シクロクロスシーンで数多くの伝説を生み出してきたRIDLEYのシクロクロスバイク「X-NIGHT」がついにフルモデルチェンジをはたした。第5世代のX-Night RSは、シクロクロス競技に全振りし、「シクロクロスに特化したスピード」を何よりも優先したモデルに仕上がっている。
X-Night RSは、RIDELY FALCON RSをベースとして、エアロダイナミクスに優れたチューブ形状を採用した。シクロクロスにおいても、平均速度はますます高くなりプロからのエアロダイナミクスの重要性と要望が増していた。数多くのフィールドバックから、同社のエアロ技術をもとに設計が刷新された。
D型のシートポストを採用することで、空気力学的に優れているだけでなく、転倒時にサドルが正しい位置に保たれるようになった。また、2つのボトルケージ用の取り付けポイントも備えている。
そして、ついにUDH対応になった。プロレースを走るシクロクロスバイクとしては史上始めての採用になる。X-NIGHTは性能、機能、名実ともにシクロクロスバイク最高峰の設計が盛り込まれた。
The シクロクロスジオメトリ
X-NIGHTといえば、シクロクロスに全ての照準を合わせた独特のジオメトリーが人気だ。ジオメトリの発表はまだだが、ボトムブラケットは高い位置に設計されている。急角度のヘッドチューブ、短いホイールベースは、プロシクロクロッサーが好むCXレースの特殊な要件を考慮したものになるという。
X-NIGHT RSは、ボトムブラケット周辺とリアホイールとシートステーの間にスペースを設け、泥を排出しやすくする改良型チェーンステーを設計した。トップチューブの形状は、走るときにバイクを肩に担ぎやすくしている。
これらの技術的改良のおかげで、加速、ブレーキング、旋回、ターン、ジャンプをフルに使って1時間レースをすることができる。また、直線的な形状と扁平なボトムを持つことで、バイクを肩に担ぎやすくしている。
上部のヘッドセットはケーブル内装型を採用した。また、ヘッド周りの剛性を特に高めており、コーナリングでは鋭い切れ味を発揮する。
Pauwels Sauzen-Bingoalでのシクロクロスライダーからのフィードバックに基づき、リドレーはウォーターボトルケージをバイクに取り付けるための特別なマウントを用意した。
UDH対応と1x 2x対応
X-Night RSは、市場に存在するどのシクロクロスバイクとも異なる違いがある。今回の最大のアップデートはUDHの採用だ。
X-Night RSはトップシーンで活躍するバイクとして史上始めてユニバーサル・ディレイラー・ハンガー(UDH)が搭載された。新しいユニバーサル規格のおかげで、ディレイラーハンガーの入手性が飛躍的に高まった。また今後登場が噂されているUDH対応のフルマウントコンポーネントにも対応する。
マウンテンバイクでは、UDHは以前から非常に一般的であり、この技術をシクロクロスに持ち込まない理由はなかった。フロントディレーラーを使用する2xドライブトレインの変速は電動のみ対応となる。ワイヤー式は使用不可だ。
1xドライブトレインを使用する場合、フロントディレイラークランプは簡単に取り外すことができる。その場合、ウルフトゥースとRIDLEYが共同開発したチェーンガイドを取り付けることができる。
1xドライブを選択した場合は、機械式変速が可能だ。新型X-Night RSはX-Nightたらしめる後継機に相応しいモデルだ。市場に存在するどのシクロクロスバイクよりも優れた性能、優れた規格でクロスバイクの水準をさらに引き上げることになった。
X-NIGHT RSはエアロダイナミクスや新技術を搭載しながらも、シクロクロッサーが求める条件を全て盛り込んだバイクだ。X-Night RSは、2024-2025年のシクロクロスシーズンにおいてPauwels Sauzen-Bingoalのチームバイクとなる。2024年9月から販売開始だ。
シクロクロッサーは全裸で待機するしかない!