風洞実験を実施した結果を報告します。当日の試験条件は以下の通りです。
- 試験日:2021年2月19日
- 室内の気温:18.4℃
- 風速:48.3 km/h(13.4 m/s)
- Yaw角:0, 2.5, 5.0, 7.5, 10.0, 12.5, 15.0, 17.5, 20.0
- タイヤ空気圧 6.6bar
- タイヤ:GP5000 25C (新品)
- ディスクローター:SM-RT900 140mm
測定データから加重平均計算を行った結果は以下の通りです。
- ROVAL CLX50: 15.5W
- ITLAB 45: 17.4W
- ROVAL ALPINIST CLX: 20.8W
加重平均計算に関しては「どちらが空力が良い?なぜDragに重み付けをすべきなのか。」を参照してください。
Dark Skyを用いたニセコクラシック150kmのシミュレーション結果
ニセコクラシックのコースを用いたレース当日のスタート時間におけるシミュレーションのパラメータは以下の通りです。
- レース名:ニセコクラシック2021 150km
- 日付:2021-06-13
- スタート時間:06:00:00
- 気温:Dark Skyが計算した当日の気象条件をロード
- 気圧:Dark Skyが計算した当日の気象条件をロード
- 風速:Dark Skyが計算した当日の気象条件をロード
- Yaw角:Dark Skyが計算した当日の気象条件をロード
- Rolling Resistance:0.002670(GP5000 x Latex)
- Mechanical Loss:0.012
- Racing Position:Drops
- Climbing Position:Tops
- スタート後のドラフティング:あり
- 登り入り口の速度:22km/h(2019年の出場データより)
- 下り最大速度:96km/h(2019年の出場データより)
- CdA:ホイール毎に取得したデータをロード
- IF:0.80
- ライダーの重量:63kg
- バイク重量1(ROVAL CLX50):6,800g
- バイク重量2(ITLAB 45):6,610g
- バイク重量3(ROVAL Alpinist CLX):6,640g
- ホイール重量1(ROVAL CLX50):1,414g
- ホイール重量2(ITLAB 45):1,221g
- ホイール重量3(ROVAL Alpinist CLX):1,251g
ゴールタイムの結果は以下の通りです。
- ITLAB 45: 04:08:18
- ROVAL CLX50: 04:08:41(+23)
- ROVAL ALPINIST CLX: 04:08:45(+27)
2021年06月13日の06:00:00にスタートし走り終えるまでのYaw角が発生する分布は以下の通りです。
2021年06月13日の06:00:00にスタートし走り終えるまでの風向きは以下の通りです。
ニセコクラシックのコース勾配分布は以下の通りです。
まとめ
風洞実験データや加重平均計算後の結果ではITLAB45よりもROVAL CLX50が優れていました。ニセコクラシックのコースを想定した2021年06月13日における06:00:00スタートを想定したDark Skyが予測した風速やYaw角からシミュレーションした結果はITLAB45が23秒速い結果でした。
ニセコクラシックは登り区間が長いため、CLX50とITLAB45のホイール重量差193gが有利に働く結果にでした。レース当日の風速やYaw角も結果に大きく影響したと考えられます。実環境における風向きは地形やドラフティング状況により刻々と変化します。そのため、レースコースによって結果が変動します。よって、以下のコースのGPXデーターとレース当日の気象条件を用いた追加調査を実施中です。
結果は後日公開致します。また、計測してほしい未来の日付、スタート時間、GPXデータをお寄せいただければシュミレーターで計算いたします。掲載した内容について、コメントや質問等ありましたらぜひお寄せください。
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