沢田時選手は、あのとき何を考えていたのか。
全日本シクロクロス男子エリートの60分間、沢田時選手(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が勝つために決断したひとつひとつ走り。それらを余すこと無く書かれた記事がnoteに公開された。
今回の全日本選手権は映像で中継されており、すべての展開や出来事を知っていたつもりだった。しかし、沢田時選手の記事を読んで思ったのはそれらはすべて間違いだった。「映像に映し出された事実」はただ漠然と見ているだけでは何も意味を持っていなかった。
沢田時選手の「思考」や「判断」が文章として書き落とされた結果、「そうだったのか」と改めて気付かされた。織田聖選手と脚で会話したあの60分、映像では決して知り得ない緻密な作戦と計算された走り方の数々。そして、序盤にすでに勝負の行く末を悟っていた沢田時選手。
聖とのマッチバトルになることを覚悟した。
ほとんどの周回が沢田時選手と織田聖選手のパックだった。二人は今回のレースで突出した存在だった。パワーや技術以外にも、ピットの位置、バイク交換すら二人は計算していた。
バイクを受け取る場所まで指定して両親にお願いしていた。ちょうどピットの真ん中の位置であれば下ってきたスピードを落とし過ぎず、出口の右コーナーまでも余裕をもってバイクに飛び乗れる。聖も全く同じ位置でのバイク交換だったことは偶然ではないだろう。
トップクラスの選手たちは1秒をいかにして生み出すかを考えている。ピットの位置、バイク交換時間と僅かなムダが生じればすぐさま負けを意味する。
私が最も知りたかったのはあの、「最終周回のバイク交換」だ。あの時、勝負を分けたあの一瞬の理由を日本国中のシクロクロッサーは知りたかったはずだ。沢田時選手は「あの一瞬」の出来事をはっきりと触れている。
私は「あの一瞬」の後に記された沢田時選手のご両親のやりとり(内容は記事内で確認してほしい)に涙腺崩壊した。(´;ω;`)・・・。
noteの有料記事500円だが、「全日本チャンピオンが書いた記事」「機材や空気圧のデーター」「細かな戦術」「何を考え何を判断したのか」等、正直500円以上の価値のある記事だ。シクロクロスの全日本選手権覇者が余すこと無くあの60分に何があったのかすべてを書き残している。これこそ本当に価値ある記事だ。
全シクロクロッサー必読の記事だ。ほんま、今年コレ読まなかったらマジで一体何読むんや、、、っていうレベルの60分が凝縮された7000文字の記事だ。