シマノディスクブレーキとローターを中央にそろえる方法とツール

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シマノブレーキキャリパーのセンターを出すツールです。ローターを中心として、ブレーキキャリパーが中央に位置するように調整することができます。フレームにブレーキキャリパーを仮止めしてから、ブレーキパッドの代わりに本ツールを差し込み調整します。本締めして固定してください。

開発した背景としては、これまではブレーキキャリパー本体の中心をディスクローターの中心に配置しようとした際に、「ピストンの出る量」と「ブレーキパッドの厚み」が変動するため、「ブレーキキャリパー自身が移動」することによって位置関係が調整されていました。

この状態では、あらゆる誤差のしわ寄せがブレーキキャリパーの位置だけで吸収していることになります。その結果、ディスクローターの中心からブレーキキャリパーが左右どちらかにわずかにズレた状態で固定されてしまいます。それぞれのパーツは本来以下のように固定値や変数値を持っています。

  • ブレーキパッド:減る(変動)
  • ピストン:移動する(変動)
  • スルーアクスル締め付け量:トルク(変動)
  • ブレーキキャリパー仮締め:移動する(変動)
  • ブレーキキャリパー本締め:移動しない(固定)
  • ディスクローター:固定位置

この中で、唯一の固定値はディスクローターの位置だけです。ハブの設計寸法とローターの設計で位置関係が決定されます。したがって、ディスクローターを基準としてブレーキキャリパー本体を固定することで本来あるべき位置関係に調整します。

また、スルーアクスルを取り付ける際のトルクでもディスクローターとブレーキキャリパーの位置関係が変動するので、トルクレンチで常に固定トルク値で取り付けてください。

ディスクローターの中心とブレーキキャリパー本体の中心を一致させるという前提条件から、ピストンを一番奥まで押し込むかつ、ピストンが出る際の抵抗をそろえるために清掃しておく必要があります。また、ブレーキパッドは新品を使用することが望ましい事がわかります。

まとめると、

  • ピストンを奥まで押し込む
  • ピストンを清掃する
  • パッドを新品にする

このうち、「押し込むツール」や「ピストンを片側だけ出すツール」を合わせてお使いいただくと便利です。

一部、ブレーキホースの取り回し方や配線不備によって、ホースがキャリパーを引っ張ってしまい上手くツールが機能しない場合があります。その場合はツールを使う以前の問題ですのでブレーキホースの再調整を行ってください。

「ブレーキホースがキャリパー本体を引っ張って固定する際の位置を狂わす」という別の変数になっています。

次は、実際の使い方の手順についてです。

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使い方

  1. ブレーキパッドを取り外します。
  2. ホイールを外します。
  3. ピストンを根本まで全て押し戻します。
  4. ホイールを取り付けます。
  5. ブレーキキャリパーの固定ボルトをわずかに緩めます。
  6. ブレーキキャリパーを掴んで揺らします。
  7. 本ツールを差し込みます。
  8. 放熱フィンに接触する場合は、接触しないところまで引き戻します。
  9. わずかにブレーキレバーを引きます。
  10. ブレーキキャリパーの固定ボルトを本締めします。
  11. 本ツールを抜きます。
  12. 新品のブレーキパッドを差し込みます。
  13. 何回かブレーキレバーを握ってピストンの出代を調整します。

場合によっては、ブレーキキャリパーとディスクローターの間に入っていかないことがあります。その場合、次の方法で作業を行ってください。

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キャリパーとローターの間にツールが入らない場合

ツールは0.01mm単位の精度で寸法を調整しています。ツールの設計上、遊びがほぼ0であるため、ホイールをセットした状態でツールを使用した場合、ブレーキキャリパーとディスクローターの間にツールが入って行かない場合があります。

その際はホイールを一旦外してから、ツールを使用してください。具体的な手順は以下です。

  1. ブレーキパッドを取り外します。
  2. ホイールを外します。
  3. ピストンを根本まで全て押し戻します。
  4. ブレーキキャリパーの固定ボルトをわずかに緩めます。
  5. ブレーキキャリパーを掴んで揺らします。
  6. ☆ツールを差し込みます
  7. ☆ツールの隙間にディスクローターを差し込みながらホイールを取り付けます。
  8. ☆スルーアクスルでホイールを固定します。
  9. 放熱フィンに接触する場合は、接触しないところまで引き戻します。
  10. わずかにブレーキレバーを引きます。
  11. ブレーキキャリパーの固定ボルトを本締めします。
  12. 本ツールを抜きます。
  13. 新品のブレーキパッドを差し込みます。
  14. 何回かブレーキレバーを握ってピストンの出代を調整します。

ホイ―ル(ディスクローター)が取り付けられた状態で、ツールが間に入っていかない場合は、以下を再度確認してください。

  • 固定ボルトを緩めた際にブレーキホースがキャリパーを引っ張ってキャリパーが斜めになっていないか
  • ピストンが奥まで押し込まれているか

以上を確認してください。どうしても入っていかない場合は、ホイールを外してからツールを差し込んだあと、ホイール(ディスクローター)を取り付ける方法を試してください。

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ブリーディング作業も可能

本ツールの副産物として、ホイールを付けたままブリーディング作業が可能です。ブレーキパッドを抜いて本ツールを差し込んで作業を行ってください。ブリーディングの際は必ずディスクローターを間に入れて使ってください。

ディスクローターを差し込まずに使用するとツールが変形するためブリーディング作業が失敗します。

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ホイール交換変更してもディスクローターの位置が狂いにくくなる

副産物的なこととして、ホイール交換をしてもディスクローターの位置が狂いにくくなります。ディスクローターを取り付けるハブ設計は統一された規格寸法ですが、ハブメーカーによってわずかに誤差があります。

異なるブランドのホイールに変更してディスクローターが擦れてしまうのはこの製造誤差が原因です。あらかじめ「キャリパー本体」と「ディスクローター」の中心を合わせ位置決めし、新品のパッドを使用するとホイール交換してもディスクローターが摺りにくくなります。

絶対に無くなるわけではありませんが、ROVAL(DTSWISS)、Chrisking、NOVATEC間では軽減効果は認められました。

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まとめ:中心にそろえて気持ちの良いブレーキングを

ツールは998円で送料無料でお譲りしています。もともと、自分で作業する際に困っていたので製作しました。ツール販売で生計を経てているわけではないので、どのツールも子供のお小遣いで買える価格に設定にしています。

最近の自転車関連の機材は高いし・・・。

とはいえ、ツール本体はかなり作り込みました。外層の壁は5層でスリット部分は全て材料が充填されています。かなりの量の材料を使って本体を強化しました。送料、販売システム手数料、材料費、梱包資材費を考えるとほとんど原価です。

ブレーキキャリパーとディスクローターを中心にそろえたい!

という方、ぜひ本ツールをお使いいただけますと幸いです。

https://it3.stores.jp/items/676665c1b37ea40b77d0b26a
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