ついに発売!「パワートレーニングの教科書」効率とパワトレをパイオニアが監修

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先般ご紹介した「パワトレ?効率?イミフ → 大丈夫、ペダモニ新機能「トレーニングアシスト」があれば」ではパワートレーニングや効率といった難解な話題をわかりやすく紹介するといった内容であった。パイオニア株式会社が生み出した「ペダリング効率測定」という技術は、まさに自転車機材の先駆者(パイオニア)となった。

ただ、世の中には様々なレベルのサイクリストが居て皆が皆、物理的な理屈や運動生理学的なトレーニング内容を理解しているわけではない。その点がパワーメーターを使ったトレーニングにおいて最大の課題点になっている。そんな中あのパイオニア株式会社が協力した書籍が今週発売した。

パワートレーニングの教科書である。

書籍の帯には「FTPは存在しない」という売り文句とも取れる内容が記されている。これは釣りなのだろうか、それとも新たなトレーニング理論なのだろうか。詳しく見ていく。

今回パイオニア株式会社が協力したことが大きい。本の構成としては真っ当な内容だった。序盤はパワーメーターとはなんたるかの内容だ。パワーとはトルクと回転の積(かけざん)であるとか、効率はペダリングを12分割し行列の計算で導き出すなど、理系にはたまらない内容で構成される。

正直そんなことを知らなくても強くなれるが、理論を知るのと知らないとではトレーニングの深みも違ってくる。この本1冊あればパワーメーターの構造やペダリング効率の概念は理解できるし、ほぼ網羅している。では、機材面の理解をした次は、あなた自身の体のことについて解説が始まる。

パワーを生み出すのは筋肉であり、つないでいる骨だ。ここからは運動生理学的な内容に踏み込んでいく。序盤の物理法則、中盤の運動生理学的な内容と理詰めで構成されている。内容はマニアックな内容かと思いきや非常に分かりやすい文章で構成されていた。このわかりやすさの理由は後ほど種明かしする。

筋肉がどのように動けば良いのか、また骨はどのようにつながっているのか、一見パワートレーニングとは関係の無い内容であるがやはり「効率」を考えたときに必ず関連してくる話題である。

いよいよ肝心のペダリング効率の話に入っていく。この内容が本書の肝と言える部分だ。実例では悪い例や良い例が記されているが、なぜ「悪いペダリング」なのか理解できる内容が記されている。この良くないという状態は指摘されないとわからない。

よくないペダリング特性を理解することはすなわち改善へとサイクリストを導く。実は知らぬうちに悪いペダリングで練習している場合もある。すこしでもペダリング効率の改善に取り組むならばこの悪い見本も必ず知っておくべきだ。

続いて、普段なかなかお目にかかれないプロ選手のペダリング効率である。そこまで効率が良いわけではないのが理解できる。ただ、ペダリング効率という難解な話題の中でどのような点に着目すれば良いのか分かりやすく解説されているさ。

やはりプロ選手はペダリング効率もそうだが高出力かつエコノミーな走りをする。その理由の一端はペダリング効率にあるのかもしれない。プロ選手はデーターを公開したがらない為本書は貴重な情報を備えている。

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まとめ:内容と文章が秀逸な理由

本書は各種トレーニングセミナーなどで定評がある須田氏の非常にわかりやすい文章で構成されている。

本書を読んでいて非常に読みやすかった。そのもう一つ別の理由は、本書の最後に隠されていた。編集や校正は数多くの自転車書籍を手がける佐藤氏であった。「伝えたい「エスケープ」を読んだ感想 2014全日本選」でも光るその文才は読み物としても面白い。

また、土井選手の書籍も佐藤氏が手がけているからほぼ全方位的に読める内容であった。その上にパイオニア株式会社の協力である。本書はパワートレーニングや効率といった難解な話題をわかりやすく教えてくれる。読み物としてもトレーニング本としても非常に面白い内容であった。

パイオニアペダリングモニターを持っている方は必読の書籍と言って良い。むしろ、今後は本書を説明書代わりに同梱して販売しても良いと思うほどである。

by カエレバ

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