また新しい一日が緩やかに始まっていく。トレーニングの強度は落としつつ、日々継続してトレーニング。何かメニューをやるわけじゃないけど、淡々と決めたことを続ける。継続こそ力なり。次の目標までは遠い。なので、資格試験の勉強を少しづつ始めた。
毎年、一つ資格を取ることはや十数年。苦労を伴うが、息切れもしないし、疲労で疲れることもないし、理解と暗記の世界。ただ、「理解することを理解する」という取り組みは一つの研究になっていて、その模様は「Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ」という書籍にまとめられている。
学びが深まるという題名よりも、理解するためには何を理解すればよいか、理解を理解している状態というのはどういうことなのかを実験から明らかにしている。
本書では、エビデンスを元に学習するという手法を調査している。そして、深い学びを得るステップを6つに分けて整理している。よくある「自分はこうやったらうまくいった」というたぐいは出てこない。本書は2017年のAmazonのベストサイエンス書だ。「サイエンス」なので十分に検証されていて、再現性があるものだ。
本書はトレーニングに取り組む際にも多大な情報が積み込まれている。学びたいと思わなければ学べない、強くなりたいと思わなければ強くなれない。当たり前なのだけれど、わたしたちはそれらとはかけ離れた(根拠のない)行動をとりがちだ。例えば学習であれば、蛍光ペンで大事な箇所に線を引くことは、様々な実証研究をすると、学びにとってまったく意味がない。
ようするに、無駄な努力、無駄な作業なのである。それらは「本人が漠然と効果があると信じこんでいる大きな間違い」であり、なんの学習効果もない。このような無駄な作業や努力はトレーニングに取り組む際にもしばしばお目にかかる。本書を読めば頭が良くなるとかは一切ない。しかし、無駄な作業や今までやってきた既成概念を変えてくれる一冊だ。
仕事を覚えなければならない、資格試験、物事への取り組みに悩む社会人には良い一冊だといえる。
英治出版 (2018-07-19)
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