【14台比較】ロードバイク空力×軽量ランキング!データが示す最強の一台とは?

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TOUR Magazineの風洞テストデータとフレーム重量データを主軸に、現行ロードバイクフレーム14台の空力性能と軽量性を定量的に評価し、「空力と軽量の両立」という観点から最も優れているのはどのフレームなのかを探った。

総合的な評価では Specialized Tarmac SL8が全ての重み付けシナリオで最高スコアを記録した。685gという圧倒的な軽量性と、209W(45km/h)という空力性能を兼ね備えており、あらゆる地形で最もバランスの良いフレームであった。

次点は Cannondale SuperSix EVO Hi-Mod(207W, 810g)で、全シナリオで安定して2位に位置する堅実なオールラウンダーであった。平坦特化では Cervelo S5(204W)が空力最速だった。

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空力と軽量のトレードオフ

ロードバイクの性能は、大きくわけて空力性能と軽量性の2つの要素によって決まる。しかし、この2つはしばしばトレードオフの関係にある。

  • 空力特化型(Cervelo S5、Trek Madone等): エアロ形状の太いチューブは空力に優れるが、重量が増す
  • 軽量特化型(Cervelo R5等): 細いチューブで軽量だが、空力では劣る
  • オールラウンド型(Specialized Tarmac SL8等): 両方のバランスを追求

近年、フレームの設計技術とカーボン素材の進化により、空力性能と軽量性を高いレベルで両立する「エアロオールラウンド」のバイクが台頭してきた。今回の比較では、TOUR Magazineの定量データに基づいて、この両立を最も高いレベルで達成しているフレームを特定した。

評価基準

  • 条件: TOUR Magazine風洞テスト空力抵抗値(45km/h, ワット)、フレーム重量(g)
  • 環境: 仮想コースシナリオでの実走パフォーマンス推定
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調査データ

TOUR Magazine 風洞テスト

TOUR Magazineは、ロードバイクフレームの空力性能について独立した風洞テストを実施している。10年以上、一貫してシルバーストーンでの風洞実験を行っており定量的なデータを取り続けている。

  • 速度: 45km/h
  • 測定方法: ダミーライダー(マネキン)あり、回転するホイール、動く脚のクランクで測定
  • 結果: 空気抵抗の維持に必要なパワー(ワット)として報告
  • 留意点: テスト年やセットアップにより微小な条件差が存在している。数ワットの差は測定誤差の範囲内の可能性がある。テストはフレーム+コックピット+ホイール+コンポーネントの組み合わせで実施されるため、一体型コックピットの空力寄与も含まれる

統合データ一覧

以下は、TOUR Magazineのエアロバイクテストを主要ソースとした統合データである。

フレーム 空力(W)45km/h フレーム重量(g) サイズ 備考
Cervelo S5 204 1,006 56cm 空力最速
Cannondale SuperSix EVO Hi-Mod 207 810 56cm 情報がばらついてる
Bianchi Oltre RC 207 915 55cm  
Trek Madone SLR Gen7 208 1, 050 56cm 最も重い
Specialized Tarmac SL8 209 685 56cm S-Works
Specialized Tarmac SL7 210 800 56cm  
Canyon Aeroad CFR 211 915 M  
Giant Propel Advanced SL 213 780 M  
Scott Foil RC 213 915 M  
Wilier Filante SLR 213 870 M  
Pinarello Dogma F 216 865 53cm 小サイズ
BMC Teammachine R 01 218 910 54cm  
Merida Scultura 219 822 M/L  
Colnago V4Rs 219 790 51cm 小サイズ

注記:

  • フレームサイズが異なるため厳密な比較には限界がある。一般に小サイズほど軽量・低抵抗になる傾向がある
  • Colnago V4Rs(51cm)とPinarello Dogma F(53cm)は他と比べ小さいため、参考値として扱う
  • Tarmac SL8の685gはS-Works FACT 12rカーボンフレーム(最上位グレード)の値
  • SuperSix EVO Hi-Modの空力値にはテスト条件による変動がある(207W~211W)ノーマルの丸ハンドルと空力の良くないホイールを用いたデーター。そのため、MOMOハンとエアロホイール取り付けたら確実に化けるが、データーがない。

空力データなしの注目フレーム

エアロハンドルとエアロホイールを組み合わせたSSE Gen4 LAB71はTARMAC SL8を超える可能性が高い。

フレーム フレーム重量(g) サイズ 備考
Cervelo R5 651 56cm ピュアクライミングモデル
Cannondale LAB71 770 56cm SuperSix EVOの最上位カーボン。空力208Wとする報告あり、ハンドルはより空力性能に優れたMOMOハンドル
Factor Ostro VAM 780 54cm 軽量エアロの代表格
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分析

正規化スコアによる総合評価

異なる単位の指標を比較するため、各指標を0~100で正規化した。

正規化基準:

  • 空力スコア = (218W – 対象バイクの値) / (218W – 204W) × 100  ※最良204W, 最悪218W
  • 重量スコア = (1050g – 対象バイクの値) / (1050g – 685g) × 100  ※最良685g, 最悪1050g
  • 総合スコア = 空力スコア × 空力重み + 重量スコア × 重量重み

※ 51cmのColnago V4Rsはサイズ差が大きいため本ランキングから除外

順位 フレーム 空力(W) 重量(g) 空力スコア 重量スコア 総合50:50 空力重視60:40 重量重視40:60
1 Tarmac SL8 209 685 64.3 100.0 82.1 78.6 85.7
2 SuperSix EVO Hi-Mod 207 810 78.6 65.8 72.2 73.5 70.9
3 Tarmac SL7 210 800 57.1 68.5 62.8 61.7 63.9
4 Bianchi Oltre RC 207 915 78.6 37.0 57.8 62.0 53.6
5 Cervelo S5 204 1,006 100.0 12.1 56.1 64.8 47.3
6 Giant Propel 213 780 35.7 74.0 54.9 51.0 58.7
7 Canyon Aeroad CFR 211 915 50.0 37.0 43.5 44.8 42.2
8 Wilier Filante SLR 213 870 35.7 49.3 42.5 41.1 43.9
9 Merida Scultura 219 822 -7.1 62.5 27.7 20.8 34.6
10 Scott Foil RC 213 915 35.7 37.0 36.4 36.2 36.5
11 Pinarello Dogma F 216 865 14.3 50.7 32.5 28.9 36.1
12 Trek Madone SLR 208 1, 050 71.4 0.0 35.7 42.8 28.6
13 BMC Teammachine R 218 910 0.0 38.4 19.2 15.4 23.0

データからわかる事実は以下の通り。

  • Tarmac SL8 は全3シナリオ(50:50, 60:40, 40:60)で1位。圧倒的な軽量性が空力面の僅差を大きくカバーしている
  • SuperSix EVO Hi-Mod は全シナリオで安定の2位。空力・重量ともに中~上位で、極端な弱点がない、丸ハンドルながら優れた空力性能
  • Cervelo S5 は空力スコア100点だが、重量ペナルティが大きく総合5位。空力重視60:40でも5位に留まる
  • Trek Madone SLR も同様に高い空力性能が重量で相殺され、12位と低迷

パレート最適フロンティア

他のどのフレームにも「空力かつ重量の両方で負けていない」フレームを特定した。パレート最適フロンティアとは、何かを犠牲にしない限り、これ以上の改善が不可能な究極のバランスを保つ位置を示している。

例えば、S5より空力を良くしようとすれば必ず重くなり、SL8より軽くしようとすれば必ず空力が犠牲になる。この「あちらを立てればこちらが立たず」という限界線上に並ぶ、妥協のない精鋭を探し出した。

  • Specialized Tarmac SL8 (209W, 685g) — 空力を上回るバイクはいずれも重量で劣る
  • Cervelo S5 (204W, 1,006g) — 空力最速。これを上回る空力のフレームは存在しない
  • Cannondale SuperSix EVO Hi-Mod (207W, 810g) — 空力で上回るのはS5のみだが、S5は196g重い

この3モデルがパレート最適フロンティア上に位置する。

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実走シナリオでの推定

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仮定条件: ライダー+装備 70kg(バイク除く)、ホイール・タイヤはバイク間で同一と仮定

シナリオA: 平坦40km TT

速度40km/hでは空力抵抗が全抵抗の約80%を占める。

フレーム 空力(W) S5比タイム差(推定)
Cervelo S5 204 基準
SuperSix EVO 207 +約18秒
Tarmac SL8 209 +約30秒

→ Cervelo S5 が明確に有利。ただし、S5のフレーム重量(1,006g)の完成車はUCIの最低重量規制(6.8kg)よりも大幅に重量が増加する。

シナリオB: ヒルクライム 勾配8%, 20km

勾配8%では体重+車重が支配的。空力の影響は10%以下。

フレーム 重量(g) SL8比タイム差(推定)
Tarmac SL8 685 基準
SuperSix EVO 810 +約3秒
Cervelo S5 1,006 +約8秒

→ Tarmac SL8 が有利。ただし、フレーム差321gはライダー+バイク(~77kg)の約0.4%であり、実走での差は限定的。

補足として、エアロバイクとクライミングバイクの損益分岐点は、ライダーの出力・体重・風向などの条件により変動するが、概ね勾配6~9%の範囲とされる。勾配8%は議論でよく言及される代表値である。

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結論:最高のバイクはやはり・・・

総合評価

定量データに基づく分析の結果、空力性能と軽量性を兼ね備えた最高のロードバイクフレーム は以下の通りである。

第1位: Specialized Tarmac SL8

S-WORKS TARMAC SL8は、全てを制する一台。

空力 209W(全体5位/14台)
重量 685g(全体1位 — 圧倒的最軽量)
総合スコア 82.1/100(50:50)

空力性能はトップグループに位置しつつ、フレーム重量で圧倒的な差をつけている。平坦から山岳まで、あらゆる地形で最もバランスの良いフレーム。全3つの重み付けシナリオで1位を独占。

第2位: Cannondale SuperSix EVO Hi-Mod

LAB71 SSE Gen4のエアロハンドル、エアロホイール仕様はTARMAC SL8を凌ぐ可能性が高い。

空力 207W(全体2位タイ)
重量 810g(中量級)
総合スコア 72.2/100(50:50)

空力と軽量性の両方で安定して上位に位置する堅実なオールラウンダー。極端な弱点がなく、全シナリオで安定して2位。コストパフォーマンスの高さも魅力。丸ハンドルながら優れた空力性能、MOMOハンドルにすることでさらに空力性能が向上する伸びしろがある。

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第3位: Specialized Tarmac SL7

TARMAC SL7  (Image credit: Specialized)

え?と思ったのがTARMAC SL7だ。

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空力 210W(全体6位)
重量 800g(軽量級)
総合スコア 62.8/100(50:50)

前世代モデルながら依然として高い水準。中古市場での入手性や価格面で優位性がある。変な中華を買うくらいなら、中古でSL7勝った方がいい。

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用途 推奨フレーム 理由
オールラウンド(総合最強) Tarmac SL8 空力×軽量の総合バランス全シナリオ1位
平坦・高速巡航重視 Cervelo S5 空力最速204W(他を5W以上上回る)
ヒルクライム重視 Tarmac SL8 最軽量685g + 十分な空力性能
コストパフォーマンス SuperSix EVO Hi-Mod 安定した性能で競争力のある価格
将来の有力候補 Cannondale LAB71 770g + 空力208Wの報告あり。データ次第で1位争いの可能性があり、エアロハンドルを使った場合はさらなる空力性能の向上が見込める。
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