photo:エリートさん
とても単純なことを言えば、タイムを短縮するにはスピードをあげれば良い。本質的な部分はそれ以上でもそれ以下でもない。ある一定の距離をはやく走ればタイムは上がる。ただし、それら進ませるための技術はエアロダイナミクスだったりパワーだったりする。
タイム短縮というフレーズは、ヒルクライムだったり、タイムトライアルに適した言葉のように見えるが、クリテリウムやロードレースでも同じことが言える。一位の人よりも速いタイムでゴールする人は居ないのだし、ある距離を走る中で最速で走った人が勝者となる。
ただし、ロードやクリテリウムは空気抵抗を減らすためにドラフティングが使える。うまく走ろうと思えば走れるし、楽をしようと思えば楽ができる。ただ、絶対的なパワーを考えるとゴール前の接戦がまだ弱い。今日は、先日の堺クリテリウムで見聞きした最終局面での話をしよう。
スプリンターは生まれつきスプリンター
あらゆるエビデンスを調べると、明確な事実が浮かび上がる。不都合で信じがたい事実であるが、スプリンターは生まれつきスプリンターだ。ある程度スプリント力は伸びてゆくが、頭一つ二つ抜き出ているスプリンターは生まれつきスプリンターである。
「才能だと、諦めないで」という言葉は、世間の優しい大人や指導者が投げかける「無責任」な言葉だ。先日スポーツDNA検査をした(現在鋭意記事化中)が、私には明確に筋肉内の瞬発力をつかさどる要素が0であった。これらの科学的なエビデンスに基づいた、不都合な事実は追ってご紹介したい。
さて、先日の堺クリテリウムは最終直線が400m続くコースだ。ちょうどトラック一周分。過去に優勝したてっちゃんのスプリントがMAX1500W超えていたのを見ていたが、どうやら今回もトップ付近でゴールした選手1300-1500W出ていたらしい。なお、ほとんどスプリントの集団最後尾の私は30秒670W、MAX1001Wと、パワーメーターが申し訳なさそうに「とりあえず1kW表示しとくww」という感じだ。
たしかにパワーだけではないし、位置取り、展開、持続パワーといった要素も絡んでくることはわかる。ただ、間近で見たあの加速たるややはりパワーは重要だと痛感した。まるで太いトルクを持つスポーツカーに、私の軽自動車がタコメーター振り切って走る感じ。
「こりゃ今の自分では勝てんわ」と普通に思ってしまった。
とはいうものの、レースは水物で展開でいかようにも変わっていく。私のような才能のない選手でも、最終局面まで残れるわけだから、どうにか一つでも順位を上げる改善を繰り返す。「俺は弱い」弱虫ペダルのテシマに自分を重ね、明日もまた走るために考えてゆく。
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