なにこのウネウネ。Pertual ACME インプレッション バイオミミクリーリムが生み出すバイオミミクリーリムが生み出すR2Rの進化

4.5
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Pertual ACME 45/62は、ザトウクジラの胸ヒレから着想を得たバイオミミクリー形状のリムと、ハブ・スポークを物理的に統合した「R2R(Rim to Rim)」構造を組み合わせた、次世代の超軽量・高剛性ロードホイールである。

このホイールは、1,190gという驚異的な軽さを実現しながら、76mmの巨大な有効駆動径を持つカーボンフランジと36Tダブルアクティング・ラチェットにより、従来の機材を圧倒する駆動効率と横風安定性を両立している。

Pertual(パーチュアル)は、Taveloの社内ブランドとして2023年に誕生したが、その設計思想は一つの細部に執着するのではなく、ホイールシステム全体のパフォーマンスを統合的に高めることに置かれている。

今回の記事は、自然界の最適解を模倣した特異な形状を持つACME 45/62をレビューしていく。

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バイオミミクリー形状のリムが空力特性をどう変えるのか?

ヒレの「コブ」に注目。

ザトウクジラの胸ヒレにある「しこり」を模した波状のリム形状は、流体の剥離を抑制し、特に横風が発生する条件下でのドラッグを低減させながら、ステアリングの安定性を劇的に向上させる。

この形状は「渦発生器(ボルテックス・ジェネレーター)」として機能し、リム表面の気流を整えることで、従来のフラットなディープリムが抱えていた急な失速という課題を克服している。

ザトウクジラの知恵

ザトウクジラは体長12~16メートル、体重25~30トンという巨体でありながら、海中で宙返りや急旋回を行う驚異的な機動力を持っている。この機動力を支えているのが、胸ヒレの前縁にある「チューバクル」と呼ばれる隆起である。

Tubercle effect - Wikipedia

流体力学の観点から見れば、胸ヒレは一種の翼であり、水流に対して角度がつくと揚力が発生するが、一定の角度を超えると流れが剥離し、失速してしまう。

しかし、チューバクルが存在することで、隆起の間に生じた谷の部分で流体が加速され、対となるカウンター回転渦が発生する。この渦が境界層にエネルギーを供給し続け、流れが翼面(リム面)から離れるのを防ぐ。

Pertual ACME 45/62のリムが採用している45mmから62mmへと変化する波状プロファイルは、まさにこの現象を自転車のリム上で再現している。

横風安定性と「ストローハル数」の制御

ストローハル数は、流体中で発生する周期的な振動現象を特徴づける。特に円柱背後に交互に発生する「カルマン渦」の性質を記述する際によく用いられる。

$$St = \frac{f D}{U}$$

ディープリムの最大の弱点は、横風を受けた際にリムの後方で大きな渦が不規則に放出(カルマン渦)され、それがハンドルを叩くような振動や、急激な横方向の力として現れることである。

Zipp社の454 NSWなどの研究でも示されている通り、波状のリム形状はストローハル数を制御する役割を果たす。ACME 45/62の波状形状は、大きな一つの渦を放出するのではなく、微細な高周波の渦を連続的に放出させる。

これにより、サイドフォースのフィードバックが約15%低減され、ライダーは突風の中でも進路を乱されることなく、安定してパワーをかけ続けることが可能になるのである。

これは、高層ビルが風の影響を抑えるために表面に凹凸を設ける建築技術にも通じる、極めて合理的な設計といえる。PCWのバトンホイールや、ピナレロのトラックバイクやプロレースに投入されている新型BOLIDEの波打った形状も同様の効果を狙って設計だ。

リム形状の比較 従来のディープリム (60mm) ACME 45/62 (波状リム)
横風時の挙動 急激な剥離による挙動の乱れ チューバクル効果によるやさしい応答
気流の付着性 低ヨー角では良いが高角度で失速 高ヨー角でも気流が維持される
ステアリングトルク 突風でハンドルが取られやすい 安定しており、修正操作が少なくて済む
構造的重量 均一な厚みが必要 高低差により剛性と軽さを最適化
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Modular Integrated Carbon Flange

「Modular Integrated Carbon Flange」は、ハブの駆動側フランジ径を76mmという異例のサイズまで拡大し、さらにハブとスポークをカーボン構造体として統合することで、ペダリング時のねじれ剛性を極限まで高めている。

この巨大なフランジは、物理的なレバレッジ(テコの原理)を最大化し、ライダーの入力をタイムラグなしにリムへと伝えるパワーの受容体として機能する。

76mm径の物理的意味

一般的なハイエンドハブのフランジ径は50mmから多くても60mm程度であるが、ACME 45/62が採用した76mmという数字は、駆動剛性の観点から見ると劇的な変化をもたらす。

駆動トルク T を伝える際、フランジ半径を r、スポークにかかる引張力を F とすると、T = F \times r という関係が成り立つ。

同じトルクを伝達する場合、半径 r が大きければ大きいほど、スポーク一本あたりにかかる負荷 F は小さくなる。あるいは、同じ力で踏み込んだ場合、より大きなトルクをリムに伝えることができる。

これは、長いレンチを使ってボルトを回す方が、短いレンチよりも小さな力で大きな回転力を得られるのと同じ原理である。

この巨大なフランジは、スプリントや急勾配でのダンシングにおいて、ホイールが「よれる」現象を徹底的に排除する。メーカーが「優れた加速感」と評しているのは、この物理的なレバレッジによる応答の速さが主因だろう。

カーボンを曲げて通すフランジ設計の妙

ACMEのハブ設計において最も独創的なのは、スポークがハブフランジの穴に引っ掛けられているのではなく、フランジの部分でカーボンファイバーが物理的に曲げられ、そのまま一本のスポークとして継続している点である。

通常、カーボンスポークであってもハブとの接合部には金属製のプラグや接着剤が介在し、そこが応力集中の原因となる。しかし、ACMEはハブのフランジ自体をカーボンレイアップの一部として捉え、スポークをフランジに通す構造を採用した。

これにより、駆動トルクが加わった際の遊びや微細な滑りが完全に排除され、ハブとスポークが文字通り一つの物体として駆動する。

この連続性は、単なる剛性の向上だけでなく、金属部品の削減による大幅な軽量化(ペア1,190g)にも寄与しており、エンジニアリングにおける統合による洗練の極致と言える。

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R2R構造と一体型スポークの優位性

R2R構造とは、一本の連続したカーボンスポークが一方のリムからハブを経由し、反対側のリムへと繋がる構造を指し、これによりスポークの物理的な端点を半分に減らし、ホイール全体の張力分布を劇的に安定させている。

この一体型設計により、従来の金属スポークでは不可能だった比弾性率を実現し、極めて高い反応性と軽量化を同時に達成している。

継ぎ目が無い

テンセグリティ構造の有名な例。均衡が取れている。

自転車のホイールは、ハブをリムの中に浮かせる「テンセグリティ構造」の一種である。この構造で有名なのは、この宙に浮く不思議なオブジェだ。従来のホイールでは、ハブとリムの間にスポークを張り、ニップルで締め上げることで形状を維持する。

しかし、この方法ではハブ側とリム側の両方に接続点が必要であり、そこが構造的な弱点となる。

対してR2R技術は、スポークを「一本の線」として扱う。ACME 45/62では、この一本のカーボンファイバーの束が、ハブのフランジで折り返され、両端がリムにニップルで固定されている。リムに完全固定されていないのが、これまでのR2R系とは大きく異なる点だ。

これにより、スポークがハブから抜ける心配が物理的に解消されるだけでなく、ハブの左右でスポーク張力が自己平衡を保つ効果が生まれる。

交差部分の固定:レジンによるトラス構造

さらにACMEが徹底しているのは、スポーク同士が交差する部分を単に接触させるだけでなく、レジン(樹脂)によって完全に固定している点である。

通常のホイールでは、スポーク同士は交差部で組まれているだけで、負荷がかかると微細に擦れ合う。これは微細ながらもエネルギーの損失であり、異音の原因にもなる。結線は剛性向上というよりも、異音の低減が主な目的になっている。

ACMEのように交差部を完全に固定すると、ホイール全体が巨大な「カーボン製トラス構造」へと進化する。

横方向の力が加わった際、個々のスポークが独立してしなるのではなく、16本のスポークが一体となって抵抗するため、コーナリング中のラインの正確さが飛躍的に向上する。

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なぜ左右非対称リムハイトがスポークテンションを均衡させるのか?

ディスクブレーキホイール固有の課題である左右のオチョコ量(ディッシュ)の差を、おちょこ量が少ない側(フロント左、リア右)に高いリム(62mm)を配置することで物理的に補正し、左右のスポークテンション差を劇的に減少させている。

Photo: Princeton-Carbonworks

リムの頂点を変動させることによって、リムがスポークに引っ張られても負荷が分散する。

これにより、ホイールの駆動効率が左右で均一化され、長期的な耐久性と一貫したハンドリング特性が保証される。

ディッシュ問題への幾何学的アプローチ

ディスクブレーキを搭載したロードバイクのホイールは、フロントにはブレーキローターを装着するスペースが、リアには12速のスプロケットを装着するスペースが必要となる。

その結果、ハブのフランジは中心から大きくオフセットされ、スポークの角度は片側が立ち、もう片側が寝るという不均衡が生じる。

  • 立ち気味のスポーク: 角度が垂直に近いため、高い張力をかけなければリムを支えられない。
  • 寝ているスポーク: 角度が緩やかなため、比較的低い張力で済む。 この張力差は、ホイールの振れやすさや、左右のコーナーリングでの挙動の違いとなって現れる。

62mmセクションによるレバレッジの調整

Pertual ACME 45/62の解決策は極めてスマートである。張力がきつくなりがちな側に高いリム(62mm)を、余裕がある側に低いリム(45mm)を組み合わせた。

リムハイトが高くなれば、ハブからリムまでの距離(スポークの有効長)が短くなる。幾何学的に言えば、三角形の頂点を低くすることで、斜辺の角度を調整しているのである。

この巧みな設計により、左右のスポークテンションの比率が従来の1:0.6程度から、より1:1に近い理想的なバランスへと近づく。これは、ホイールの長期的な性能や、部品の経年疲労を設計段階から数学的に担保したものと言えるだろう。

設置箇所 おちょこ量 リムハイト 理由
フロント左 (ディスク側) 少ない (立ち気味) 62mmセクション テンション過多を抑制し左右を揃える
フロント右 多い (寝気味) 45mmセクション 角度を稼ぎ、横剛性を確保する
リア右 (ドライブ側) 少ない (立ち気味) 62mmセクション 駆動トルクに耐える張力の均一化
リア左 多い (寝気味) 45mmセクション 左右の反発特性をシンメトリーにする
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36Tダブルアクティング・ラチェット

実物を見るのはこれが初めてだ。

2枚のラチェットが左右両方からスプリングで抑え込まれたハウジング構造になっている。ラチェットやスプリングが一つの構造体になっており、定番のDT SWISSスターラチェット式のようにバラバラにならない。

このラチェットは精密に密封されており、工具を使わないと中のスプリングを取り出すことができない。

ラチェットをつまむと、わずかな隙間が開閉する。従来は片側から一方方向の力だけでスプリングが機能していたが、ダブルアクティングラチェットは左右両方から均等に、手と手を合わせるようにそれぞれのラチェットを押すことが可能になっている。

点接触から面接触へ

従来の多くのホイールに採用されている爪式ラチェットは、ハブ本体の内側に設けられたギヤに、2~4個の小さな爪をバネで押し当てて噛み合わせる方式である。この方式は構造がシンプルだが、以下の欠点がある。

  • 応力集中: 数カ所の小さな爪にすべての駆動力が集中するため、極限状態での破損リスクがある。
  • 噛み合わせの遅れ: 爪がギヤに引っ掛かるまで空走距離が生じ、ペダリングに遊びを感じる。

一方、ACMEが採用する「ダブルアクティング・ラチェット」は、DT Swiss社のスターラチェットに代表されるような、2枚のギヤ盤を正面から噛み合わせる構造である。

36個の歯が同時に接触するため、接触面積はパウル式の数十倍に達し、駆動時のパワーロスが極限まで抑えられる。

36Tという選択の合理性

歯数(T)は、多ければ良いというものではない。54Tや80Tといった多歯化は噛み合わせを速くするが、一つ一つの歯が小さくなり、摩擦抵抗(引きずり)や耐久性の低下を招く。

ACMEが採用した36Tは、噛み合わせ角度が

$$\theta = \frac{360^\circ}{36} = 10^\circ$$

となり、ロードレースにおいて必要十分な即応性を確保しつつ、空転時のラチェット抵抗を低減できる、最もバランスの取れた黄金比と言える。足を止めた際の滑らかな回転と、踏み直した瞬間の鋭い食いつきは、この36Tという緻密な計算に基づいている。

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S&S vs CeramicSpeed

ACME 45/62では、標準のS&Sセラミックベアリングの他に、アップグレードオプションとして世界最高峰のCeramicSpeed製ベアリングを選択可能である。セラミックベアリングは、スチールに比べて硬度が高く、真球度が極めて高いため、荷重がかかった状態での変形が少ない。

効果があるかは別の話として。

ACME 1,190gの超軽量パッケージにCeramicSpeedを組み合わせることは、加速性能という動的な剛性に、回転性能という持続的な効率を上乗せすることを意味する。

時速40km/hでの巡航において、数ワットの節約が200km走ってタイヤのバリ山差で勝敗を分ける視点からすれば、この選択肢の存在自体がACMEの性格を裏付けている。

実測重量

実測重量は1,218g概ねカタログ重量と同様。

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インプレッション:R2Rらしからぬ・・・

幸運にも、これまでLEW Racing VT-1やReynolds RZR、MAVIC COSMIC ULTIMATE、LightWeightに乗り試してきた。R2R系のホイールには2つの流派があった。「柔らすぎる」と「強烈に硬い」このどちらかだ。

R2Rの走りであるVT-1とRZRは、お世辞にも良いホイールとは言えなかった。理由は単純でカーボンスポークなのにとてもしなやかで、悪く言うと素人目に見ても剛性が明らかに足りないホイールだった。それは、ホイールテストでも明らかになっている。

一方で、MAVIC COSMIC ULTIMATEとLightWeightはガチガチのバリ硬だった。まるで木の車輪を回しているようで、乗り心地がとても悪かった。究極の回転体と言われながらも、全く私には合わなかった。とにかく硬すぎたのだ。

R2Rの黎明期には、当時の技術的に高いスポークテンションをかけて一体成型する技術が無かったといわれている。対して、LightWeightは特殊な製造方法で1トン以上の負荷をかけて製造がおこなわれている。時代的な製造方法がR2R構造のホイールに2つの流れを生み出した。

R2R構造が実用的になった時代のホイールを経験した事のあるライダーにとって、この手のホイールは異常な硬さがあることを知っているだろう。私は、このステレオタイプのイメージを持ってACMEに乗った。

そして、全く異なる性格を持っていることに驚いた。

ACME 45/62は完全に乗り心地がチューニングされていた。イメージしていたR2R系とは異なり、「あれ、硬くないぞ・・・」と驚いた。あの嫌な硬さが全く無い。全く感じられない。ACMEは完全剛体で、木の車輪を回すようにゴトゴトして”いなければならない”はずだった。

ACME 45/62は、カーボン一体型構造による圧倒的な高剛性を持ちながら、優れた振動減衰特性がある(いや、そんな話おかしいやろ・・・)。路面からの不快な高周波を遮断し、ふわふわと浮遊しているかのような、あれだ、使い古された言葉の、

「魔法の絨毯」のような乗り心地、だ。

このフワッとしたテンプレ的な言葉を使いたくはなかったが、R2Rなのになぜ?という、「R2R系のホイールは扱いにくい」という先入観が見事に崩れ去った。

最近R2R系のホイールはめっぽう減ったが、ACMEに注ぎ込まれた現代の技術と対峙し、過去のR2R系がむやみやたらに目指したバリ硬ではなく、コンプライアンス、いわゆる乗り心地もついにチューニングしてきたのか・・・、と感嘆した。

フレームセットはこれまで剛性至上主義が主流だったが、TARMAC SL8でコンプライアンス、いわゆる乗り心地の良さをカーボンを調整することで実現してきた。あれを、ホイールでやってのけたのだ。しかも、無慈悲に剛性を高められるであろうR2Rの構造で。

これは、スポークがハブを介して連続していることで、衝撃がホイール全体に分散・吸収されるという構造的な特性を十分に理解りたうえで、発揮したチューニングの結果と言えるだろう。いや、マジでどうなっているんだ・・・。

硬いのに疲れない、相反する性能

そして、これである。疲れないジャンルのホイールだ。

ACME 45/62の特徴を表すと確実にバイクから進む意思を感じる。そして何度も言うが、R2Rなのに快適性がある。いや、今までのR2R系のホイールの設計がむやみやたらに硬くし過ぎたのか。R2Rで達成できるはずのない、しなやかさの理由は何だろうか。

カーボンレイアップの魔法なのか。

スポークがリムからハブを通って反対側まで一本で繋がっているため、路面からの衝撃は一箇所に集中せず、ハブのカーボンボディや反対側のスポークへと瞬時に伝播し、ホイール全体で「いなす」ことができる。本来のR2Rはこうだったのだろうか。

実体験:空間の伸び

実際にこのホイールを履いて平坦路を走らせると、35km/h付近から突然、集団に入ったかのような伸びを感じる。これはバイオミミクリーリムの空力効果に加え、足を止めた際の失速の少なさを体感できることが寄与しているのか。

足を止めても体感的に進み続け、走っている空間が異常に長い感じがする。原因はプラシーボなのか、ハブの回転性能とリムの空力バランスが極めて高い次元で融合しているからなのか、残念ながら厳密には特定できない。

久しぶりのR2R系ホイールで気持ちが上がっているのか定かではないが、そう感じるのである。それゆえ、プラシーボは否定できない。

確実に言えるのは、ダンシング時のバイクの振りも、ハンドリングの軽快さがある。重量1,190gの数値以上の軽さを感じさせてくれる。見た目であまり良いイメージを持っていなかったが、使ってみると合うホイールだ。

とても良い。これは好みだ。

  内容 関連技術
駆動性能 反応性と伸び 76mmカーボンフランジ、36Tラチェット
空力性能 横風での抜群の安定性 ザトウクジラ形状バイオミミクリーリム
重量性能 1190gの驚異的軽さ R2R一体型カーボン構造
快適性能 振動を丸くする上質な乗り味 正直、R2R構造を考えると何故乗りやすいのかわからない・・・。
一貫性 左右のバランスの良さ 左右非対称リムハイト接続
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コラム:自然界が生み出した最適解

ACME 45/62の波状のリム形状は、一見すると奇抜で異質なデザインに見えるが、それは人間が物理法則を突き詰めた結果、図らずも自然界が数億年かけて進化させてきた「最適かつ合理的な形状」へと回帰したものであろう。

エンジニアリングの世界に「機能に従う形状」という言葉がある。

ACMEのデザインは、単なる視覚的な差別化を目的としたものではない。横風に強く、軽く、強く、そして速いという、トレードオフの関係にある諸要素を一つにまとめるために、自然界のプロトタイプであるザトウクジラを借りたに過ぎない。

このホイールを眺めることは、生物学と材料工学の交差点を目撃することと同義である。

有機的な曲線を描くリムと、ハブから放射状に伸びる継ぎ目のないカーボンスポークは、まるで蜘蛛の巣や木の枝のように、負荷に対して最も効率的なエネルギー伝達経路を形成しているのである。

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まとめ:Pertual ACME 45/62は誰のためのホイールか?

久しぶりのR2Rホイールで興奮しているのか、読み返すとほめ過ぎのホイール評価になってしまった。久しぶりに素晴らしい構造体を見させてもらった。眺めても、走らせても、所有しても、満足のいく優れたホイールである。

ネックと言えば38万円という価格設定だ。

しかし、「中華ホイール」でイメージする枠組みでこのホイールを扱うのは失礼極まりない。ドイツで作られたと言われても全く疑う余地がない。芸術的な作り込みと、現代における最高峰のR2Rホイールであることは間違いない。

Pertual ACME 45/62は、従来のホイール設計の限界をバイオミミクリーと構造統合によって突破した、現在入手可能な中で最も先進的なロードホイールの一つであろう。

1,190gというヒルクライム専用機並みの軽さを持ちながら、62mmの空力性能と76mmフランジの設計上最高の駆動剛性を兼ね備えたこのホイールは、あらゆる地形で機材のアドバンテージを明確に感じたいライダーやハイエンド愛好家にとって、究極の選択肢となるだろう。

エンジニアリングの視点で見れば、ハブ・スポーク・リムを別々のパーツとして組み合わせる時代の終焉を予感させるプロダクトである。

ACME 45/62を選ぶことは、単に高価なパーツを買うことではない。物理法則と自然界の知恵が融合した機能美をその足元に従え、風を味方につけ、路面を支配する権利を手に入れることなのである。

Pertualのホイールは国内正規代理店のBACKROADから購入できる。

PERTUAL ACME | The new backroad
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