手垢は確かに汚らしいが、それだけこの中には数年分の出来事が刻まれている。あっという間の月日だった。
この手帳もあと二ヶ月で役目を終える。私は五年分かける手帳を愛用している。仕事で外回りもなく、時間単位で綿密なスケジュールで動くような仕事ではないためメモができれば十分だ。その日気づいたこと、プライベートの予定がかければそれで良し。バーチカルタイプも使ったけど、合わなかった。
特別な仕様でもなくシンプルに普通のタイプだ。一日を特徴とする記述を残しそれで終わる。ただ、毎朝書いている。この五年タイプは毎日書く事をサポートしてくれる機能がある。「数年後、必ず見返す」という楽しみだ。この点は他の手帳と少し違う。普通の手帳はその日がすぎればほとんど見返すなんてことはない。
一年毎に見返すたのしみ
普通のどこにでもあるメジャーな能率手帳。普通すぎて捻りなどない。他の手帳と違うのは数年後、必ず見返すということだ。これが面白い。私は平日のトレーニングの時間や出力を小さくメモ書きしている。土日はレース結果。これを繰り返していると面白いことが起きる。
だいたい毎年決まった時期にレースは開催される。そうすると、その週にどんなことをしていたのかすぐに手帳から知ることができる。私は今でもディスプレイよりも紙媒体のほうが好きだ。紙のほうが頭に入ってくる。読書をは紙に触れ、紙をめくる。そして、自然の光りに照らさせる印刷された文字を見る。
一年前に何をしていたのか、自分の心理状態と出来事を見返すととても面白い。あとから振り返り、第三者目線で自分を捉えると、「まだまだ子供だな」と思うこともあるし、「小さなことで悩んでるな」というふうに捉えることができる。
また、困難なことを乗り越えていくさまを読んでいると、まるで小説のようだ。書いている本人はその時この先の結末を知らない。うまく行くか、いかないか、予測できない未来を気にしている。ただ、読んでいる(この文章を書いた)自分はその結末を知っている。
なんとも不思議な気分である。
普通の手帳にはこういうのはない。ない。何年分も引っ張りだして付き合わせないといけない。そういう面倒な事無く、過去の自分を手に取るように知ることができる。
少しだけ今まで明かしていない事実を書いてみよう。実は長文のブログを書くときに私は実際に手で手帳に記している。手帳の一番後ろにコクヨのキャンパスノートをのりで貼り付けて、さらに一枚を十字に線を引いて、四分割する。記述方式はMarkdown方式をそのまま手で書いてる。もちろん見れば一目で脳内でコンバートされるからこれはこれでよい。
これらをwordpressで投稿するときはpやh2,h3に変換すれば良い。メモにはMarkdownの’#’の部分しか書かない。htmlのh2に相当する見出しのみ記載する。書かなくてはいけない、伝えたいことをh2でまとめていく。なお、ネタを明かしてしまえば、当ブログの記事タイトルはh1だ。これはseo対策なのだが。
一見、デジタルのブログとアナログな手帳はリンクしないように見える。しかし私の場合は手で書くことでイメージが湧いてくる。書くときに使う、万年筆Pilot Vanishing Pointが書くことを楽しくさせてくれる。この万年筆は国内でキャップレス万年筆という名前で売られている。
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ただ、国内のはデザインが少ないので海外からVanishing Pointを仕入れた。それ以来ずっと使っている。nibはMを使っているがやはり書き心地は良い。意外とアナログなのだが、文章を生み出す方法は自分にはこれが最適で、合っている。
手帳の後ろに貼り付けた、小さなノートに、一行一行万年筆目次だけ綴る。そうして出来上がるのが、あの記事たちだ。というより、これらは真似しても同じことはできないとおもう。自然とこうなったので効率の良いやり方ではない。ただ、半分趣味でやっているから、効率はど返しだ。
この手帳を綴り、一日一日を書き溜めていく。日々の積み重ねは一冊の人生を記録する。一人ひとり、同じものは欠して出来上がらない。そうやって、五年先を今思うのだ。
2000円ほどで買えるので、一年400円で楽しめる。記録用に一冊持っていても面白いかもしれない。
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