ホビーレーサーの機材に迫った書籍「勝つためのロードバイクセッティング」が発売

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広告が無くて良い本。昨今様々な機材の本が出ていますが、どれもこれも提灯記事のような内容ばかりで飽き飽きしていたのは事実。本書は強豪ホビーレーサー達の機材が細く掲載されており、あの選手はどんなアッセンブルで機材が成り立っているのかまとめられています。

まずは言わずと知れた高岡さんから始まり、、とページをめくっていくと名だたる強豪選手が。井上さんや、矢部さんと身近な人はやはりすごい人やったんやなと改めて思いつつ読み進める。中でも良かったのはギアの選択。高岡さんは53T使っているイメージあったのだけど、意外にも別のギアだった。

コースによってクランク変えているのかしら。あとはホイールの話。矢部さんの使用ホイールが「のむラボホイール」と書いてありニッチすぎると思ったのだが、伊吹山の上位人でのむラボホイールの使用率が高いのは有名。軽さと剛性、価格、名ビルダーが組んだホイールは秀逸。

ここから対岸にある使用度が高かったのはLightweight。確かに究極の回転体と名前はつくがやはりカーボンスポークは硬い。そのへんも書かれており、スポークはスチールやアルミのほうが優しいのは確か。ホビーレーサーなどの脚力であれば私もBORA等のスチールスポークが望ましいと思う。

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フレームの話

ウンウンと、うなずきながら読んだのは皆さんのフレームの話。「足を残せる」だったり「乗り心地」の話が多い。決して「重量剛性比」だとか「ガチガチの剛性」と言ったことからはむしろ逆行していてる。そしてやはり本書内でも書かれていた名車ZXRSはまた希少価値上がるのかなという印象。

最近のバイクはバカみたいに剛性上げて何がしたいのかわからない。BBまわりの剛性上げて変形量抑えても、熱エネルギーに変わるのは微々たるものだ。この内容はサイクルサイエンスにしっかりと明記されてる。でもカタログ上は「2017モデルは30%剛性アップ」なんて書いたら情報弱者たちは嬉々として選択する。

サイクル・サイエンス ---自転車を科学する
マックス・グラスキン
河出書房新社
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売りたいだけのショップやメーカーの言葉には騙されないように。この本の影響で、またZXRSが手に入りにくくなるんだろうな。

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まとめ:メーカーは喜ばない本

本書は最新の機材を売りたいメーカーにとっては嫌な本だ。しかし、私達のような資金と時間に限りのあるアマチュアにとってはとても良い本だと思う。皆が皆デュラエースではないし、アルテグラでも十分なのだ。本書は、速く走るために必要な機材、そうでない機材を見定める基準にもなる。ただし、本書で注意しなくてはならないのは「個人スポンサー」の存在だ。

本書のタイトルにもあるとおり「勝つため」に選択した機材なのか、それとも個人スポンサーとして貸与された機材なのか(最終的に使うか使わないかはプロほど縛りはないにせよ)は定かではない。ステルスマーケティングのように、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝も入っているかもしれない。

ただ、その中でも彼らが比較検討し、ベストな機材としてレースで選択したことはとても重要な意味を持つ。機材にあまり縛りのないアマチュアだからこそ本書が成り立ち、各々最善の機材選択をしたのだ。その一面が読み取れるだけでも本書は価値がある。

やや、話は本筋とそれたが「セッティング」とあったのでクランク長やハンドル幅、ハンドルの形状、ステムの長さ、使っているバーテープ等、細かい点も知りたかった。さらに、どのようにしてサドル高さ、後退幅等のポジションを出しているのかだとか、セッティング面を書いて欲しかった。

クリートの位置決め、インソールと知りたい項目に関して、上げたらきりがない。本書は決して新しい機材を売りたいメーカーは喜ばないだろうが、我々ホビーレーサーにとってはとても参考になる良い本だった。今度、本書に出ている方と合う機会があれば、サインでももらいつつ、本当のところどうなのか聞いてみたい。

勝つためのロードバイクセッティング (タツミムック)
佐藤喬 橋本謙司
辰巳出版 (2017-02-20)
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