三日間の熱き戦い
前半戦に照準を合わせてきた三日間のツールド熊野。チームの興奮冷めやらぬ中、三日間を振り返って行きたい。振り返って思うのは個人の成績も一つの嬉しさであるが、「チーム」としてのまとまりがより深く、より強く感じられたのだ。
現地で何があったのか、その写真やソーシャルでは伝えられていない事を振り返って行こう。
熊野前日
昨年に続き、ともさんの車で現地に向かう。一日目のさつき温泉からアクセスも良い。この日私も仕事を早々に片付け、ほとんど準備していない機材の準備に追われた。ともさんも飛行機で東京から帰ってきたそうだ。行きの車で三日間のレース話に花が咲く。
到着すると、先発隊は既に出来上がっていた。お風呂に先に入り就寝。久しぶりにまつけんさんに有ったが、相当絞れている。「熊野やっちゃうよ?」と相変わらず余裕そうだ。体の調子も悪いと三味線を引くが、2日目のコースで五分6.48W/kg出した変態の「調子が悪い」は当てにならない。
チーム員皆がリスペクトする仕事も忙しいけど強く優しい師匠だ。
さとちんと同部屋であったが緊張している様子はない。むしろ楽しそうだ。どうやら人間はプレッシャーがある方が生きるタイプと、無い方が生きるタイプとそれぞれある。どうやらさとちんはプレッシャーがなく自由にやる方があってるようだ。
熊野一日目さつき温泉
9時30分にスタートする。いつもスタートから逆算してスケジュールを決めている。決まった時間になるとアラームがなる。レース前のプロトコルはいく度となく走り得られた現場の最適解である。例年と駐車場も変わっていた。いつものところが取れない
20分前の9時10分には移動しようと考えていた。およそ一時間前の8時10分にウォーミングアップスタート。最近体が求めているウォーミングアップをしようと決めている。だらだら入り、徐々に上げて行く。私の場合一生懸命こがずに300Wまで体が温まると上がる。
調子がいい時は320W程。この日は317Wまで(すんなりと)上がった。調子は良い。今回捨て身の調整で熊野まで走りまくった。高岡さんの本にもあるが三時間のファストランと呼ばれるメニュー。話は戻り、1時間30分前にエネルギーやカフェインを摂取。特製赤いドリンクも飲む。
なお、私は二時間前から何も固形物を食べない。走ってる時に栄養になっていない、消化にエネルギーを使い、ただの重りになるからだ。
レーススタート
レースは平地と少しばかりのアップダウンで行われる。今回はエース二人が居るので私は先頭でなるべく回す。人数が多いと、色々他のチームに苦言を言われることが多い。そんなこと気にしてられないが、チームの捨て駒として生かされるならば、それも本望である。
この日のロマン賞は、かまやん兄貴だ。間違いなく調子が良さそう。私が平坦で回してるとすかさずオーラで語ってくる。横からてっちゃんも来て色々とアドバイスをくれる。ただ平坦は45km/hでているが、てっちゃんとの近さは30cm程か。
今回はKOMに入る入りで全てが気まる。とりあえず、去年詰まったので先頭ではいる。三日間、ホンダ栃木さんの方と常に先頭で回した。どのレースもそうだが、毎回顔ぶれは決まってくる。それはある種走り方がわかり、安心感がある。
一周目も二周目もホンダ栃木さんの方とKOM入る。3日あるが消極的な走りをすると、それだけで落ち込むので、足を残しつつ走る。足を残しつつというのが過去には見られない成長か。
最終周回、スピードが上がる。右手からいのきんさんが、あげていく。着こうと思った瞬間、躊躇してしまい出遅れた。せっかくのチャンスを潰してしまった。この後悔と力なのなさ、処理能力の無さを悔やんだ。
自分が行っていたら、てっちゃんやまつけんさんはもっといい順位だったかもしれない。悔しさと申し訳なさでいっぱいだ。ひたすら謝るが、チームメンバーは「万死!」や「ヘタレ!」と茶化す。
誰も咎めず、常に終わったら楽しむ。申し訳なく余計にへこんでしまうが、明日挽回と心に違う。
チームからは、雑誌インプレライターで最強の強さを誇るライター浅野氏が優勝。私は自転車雑誌をくまなくチェックしてるが、自転車雑誌において、一番レースで結果を出されている。
私のデータベース上、現場のライターさんで実業団Eliteののトップカテゴリで走り、過酷な条件下で機材を試している方は浅野氏以外居ないだろう。
そして、まつけんさん、てっちゃんが入賞した。いよいよ二日目はライター浅野からロマン浅野を襲名することになる二日目が来る。
二日目公道をつかったラインロードレースに続く
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