自転車の楽しみ方は一つではない。私はロードバイク、マウンテンバイク、シクロクロス、トラックの競技を掛け持ちしているけど、全てに学びがある。おそらく、ロードバイクだけで人生を終わらせるには機会損失だとおもう。
というよりも、バイクを操る楽しさはロードバイクには皆無だ。正直。あとロードバイクーのバイクセッティングは相当大雑把だ。バイクのセッティングを突き詰めている(良い機材や高い機材を買うという意味ではなく)機材の性能を引き出す努力をする人はロードバイク乗りには少ない。前後のタイヤ空気圧が同じだなんて、他の競技からすると驚かれる。
シクロクロスやマウンテンバイクが良いのは転んでも大きな怪我をしないところにある。また、テクニックが目に見えてわかるから、謙虚なライダーが多い。あととても素晴らしいと思うのは、先輩ライダーが色々と教えてくれるということだ。
私がすごく短い時間でシクロクロスのトップカテゴリで走れるようになったのもこの教わるという土台があるからだ。だから、オフロードの先輩たちには足を向けて寝られない。というよりも、「フィジカルなんてものが多少あったぐらい」ではシクロクロスは走れないのだ。
これがマウンテンバイクになるとさらに顕著になってくる。下れない、登れない。しかし、楽しい。ある程度マシンが助けてくれる部分はあるのだけどXCとなると結構難しい。それでも私は長い目で見てマウンテンバイクは生涯スポーツとして取り組んでいきたい。
こんなことを言ってしまうと怒られるかもしれないが、ロードの辞めどきを常に意識している。40なのか、50なのか。それはわからない。ただ、その時に選択肢を増やしておきたい。近所にはすぐそこ。マウンテンバイクが乗れるトレイルがある。
シクロクロスのシリーズ戦もある。トラックのシリーズ戦もある。ロードにこだわらず、多種多様な楽しみ方を知りたい。そうしなければ、一つの狭い世界の中でしか話をできなくなる。周りにそういう人がいるけど、できることをやり続けていてもそれは後退していることと一緒だ。
できないこと、成し遂げていないことに挑戦する。それは何歳になっても出来るし、自分で目標を立て続けたらいい。現状維持は後退すること。様々な経験をしながら、自転車という競技に向き合う時期にきているのかもしれない。
東洋経済新報社
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