(Image: Apple)
AppleがWWDC 2023 Keynoteで発表した最新のwatchOS 10は、Apple Watchをサイクルコンピュータとしても使用できるように進化するという。
今回の新しいアップデートでは、Apple WatchがBluetooth対応の心拍計とペアリングできるだけではない。パワーメーターやスピード＆ケイデンスセンサーなどBluetoothアクセサリーとも互換性を持つようになる。
(Image: Apple)
Apple WatchOS 10のアップデートでは、スピードセンサーとケイデンスセンサーのBluetoothをサポートする。ワークアウトアプリではネイティブでBluetooth対応のパワーメーターが追加できるようになるようだ。
このサポートには、スマートトレーナーも含まれており、全てがネイティブでApple Healthに記録されるという。
AIによるFTP推定がApple Watchで実現する。サイクリングの構造化トレーニングがより身近なものになる。(Image: Apple)
今回のアップデートで重要なのは、ネイティブにサポートされたセンサーデータに他のサードパーティアプリがアクセスできるようになることだ。パワーメーターとの信頼性が向上し、簡単に実装できるようになった。
FTPの推定値の例。Apple Watchはあなたがいつ、どのゾーンで走っているのかも教えてくれるようになる(Image: Apple)
Appleのパワーメーターディスプレイは、FTPとサイクリングパワーゾーンも自動的に決定する。Apple Watchのユーザーにとっては、構造化されたワークアウトなどより詳細なデータにアクセスできるようになり、機能性が大幅に向上する。
(Image: Apple)
この実装によって、構造化された様々なトレーニングがApple Watchで実現できることになる。Appleのローンチ映像によると、あの「TrainingPeaks」との連携が示されている。ワークアウトのスケジュールを立てるだけで、アプリが（携帯電話や腕時計を通して）ワークアウトを腕時計にプッシュしてくれるという。
TrainingPeaksは、TrainingPeaksのアプリを使用して、スマートフォンを通じてApple Watchに直接ワークアウトを同期するようになる。
Apple Watchに収集されたデータはPhoneに映し出される。サードパーティ製アプリをダウンロードする必要なく、iPhoneでネイティブに数種類の表示を利用できるようになる。(image: Apple）
Apple Watchで開始したすべてのワークアウトは、iPhoneのロック画面にライブアクティビティとして自動的に表示される。ロック画面を開くと、現在の速度や平均速度、距離、心拍数、パワーメーターデータなどのデータもすべて表示される。
アップデートされたApple Mapsアプリでは、等高線や丘の陰影、ポイントなどを詳細に記した地形図が利用できる。(Image: Apple)
アップデートでは、ネイティブのApple Mapsアプリのオフラインマップをダウンロードできるようになった。つまり、Apple WatchがiPhoneの圏内にあれば、オフラインマップも利用できるようになる。
これら、Appleの閉じた世界だけに実現した統合型システムは、Garmin、Wahoo、Suuntoなどの既存のスマートウォッチに対する重大な影響を及ぼす可能性がある。それと同時に、「サイコンを付けない人たち」にとってみれば有効な選択肢になりうるはずだ。
データの表示例。このようなグラフィック表示は、サイクリングコンピュータよりもはるかに見栄えがいい。 (Image: Apple)
これらの機能がApple Watchに搭載される正式な日付は決まっていない。開発スケジュールに問題がなければ、2023年9月頃に正式リリースされることが予想されている。ベータテストに参加される方は、2023年7月頃からこれらの機能を試すことができるという。
Appleが最新アップデートでWatchOS 10に新たな機能を追加したことによって、Apple Watchは今までサイクルコンピューターでしか実現できなかった多くの機能を備えることになった。一般的なフィットネス愛好家、そして熱心なサイクリング愛好家からも大きな期待が寄せられることは確実だ。
