【書籍】土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニングの感想

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ここまで国内のプロ選手が書いたトレーニング本は他にないのではないか。それが、海外のグランツールを戦ってきた土井雪広選手ならなおさらである。読み物として、トレーニングの書籍として先に言うと本当に良い。私は別に本書をもらったわけでも、紹介しろと言われたわけでもないが、良い内容だこの本は。

本書「土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング」の良い理由は幾つかある。まずは日本国内の「パワートレーニング信者」にウンザリ?(事あるごとにFTPとか聞かれてめんどくさいと別の書籍で語っている)している土井選手がTSSやパワー基準のトレーニングを事細かに記している。そして、今や見向きもされなくなった「距離を乗ること」に関する見解や、LSDやLMDの話も興味深い(やっぱり乗り込みは重要)。

そして、もう一つは巻末にひっそりと記されていた編集者だ。

あの「エスケープ」全日本選手権の書籍を書いた佐藤氏である。あの秀逸な文章力と、取材力、そして読者を引き込む魅せる文章は私のお気に入りの書籍となった(魅せる文章に惹かれて他の書籍も買ったほどだ)。全体的な構成と、読みやすい文章は佐藤氏の匂いがする。

恐らく佐藤氏が土井選手にインタビューをし、ありとあらゆるノウハウをまとめた形に仕上げた共著だと推測する。私は土井選手が校正から文章まで大々的に書く必要はないと思う。本業は物書きではないし、プロのロード選手だ。我々が土井選手に期待するのは誰もしれ得ない、持ち合わせている「経験」や「ノウハウ」である。

それらを文章力に定評がある佐藤氏がまとめ、分業の結果として今回の良書が生まれたと推測している。

なお、本書はトレーニングだけではなく、ポジショニング、レースでの走り方など全方位的にまとめられた良書である。さらに面白いのは「土井選手Lightweightホイールを語る」と勝手に名付けた章だ。名指しで機材や、選手名が出てくる。高岡さん、村山さんの名前も登場する。

本書は私のすごく好きな文章を書く佐藤氏と、JPTのレースでいつも遠くからこっそり応援(自分のレース前にアップを辞めて見に行ってる)している土井選手のノウハウが詰まった良書だ。書籍エスケープのあの秀逸な文章がまた読みたい人、土井選手のトレーニング方法を知りたい人は間違いなく買いである。今年トレーニング本が幾つか出たが間違いなくトップクラスだ。

いやいや、ステマだろうという方は立ち読みでTSSの所やクオーター、ワンクールのところを見て欲しい。きっと立ち読みでは済ませられなくなるはずだ(それだけ情報量が多い)。ただ私は、書籍全体のバランスと校正を楽しみながら読んだ。読み物としてトレーニング指南書として本書は期待を裏切らない一冊だ。

土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング
土井 雪広
東京書籍
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