自転車に乗るために筋トレは必要だ必要だ、という議論は古くからある。実際に自分でやってみて気づいたのは、競技種目や年齢によっては効果が十分にあると実感できる事のほうが多かった。
むしろ、若い時よりもおっさんになってからのほうが筋トレがとても大事だと思うようになったくらいだ。
一般的に筋肉量は、25歳くらいでピークを迎える。そして加齢により筋肉量は減少していく。これは止められない事実だ。最近の研究では、30代以降になると男女とも年間1%ずつ筋肉量は減っていくことがわかっている。
10年で10%、30年先には30%減少するようだが、筋肉量の減少は年齢を重ねるとともに指数関数的に大きくなっていくという。60歳には筋肉量の低下は加速度がさらに増し25歳時の約60%まで落ちるという。単純に”なにもしなければ”筋肉量は落ちていく一方だ。
”なにもしなければ”筋肉量は落ちていくが、正しく筋トレすると筋肉量の低下を緩やかにできることがわかっている。
今回は実際に自分自身がやってみて、自転車に乗るために効果が大きいと感じた筋トレ3つを紹介する。ただし、これだけやっていればいいという全知全能のメニューではない。むしろシンプルすぎるて不安になるかもしれない。紹介するのは、自分の競技スタイルに合っていると感じたものだ。
けんすい:週2
先日、MTBアジアチャンピオンに輝いたトッキーこと、沢田時選手がBS時代にやっていたのを見て始めたのがけんすいだ。けんすいは場所を選ばずどこでも簡単にできるわりには、自転車にかなり効くので好んで続けている。
当ブログ読むより↑のトッキーの筋トレ記事見たほうが100倍有効だと思うのは内緒だ。
実は、自転車にけんすいなんて必要ないと当初は思っていた。しかし、登りやヒルクライムで高出力をかける場合に効果を感じる場合がとても多かった。
登り区間でパワーを出す際にブラケットやトップバーを後方に引き、上半身をハンドルに引き寄せるようにしながら、脚を蹴りだすように力を込められるようになった。これまでは上半身が薄くヒョロヒョロだったので、十分に上体をロックできなかった。
脚のパワーに体幹が負けて上半身が揺れ、力が逃げるような無駄な動きをするクセがあったが改善した。けんすいは腕の力だけではなく、広背筋の力も使うため上半身の筋肉を総動員できるようだ。見落とされがちだが効果を感じやすい筋トレ種目だと思う(個人の感想です)。
また、MTBの登り区間でハンドルを引く際はめちゃめちゃ効果を感じる。私は自重で10回3セットを週2回行っているが、1年以上継続していると知らず知らずのうちにバキバキになってくるので、たるんだオッサンにおすすめだ。私はたまに子供に背中を自慢している。
コロコロ体幹:毎日
コロコロを使った体幹の筋トレはマグロこと井上亮氏から教えてもらったことが始まりだ。これはかなり効く。体幹を鍛えるのだが、腹筋ローラーを使って膝をついてコロコロする「膝コロ」からはじまり、最大難易度のつま先立ちでコロコロする「足ころ」とレベルアップしていく。
マグロ氏がツールドオキナワを優勝したとき、上半身の仕上がりのヤバさに「合成かよwww」と輪界が騒然となったが、本人に伺ったところ様々な体幹のトレーニングを積んでいたようだ。私にはとてもマネできない内容だったが、コロコロは続けている。
先ほどのけんすいと体幹メニューを合わせることで相乗効果が見込める可能性がある。おもにライディング中の上半身の安定性を高める事に効果を発揮しているように思える。体幹を鍛えることは、脚で生み出したパワーを抑え込むことができロスなくペダルに伝えるために重要だと感じた。
意外かもしれないが体幹の筋トレは、自転車に長時間同じ姿勢で乗ることや、登りで脚の力を余さず伝えるなど、自転車を乗るうえで効果がおよぶ範囲が非常に広いと感じている。
「けんすい+コロコロ」の組み合わせはかなり効くと思う。効果も高いと感じた筋トレなので取り入れてみてほしい。なお、上半身がバキバキになっていくのは結構気持ちがいい。
なお、使っているのはアディダスのやつ。
フルスクワット
やっと、脚まわりの筋トレだ。
自転車乗りだと脚の筋トレばかりが注目されがちだが、ロードレースやヒルクライムといった競技の場合は体幹周りを鍛えるほうが効果が高いと感じた。実はランジ、ハーフスクワット、フルスクワット、デッドリフトなど脚まわりばかりやってきたのだが今ではフルスクワットを10RM x3だけに落ち着いている。
フルスクワットでも体幹は重要で、スクワット中のバーの揺れも少なくなりフォームも安定する効果がある。
フルスクワットは自重でも良いとおもうのだが、自宅のパワーラックでバーベルを使って行っている。初めはマシンでも良いと思うのだが、バーベルのほうが不安定な中でうまくパワーをかける必要がある。バーベルとマシンの比較実験では同じスクワットを行っても効果的なのはバーベルという結果が出ている。
動作が制限されないバーベルと、制限があるマシンで行う筋トレ効果の違いは以下の書籍で紹介されている。
バーベルを使った筋トレは、ジムでみっちりフォームから教えてもらった。その後、自宅で行うようにした。自重でフルスクワットをやるなら問題はないが、バーベルとウェイトを使ったフルスクワットやデッドリフトは教えてもらうほうがいい。
我流はケガをするし、正しいフォームを身に着けてからのほうがいいと思う。フルスクワットをするときは、腰のベルトとアシックスのスクワットシューズをはいてトレーニングしている。
まとめ:んで、継続することが大事
筋肉量は10年で10%、30年後には30%減少する。60歳には筋肉量の低下は加速度を増し25歳時の約60%まで落ちる。なにもしなければ落ちていく一方だが、何かすれば筋力のが低下すうrスピードはいくらか緩やかになる。
むしろ、おっさんや年齢を重ねたサイクリストにこそ、加齢に抗うために筋トレが必要だ。やる、やらないは各人の自由だし、筋トレは1回やったぐらいでは効果がでない。3ヶ月、半年、1年と継続して筋繊維の破壊と再生繰り返し、日々少しづつ積み重ねていく辛抱強い取り組みが必要だ。
また、筋トレのメニューは無数にある。今回紹介した内容がもちろんすべてではないことは読者の皆さんは理解していると思う。競技種目によっては意味のない筋トレメニューもあるため、何に有効なのかは実際に試してみて見定めていく必要がある。
それでも、落ちていく筋肉量に抗うべく何かしらの筋トレを始めるという一歩を今から踏み出せたとしたら、今この瞬間からあなたは細胞レベルで変わっていけるのだ。