新型三世代目 Power2max NG(Next Generation)登場

二世代目でパワータップとほぼ同じ測定精度を叩きだしたPower2max type2であるが、その三世代目が満を持していよいよリリースされる。新たにリリースされる三世代目は”NG”と名付けられた。すこしネガティブな表現かもしれないが、NG(next generation)の略だ。

なにか目新しい点はあるか探ると大きくは測定精度の向上(+-1%)とブルートゥースへの対応、そして充電式のバッテリーだ。おそらく今後発売されていく各社のパワーメーターは充電式が採用されていく。シマノもUSB充電に対応するし、SRMは特に対応が望まれる。各社に残された課題は「充電式」だった。

他にも様々な新たな機能が追加されたPower2max NGについて詳しく見ていこう。

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Power2max NG

工業立国ドイツが生み出したPower2maxもいよいよその歳を重ね三世代目に突入した。三世代目と聞くととても感慨深い。私は初代Power2maxを日本国内に初めて輸入(当時は購入サイトがなかったため現地の人に送ってもらった)したのでとても思い入れがある。

今から思えば、初物はやはりダメだった。扱いがとても難しいし、当時国内代理店でも扱っていなかったROTORのスパイダーを外す工具を別で輸入したりと大変だった。あれから三世代目である。その機能を興味深く見て行きたい。

大きな変更点は以下のとおりだ。

  1. 充電式バッテリー150時間
  2. ブルートゥース対応
  3. 測定精度1%

他にも様々な機能が追加されているが、ゼロオフセットしないだとか、バッテリー変えてもキャリブレーションいらないだとか今となってはあまり目新しくないので割愛する。ただ、とても嬉しいのは充電式に対応したことだ。フルチャージで150時間のライドに対応する。

150時間といえば一日目5時間毎日使ったとして一ヶ月耐える計算だ。通常のサイクリスト、遠征が多いサイクリストでも事足りるだろう。むしろ、Di2のバッテリーでも月に一回充電するくらいだからとても十分な量だ。

実は私は一世代目のPower2maxも持っているが二世代目のtype-s TRACKも所有している。ただし、バッテリー交換の作りこみがダメ。なんとクランクアームを外さないと、電池の交換ができない。これは失敗だ。裏側からネジを回して蓋を取らなくてはならない。申し訳ないがこれは失敗だと思う。とても使いづらい。

というわけで、power2max愛好家はこのバッテリーチャージ式は嬉しい訳だ。

次に測定精度であるが、これはもはやあまり議論されなくなった点である。どこのパワーメーターもその測定精度は高い。もはや議論されなくなってきた。ただ私はセンサー単体の精度よりも組みつけ影響による測定値のブレのほうが気になっている。

例えばステージパワーのようなタイプの場合、クランクへ直にセンサーを貼り付けている。そして、そのクランクに沿うようにプラスチック製のカバーがついているそのカバーは気温の変化でわずかながら変化する。その変化は稀にセンサーの測定精度へ影響するという。

センサー部の測定精度は高まっていくだろうが、それらを取り巻くパーツ類の作りこみや素材はどうなのか細かい点に話が移り変わろうとしている。この細かい話のようで見落としがちな話題はあまり議論されていない。ただ、日本のように四季がはっきりとしているような環境で使うなら外皮の影響も気にしたい。

まとめ: コモディティ化するパワーメーター

最後にラインナップを確認しておこう。対応するチェーンリングのBCDは130、110、110 4アーム、カンパニョーロ4アームだ。カンパニョーロだ。クランクアームはRotor 3D+ & 3D24, FSA Megaexo & BB386EVO, Campagnolが対応似ている。

ただ、多くの対応クランクと充電式のパワーメーターとして生まれ変わったと言えるのだが昨今のパワーメーターは、どれも似たりよったりだ。それらをコモディティ化するパワーメーターにとって、他社と差別化する要素はないのだろうか。

その一つの答えは日本のパワーメーターであるパイオニアに隠されている。いや、単純な「ペダリング効率」という話ではない。それは「解析ソフト」だ。いくら優秀なハードがあっても、ソフトが無ければただの測定器である。パソコンやゲーム機で古くから金言のように言われてきた事実だ。

取得したデーターをどのように処理して、どう扱うか。そのいまだ未開拓の「データー解析」というソフト面の領域に踏み入れているのはパイオニア、トレーニングピークス、と数少ない。ハードウェア、ソフトウェア双方のエンジニアを揃えるのは難しいが、国産のパイオニアはその両面(そして、サイコンと)からサポートしていることに改めて気づく。

コモディティ化するパワーメーター市場でPower2max NGがどのように生き残っていくのかとても興味深い。ただ、どのパワーメーターが生き残るのかは性能だけでは決まらない。マーケティングや価格、シマノの大鉈ひとふりで市場はいとも簡単に変わってしまう。

少ないパイを取り合う攻防はこれからも続いていくだろうが、私としては国内の二大メーカーである、シマノとパイオニアの夢のタッグを期待している。Rotor Powerのようにクランクは金属加工のローター、センサーは電子機器メーカーのMEPが開発とうまくいかないものか。

大きな北米市場に殴りこむならシマノの金属加工、パイオニアの技術力、それぞれが独立して同じ方向に突き進む必要などない。世界市場はそれほど大きく、それほど崩しにくい。わたしはいつかシマノのコンポーネントが世界を制したようにパワーメーター市場も制することを期待している。

市場規模がそれほど大きくないのだから、ホントにタッグを組めば良いと思うのだが、日本のサイクリストの皆さんはどうお考えだろうか?

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