【世界最速のチェーンオイル】CeramicSpeed UFO Dripが40%安く15%の抵抗減で世界一に返り咲く

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Photo: Ceramicspeed

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世界で最も抵抗の小さい潤滑剤の記録が塗り替えられた。これまではAbsolute Black Graphene Lubeがトップの座に君臨していた。過去には、CERAMICSPEED社の旧UFO DripやMolten Speed Waxが抵抗が知られていたが、CERAMICSPEED社が改良した「UFO DRIP NEW FORMULA」が世界一抵抗の小さい潤滑剤に返り咲いた。

UFO DRIPは筆者自身も愛用していたが、潤滑剤としては非常に高価で1本あたり1万円近い代物だった。ところが今回発表されたUFO DRIP NEW FORMULAは前作よりも価格が40%プライスダウンし、コーティングの耐久性は倍に、旧UFO DRIPよりも抵抗は15%改善された。また、気温5℃の低温下でも使用することが可能になった。

そして、ロードのみならずオフロードや雨天、ほこりや砂でも性能を発揮するというあらゆる条件をカバーした潤滑剤として生まれ変わったのである。今回の記事はCERAMICSPEED社がリリースした改良版UFO DRIP NEW FORMULAの性能と実験結果を探る。

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実験結果

Photo: Ceramicspeed

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抵抗測定の試験は、5時間250wの負荷をかけ続け様々な競合製品をテストするというおなじみの実験だ。ドライ環境で行われた実験ではクランクとディレイラーを配置し、ケイデンス95RPM、250ワットの一定の負荷をかける。UFO DRIP NEW FORMULAはおよそ2.75~3.25ワットの範囲で最も小さい損失を示した。

5時間後に得られた実験結果TOP5は以下の通り。

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  1. UFO Drip New Formula
  2. Absolute Black Graphene Lube
  3. UFO Drip Original Formula
  4. Silica Super-Secret Chain Wax
  5. Squirt Chain Lube

日本で高い知名度と多くの愛用者がいるMolten Speed Wax + Race PowderはTOP5にも食い込めず、6番目に抵抗が小さい潤滑剤に成り下がってしまった。技術革新とたゆまぬ研究開発が行われ、「世界一抵抗が小さい」という称号はここ数年の間でたちまち入れ替わったことになる。

CERAMICSPEED社はZFC(Zero Friction Cycle)の実験と同じく汚染物質(チリ、ホコリ、砂、汚れ等)を再現した環境で潤滑剤のテストも行った。10分間隔で1/3グラムの汚染物質がチェーンの上部に直接ふりかけられ、95RPMで250ワットの負荷でドライ環境と同様の装置を用いて実験が行われた。結果、得られたデーターは以下の通りだ。

Photo: Ceramicspeed

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  1. UFO Drip New Formula
  2. Absolute Black Graphene Lube
  3. Squirt Chain Lube
  4. Morgan Blue Race Oil

興味深いのはUFO Drip New Formulaのみ、時間が経過するとともに抵抗が減る傾向が得られたことだ。UFO Drip New Formulaのドライ表面仕上げは汚染の影響を受けず、時間の経過とともにワックスがチェーン内で最適化していくにつれ、より効率的に変化していく特性があった。

実験結果から、UFO Drip New Formulaはドライ環境、汚染環境の双方において世界で最も抵抗を小さくできる潤滑剤として確かな結果が得られている。次章では、UFO Drip New Formulaの使用方法を確認していく。

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UFOドリップの塗布方法

Photo: Ceramicspeed

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Molten Speed Waxのようにスロークッカーを使う手間と時間がかかる施工方法は終わりだ。

UFO Drip New Formulaは非常に簡単な方法で塗布できるように改良・設計された。はじめにワックスが均一にブレンドされるように、使用前にボトルをよく振る必要がある。ボトル内に攪拌機が含まれており撹拌するために一工夫してある。新しいチェーンを使用する場合は、チェーンを完全に洗浄して乾燥させる必要がある。

定番のフィルタクリーナーでも良いがCeramicSpeed社の推奨方法は、CleanDrivetrainを使用することだ。塗布の方法としては旧作から大きく変わっていない。UFOドリップをカセット上のチェーンローラーに直接塗布する。チェーンを通常の進行方向とは逆にゆっくりと逆回転させる。

チェーン全体を1回目は約8ml使用し1回塗布する。さらに2回目は5ml使用し同様にコーティングする。(最良の方法であり、1回5mlの塗布でも良い)最良の結果と性能を最大限に引き出すためには最低8時間乾燥させる必要がある。また、旧作で問題となっていた使用温度と揮発性の問題が改善されており、5~35℃での使用が可能になった。完全に乾かした場合、温度変化に対する安定性の改良も施されている。

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まとめ:世界一抵抗が小さい潤滑剤

日本のスーパーコンピュータ富岳が二期連続世界最速を獲得したことと同じように、いつの時代も最速を追い求めるロマンは人々を魅了する。「2位じゃだめなんですか?」という言葉に対して、はっきりと「だめだ」と言いたい。UFO Drip New Formulaが優れているのは潤滑性能だけではなく、施工方法の簡単さと手軽さだ。

Molten Speed Waxのように特別なスロークッカーを用意してワックスが溶けるまで1時間近く待つ必要もない。UFO Drip New Formulaの登場によって、通常のオイル塗布と同じように手軽な使い方で世界最速を手軽に試せる時代になった。さらにAbsolute Black Graphene Lubeのような狂気の沙汰ともいえる高価格でもない。価格は40%に抑えられ、40ユーロ(日本円にして4940円)で購入できる。

最もケチった使い方の場合、1回あたり141円だ。プロテインバー1本よりも若干安い価格といったところだ。プロテインバーは太るかもしれないが、UFO Drip New Formulaは確実に抵抗を下げられる。高いと取るか、安いと取るかはライダーの本気次第だろう。

以下、UFO Drip New Formulaのまとめだ。

  • 内容量:180ml
  • 使用温度範囲:5~35℃
  • 乾燥時間:8時間
  • チェーン1本あたりの使用量:5~10ml
  • 使用回数目安:35回
  • 持続性(ドライ):平均300km
  • 持続性(汚染環境):平均 200-250km
  • 価格:40ユーロ

日本でUFO Drip New Formulaの発表はまだ行われていない。価格が気になるところだ。国内代理店は老舗のトライスポーツであるため、どの製品も海外との価格差がそれほどなく適正な価格設定で販売が行われている。今回のUFO Drip New Formulaもお求めやすい価格設定になるはずだ(おそらく)。

誰でも簡単に試せる世界最速は特別な施工を必要とせず、通常の潤滑剤と変わらない方法で手に届くようになった。しかし、皆が皆使用してしまうと潤滑剤でアドバンテージを稼ぐことは難しくなる。それでも1%でも抵抗を減らしたいライダーや、生み出したパワーを1%でも無駄なく推進力に変えたいライダはーUFO Drip New Formulaが最良の選択肢になるはずだ。

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