LightFast LF X5ホイールは900gを切る軽量性が特徴。超軽量ホイール、さらによくわからない中華は嫌いで苦手だったが、意外なほどしっかりしていた。登坂性能や低速からの加速に優れ、機敏なコーナリングと硬すぎないしなやかな乗り心地を実現。一方で、35km/h以上の高速巡航では伸びが不足する傾向がある。登りや軽快な走りを重視するライダーに適した製品であり、軽さは武器となるが万能ではない。
- ➕️900gを切る軽量性
- ➕️登坂性能の高さ
- ➕️低速から30km/h台前半までの軽快な加速
- ➕️軽いリムによる機敏なコーナリング
- ➕️硬すぎないしなやかな乗り心地
- ➖️35km/h以上の高速巡航における伸びの不足
- ➖️好みが分かれる金色の外観
900gを切るロード用ホイールと聞くと、多くの人はまず「本当に実用できるのか」と考えるはずだ。軽さは確かに魅力だが、その一方で剛性不足や不安定さ、耐久性への懸念もつきまとう。
特に日常的に45~50mmハイトのカーボンホイールを使っているライダーであれば、超軽量ホイールに対して「頼りなさ」を想像するのは自然だろう。
今回試したLightFast LF X5も、まさにそうした不安を抱かせるホイールだった。重量は900gを切る。数字だけを見れば、かなり尖った軽量ホイールである。
しかし、実際に走ってみると印象は少し違った。
手にしたときの軽さから想像するほど、走行感は”ふわふわ”していない。むしろ、意外なほど普通に使える。そのうえで、登りや低速からの加速では明確に軽さが効く。
一方で、万能ではない。
35km/hを超える高速巡航域では、45~50mmハイトのホイールにあるような伸びは薄い。平坦を長く速く走るためのホイールではなく、登りやワインディング、速度変化の多いコースでこそ生きるタイプだ。
LightFast LF X5は、軽さのメリットとデメリットが非常にはっきり出るホイールだった。
第一印象:900g切りとは思えないほど普通に走る
真っ先に感じたのは、900gを切る重量から想像するほど神経質ではなかったことだ。
数字だけを見ると、かなり特殊なホイールに思える。あまりに軽いホイールは、走り出した瞬間にふわついたり、踏み込んだときに力が逃げたり、下りやコーナーで不安を感じたりするのではないか。そうした先入観があった。
しかし、LF X5は意外と普通に走る。少なくとも、走り出してすぐに「これは扱いにくい」と感じるようなホイールではない。ただし、普段使っている硬めの45~50mmハイトホイールと比べると、明らかに柔らかい。
この柔らかさが、単純に剛性の低さから来るものなのか、あるいは軽量設計によるしなやかさなのかは判断が難しい。ただ、少なくとも不快な頼りなさではなかった。
荒れた路面では、むしろその柔らかさがプラスに働く場面もあった。硬いホイールのように路面からの入力をそのまま返すのではなく、角を丸めていなすような感覚がある。河川敷のようなやや荒れた路面では、このしなやかさが印象に残った。
登り:LF X5の軽さが最も生きる場面
LF X5の良さが最も分かりやすいのは登りだ。
900gを切るホイールの軽さは、平坦よりも勾配が上がった場面で明確に効いてくる。特に平均10%前後の登りでも、ホイールの重さを引きずる感覚が少ない。勾配がきつくなり、速度が落ちる場面ほど、LF X5の軽さは武器になる。
印象的だったのは、ヘアピンの立ち上がりだ。登りのヘアピンでは、進入で一度速度が落ち、出口で再び踏み直すことになる。このとき、リム外周が軽いホイールは反応が速い。LF X5はまさにその特性が出ており、失速後の再加速が軽い。
「登りで伸びる」という表現がしっくりくる。
絶対的な空力性能で速度を維持するのではなく、踏み直したときにすっと前へ出る。登りのリズムを崩しにくく、斜度変化やヘアピンが続くコースでは非常に扱いやすい。ヒルクライム用ホイールとして考えるなら、この軽さは明確なメリットだ。
加速:低速から30km/h台前半までは非常に軽快
LF X5は、低速からの加速も鋭い。
信号からの発進や、コーナー後の踏み直しでは、ホイールの軽さが分かりやすい。速度をゼロから乗せていく場面では、普段使っている45~50mmハイトのホイールよりも明らかに軽快だ。
30km/h台前半までは、走りに軽さがある。踏み出しが軽く、速度に乗るまでの反応も早い。ストップ&ゴーの多い市街地や、アップダウンのあるワインディングロードでは、この加速感が気持ちいい。
特に、登り返しが連続するようなコースではLF X5の性格がよく合う。一定速度で長く走り続けるよりも、減速と加速を繰り返す場面で軽さが効く。リムが軽いため、バイク全体の切り返しも機敏だ。
このあたりは、軽量ホイールらしい美点が素直に出ている。
高速巡航:35km/h以上では伸びが足りない
一方で、LF X5の弱点もはっきりしている。高速巡航は得意ではない。30km/h台前半までは軽快だが、35km/hを超えてからさらに速度を積み増していこうとすると、伸びが薄い。
45~50mmハイトのホイールにあるような、速度が乗ってからスーッと進んでいく感覚は弱い。もちろん、走らないわけではない。
しかし、平坦で速度を維持する場面では、ディープ寄りのカーボンホイールのほうが明らかに楽だ。LF X5は、空力で速度を支えるタイプではなく、軽さで加速するタイプのホイールである。
この違いは、200km近く走るような練習を想定すると大きい。長時間、平坦を一定以上の速度で巡航する場面では、LF X5の軽さよりもリムハイトのあるホイールの伸びが欲しくなる。向かい風や高速巡航区間が長いコースでは、LF X5を積極的に選びたいとは思わない。
このホイールは、平坦を速く長く走るためのものではない。
コーナリング:軽いリムがもたらす機敏さ
コーナリングでは、LF X5の軽さが機敏さとして現れる。
バイクを倒し込む動き、切り返す動きが軽い。リム外周が軽いためか、コーナー進入から立ち上がりまでの一連の動きが素早い。特にワインディングロードでは、重いホイールを回している感覚が薄く、バイクを扱いやすい。
登りのヘアピンでも印象は良かった。
低速域でコーナーを曲がり、出口で踏み直すような場面では、LF X5の反応の良さが生きる。加速の鋭さとコーナーでの軽快感がつながっており、山岳コースとの相性はかなり良い。
ただし、高速巡航性能を重視するホイールとは明らかにキャラクターが異なる。LF X5は、直線で速度を伸ばすよりも、曲がる・登る・踏み直す動作が多いコースに向いている。
乗り心地:硬さではなく、しなやかさがある
LF X5は、硬いホイールではない。普段使っている45~50mmハイトのホイールと比べると、明らかに柔らかさを感じる。この柔らかさをどう評価するかは、ライダーの好みや用途によって分かれるだろう。
高剛性ホイールのような、踏んだ瞬間に力が跳ね返ってくる感覚を求めるなら、LF X5は少し物足りなく感じるかもしれない。
一方で、荒れた路面ではこのしなやかさが良い方向に出る。河川敷のような路面では、硬いホイールよりも入力がマイルドで、扱いやすいと感じた。路面からの振動を完全に消すわけではないが、角を丸めてくれるような印象がある。
この感覚からすると、LF X5はロードだけでなく、軽いグラベル的な用途にも可能性がある。
もちろん本格的なグラベルホイールとして評価するには別途検証が必要だが、少なくとも荒れた舗装路や細かなギャップの多い道では、硬いディープリムホイールとは違う良さがある。
外観:金色は好みが分かれる
性能面では魅力のあるLF X5だが、外観については好みが分かれる。今回の仕様は金色だったが、正直に言えば少し安っぽく見える部分がある。遠目には目を引くが、バイク全体を落ち着いた雰囲気でまとめたい場合には、少し主張が強い。
SuperSix EVO Gen5のような洗練されたフレームに合わせるなら、もう少し控えめな色のほうが合うかもしれない。性能を重視するなら大きな問題ではないが、見た目の満足度も含めて選ぶなら、別カラーを選んだほうが無難だと思う。
ホイールは走行性能だけでなく、バイク全体の印象を大きく左右するパーツだ。LF X5を選ぶなら、カラー選択は慎重に考えたい。
どんな用途に向いているか
LF X5が合うのは、明確に登りや速度変化の多いコースだ。向いている用途は以下のようなものになる。
- ヒルクライム
- 登りを繰り返す練習
- 100km前後の山岳ライド
- ワインディングロード
- 短い登り返しが多いコース
- 軽量化を重視したロードバイク
- 荒れた舗装路を含む軽快なライド
逆に、向いていないのは以下のような用途だ。
- 35km/h以上の高速巡航を重視する平坦コース
- 200km近いロング練習
- 向かい風区間が長いライド
- 集団走行で高速域を維持する場面
- ディープリムの伸びを期待する用途
LF X5は、万能ホイールではない。しかし、用途が合えば非常に魅力的だ。特に、ヒルクライマーや軽量化を重視するライダーにとっては、重量だけでなく走行感の面でも分かりやすいメリットがある。
45~50mmハイトホイールとの違い
普段使っている45~50mmハイトのホイールと比べると、LF X5のキャラクターはかなり違う。45~50mmハイトのホイールは、速度が乗ってからの維持が得意だ。
35km/h以上の巡航では、リムハイトによる空力的なメリットがあり、踏み続けたときの伸びもある。平坦を速く走るなら、こちらのほうが向いている。
一方でLF X5は、速度を乗せるまでの軽さが魅力だ。登り、信号からの発進、ヘアピンの立ち上がり、ワインディングでの切り返し。そうした場面では、軽いリムの恩恵を感じやすい。
つまり、両者の違いはこう整理できる。45~50mmハイトホイールは当然ながら、高速巡航、速度維持、平坦での伸びが得意。LightFast LF X5:登り、低速からの加速、切り返し、ヘアピンからの再加速が得意
重要なのは、どちらが優れているかではなく、想定する用途の違いだ。平坦巡航や高速域を重視するならディープリム寄りのホイールが適している。一方で、登りや山岳コースでの軽快さを求めるならLF X5が選択肢になる。
用途を基準に整理すると、このホイールの立ち位置は明確だ。
軽さは武器になる。ただし万能ではない
LightFast LF X5は、900gを切る超軽量ホイールでありながら、実走では想像していたほど神経質ではなかった。走り出しから不安になるような頼りなさは少なく、むしろ登りや低速域では軽さが明確に武器になる。
特に印象的だったのは、平均10%前後の登りや、登りのヘアピンからの立ち上がりだ。速度が落ちる場面ほどホイールの軽さが効き、踏み直したときの反応が鋭い。30km/h台前半までの加速も軽快で、ワインディングロードとの相性は良い。
一方で、35km/hを超える高速巡航では伸びが足りない。45~50mmハイトのホイールのように、速度が乗ってから楽に維持できるタイプではない。200km近い平坦中心の練習で使いたいホイールではなく、100km前後の山岳ライドやヒルクライム練習に向いている。
また、乗り味は硬質ではなく、しなやかだ。この柔らかさは好みが分かれるが、荒れた路面ではプラスに働く場面もある。グラベル的な使い方にも可能性を感じた。
LF X5は、軽量化を求めるヒルクライマーにとって有力な選択肢になる。ただし、一本で何でもこなす万能ホイールとして選ぶよりも、登りや山岳コースに焦点を絞って使うべきホイールだ。
軽さは確かに武器になる。しかし、その武器が最も生きる場所は限られている。LightFast LF X5は、そのことをはっきり教えてくれるホイールだった。
まとめ:登りと軽快感を重視するライダーに
LightFast LF X5は、軽量ホイールらしい魅力と、用途を明確にした割り切りを併せ持つモデルだ。登りでは軽さが際立ち、加速の反応も鋭い。コーナーの切り返しも機敏で、バイク全体の動きが軽く感じられる。
一方で、高速巡航の伸びは控えめだ。45~50mmハイトのホイールと比べると、平坦で速度を維持する場面では明確な差がある。
そのため、LF X5が合うのは、平坦での巡航性能よりも、登りや加速、バイクの軽快感を重視するライダーだ。ヒルクライムを主戦場にする人、バイクを軽く仕上げたい人、山岳コースをテンポよく走りたい人には相性がいい。
逆に、平坦での高速巡航やロングライドでの速度維持を重視するなら、45~50mmハイトのホイールを選んだほうが満足度は高いだろう。
LF X5は、あらゆる場面で最速を狙うホイールではない。しかし、登りで軽さと反応の良さを求めるなら、非常に魅力的な選択肢になる。
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