高い測定精度で数々の研究機関や、UCI、トラックナショナルチームに採用されてきたVerve infocrankが「IC2」としてアップデートした。長年の研究により、全く新しいモジュールと全面改良が施された。
Verve InfoCrank IC2 パワーメーター
Verve InfoCrank(初代)のウリは0.5%という高い測定精度だ。クランク内部に設置されたひずみゲージは、外からの衝撃につよく、防塵防滴仕様で堅牢性が非常に高い。Verve社は、シクロクロスやグラベルの過酷なテストを何年にもわたって行っているが、問題が発生する頻度は非常に低かったという。
nfoCrank IC2パワーメーターは、前作の高精度をベースにイチから再設計された。技術設計とペダリングの力に沿ったひずみゲージのレイアウトだけが引き継がれた。ライダーのトルクとケイデンスをクランクアーム「内部」から計測する。
そして、時間の経過によるデータのドリフトを自動的に排除する仕組みを追加した。温度と気圧の変化を自動的に補正し、様々な状況下におけるパワー計測を高い精度で繰り返しおこなえるように改良された。
その結果、infoCrank IC2には、「再調整」や「ゼロ点調整」という概念が無くなった。
これらの技術は、モジュラースパイダーと新しいボトムブラケットスピンドルを備えた、新しいエアロプロファイルクランクセットに統合されている。
新しい “Beyond Hollow “の合金アームは、24mm経で軽量化しつつ剛性を高められた。ほとんどのBBと互換性を持たせている。クランク長は、155, 160, 165, 170, 172.5 & 175mmのオプションがある(167.5mmが無いのが残念)。
infoCrank IC2は、モジュラー・スパイダー方式を採用しているため、ロードバイクからマウンテンバイク、グラベル、と各種競技にあわせてクランクセットを簡単に交換することができる。ロード用4アーム110スパイダー、トラック用5ボルト144、BMXとMTB用4アームスパイダーも対応可能になる。
通信方式は、ANT+とBLEの両方を採用した。
性能
IC2はいくつかの画期的な技術を採用している。まずは「FMT」だ。FMTはクランク内部からの「接線方向の力だけ」を計測する技術だ。他のブランド(パイオニア、シマノ、ROTOR、4iiii)などとは異なり、パワーに関する無関係な力は測定されない。
この考え方はパワーメーターとしては新しい取り組みだ。測定精度を極限まで高めることを目的としており、法線方向の力はノイズとして処理する。
次に、ペダルスピードに関係なく正確な測定が可能なFDT(フォースデリバリーテクノロジー)を搭載している。極限まで正確な計測を可能にするために、クランクアームを特別に設計している。これは「スパイダー式」のQUARQや「貼り付け式」の4iiiiやSTAGES、パイオニアとの差別化を意味している。
「スパイダー式」とはそもそも、クランクの設計と無関係で独立した設計だ。そして、クランクアーム貼り付け式は、トルクを測定するためにクランクを設計されていない。フレックスを測定する微妙な強度、剛性、効率的な計測のために「不要なもの」が取り除かれている。
次に、ビヨンドホロウ構造を採用している。この構造はIC2で採用された最適なクランク設計の進化形だ。力の方向、最小のたわみ、あらゆるタイプのサイクリストのために設計されている。
次に、高速にデータを取得するHSD技術が搭載されている。ペダルストロークのあらゆる部分を「0.004秒」ごとに記録する。0.004秒は≒0.0039秒のことであり、いわゆるサンプリング周波数が256Hzということになる。
測定の粒度としては、SRMの200Hz(0.005秒)を凌ぐ解像度だ。
価格
現在、1,089ドルで先行販売中だ。予約注文となっており、先着順で販売価格が変動する。早ければ速いほど安くIC2を購入することが可能だ。1,089ドルから割引されるパーセンテージは以下のとおり。
- 先着100名:15%割引
- 先着150名:10%割引
- 先着250名:5%割引
Verveによれば、IC2が「世界最高の技術を盛り込んだパワーメーター」と称している。
まとめ:業界随一の超高精度
infoCrankは初代のモデルからSRMを凌ぐ高精度で、研究機関、UCI本部、トラックナショナルチームで数多く採用されるなどその性能と精度は折り紙付きだった。IC2にアップデートされることによって、性能はもとより、互換性や重量といったデバイス自体の改良が施されている。
さらに、測定精度を高める追求が施されており、0.004秒ごとのサンプリング、そして接線方向だけのトルクを計測し、それ以外のネガティブトルクはすべてノイズとして扱うという念の入れようだ。
先行予約受付中で、実際のリリースは年末になるという。価格も1000ドル程度と非常にお求めやすく、さらに今なら15%OFFだ。正直、欲しい。おそらく買ってしまうと思う。