡点が、1,245gという数字の奥でどこまで実走を支えるか。それはRELI 46に乗る、あなた自身のペダルが答えを出す領域である。
RELI発売記念として、定価\185,000から20,000円引き売り出される。実質165,000円になり、クーポンコード「8Nepest」で8%offになるので、最終的に151,800円になる。4/25~5/12までの期間限定、Nepestは発売時が最安だ。

NEPEST RELI 46と52を実際に試したインプレッションは以下の記事で。



























