2018モデル早くも登場 SPECIALIZED S-Works Epic HT WC 12速化とBOOST規格

2018年モデルが早くも登場し始めている。まず注目したいのがSPECIALIZEDのS-Works Epic Hardtail World Cup。私はこの今回のアップデートを待ち望んでいた(ただの新しいもの好きなのだけど)。S-WORKS HTはフレームのジオメトリーを毎年微調整していたものの、基本的な規格は変更してこなかった。しかし2018年モデルは、S-Works Epic HTはBoost 110/148仕様を採用した。

142mmが主流になったかと思いきや、どうみても業界の流れはBOOST(ブースト)規格で突き進んで行っている。ロード乗りに馴染みのないBOOST規格を補足すると、フロントハブが110mm幅の15mmスルーアクスル、リアハブが148mm幅で12mmスルーアクスルをBOOST規格と呼ぶ。

最近(ホンの最近!)まで多くのモデルで最も採用されていたのが、フロントが100mm幅で15mmスルーアクスル、リア142mm幅で12mmスルーアクスルだった。しかし、TREKやSCOTT、SPECIALIZEDが採用したことにより、近い将来BOOSTの規格は間違いなくデファクトスタンダードになると言われている。

個人的に所有しているS-WORKS EPIC FSRの買い替えを検討しつつ2018 S-Works Epic Hardtail World Cupを見ていく(あー、FSRでBOOSTでないかな)。

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2018 S-Works Epic Hardtail World Cup

S-Works Epic Hardtail World Cup(Epic HT WC)は見ての通りロードバイクのTARMACと似ている。現行TARMACで採用された設計思想「Rider-First Engineered」が採用され、サイズによって剛性を変える設計を行っている。何も考えていないフレーム設計の場合は、ジオメトリーだけ拡大縮小しただけの設計で、ライダーの体格(大きいサイズは体重が重い、小さいサイズは体重が軽い)に相応しい剛性を計算できていない。

しかしEpic HT WCは体格に合うサイズを選択すれば、SPECIALIZEDが狙ったフレームの特性を活かすことができる。これが設計思想「Rider-First Engineered」だ。実は目新しい技術ではなく、TIMEも2001年の時点で同じようにフレームサイズによって剛性を変えていると、TIME信者の私は「目新しい技術ではない」と強がっておきたい。

ヘッドアングルの変更

もはや個人的に嬉しいフレームのジオメトリ変更が、ヘッドアングルをついに寝かせてくれたことだ。私も所有しているWCシリーズはもはやヘッドアングル直立状態で、早く走り、上り専用設計のようなジオメトリだった。私のようなテクニックの無いライダーの場合WCを選ぶこと自体間違っているのだが、この変更は嬉しい。。

ヘッドアングルを寝かせる事による恩恵は、下りのハンドリングが安定する。そしてヘッドアングルを寝かせることで、僅かながらヘッドチューブとスタンドオーバーハイトを低く抑えることにもつながる。全てのサイズで69.8°を採用しており前作のユーザーとして、この変更点だけでも買い替えたい(少しでも下りやすく)と思ってしまう。

もっとも望むのはS-WORKS EPIC FSR WCでヘッドアングルをもっと寝かせたフレームを2018はリリースしてほしい。

フォークの変更

フォークもあんまり好きじゃなかった倒立のRS-1から、嬉しいSID WCに戻った。規格はBOOSTの110mm。ただしSPECIALIZEDが大好きなBRAINという仕様は据え置きだった。私もBRAINを使っていたが、どうもFOX FLOAT 32に変えてしまうと「やっぱりこのFOXのカシマコートヌルヌルは最高」と思ってしまう。

フロントフォークがRS-1からSID WCに変更した理由はいくつかあるようだが、詳しいことは私の調べた範囲だとよくわからない。ハブの規格も独自だし、なによりSID WCのような重量面のアドバンテージもない。おそらく重量面でクレームが来たのか、またRS-1はねじれるという噂も聞いたから、それならやっぱりSIDで良いんじゃね?という結論になったのかもしれない。

新型Roval Control SL 29 Torque Tube 148

付属している新型のBOOST規格対応ROVAL Control SL 29も地味にスペックを大幅変更している。まず、ハブはDT240でSRAM XX1対応(SRAM XD Driver Body)の148規格。このへんはフレームの設計に合わせてくると思ったが、一番目を引くのはやはりロードバイクでもお馴染みの「リム内径幅」だ。その採用しているリム内径幅は、

「25mm」

外側が25mmではなく内径幅(クリンチ幅)が25mmだ。私が所有しているROVAL CLX50ですら21mmだからMTBはハブのシャフト幅も、内径幅(クリンチ幅)もどんどん広がっていっていることになる。そして、MTBではもはや主流の「ビードフックレス」タイヤを引っ掛けるフックがない。

ENVEのMシリーズや過去のROVAL CONTROLシリーズでもこのタイプが採用されている。ロード乗りにとっては「フックなし」なんて驚きのリム(リムの平らな壁だけが有る)なのだが、ことオフロードの世界においては普通すぎて事細かに説明する必要もない技術だ。

実際に、私のROVAL CONTROL SLやENVE M60もビードフックレスのチューブレスで使っているが、ほとんど空気も抜けない(空気圧は1.7〜1.9bar程)。この技術は後々ロード用のチューブレスリムで採用されるかもしれない。

なお驚くべきは重量で1300g台。

ブレーキとコンポーネント12速

ブレーキはドライブトレインより気にしている(個人的に)今回のメインコンポーネントは「SRAM XX1 Eagle 12-speed」を採用。ロードなんかよりお先にオフロードの世界は12速のスプロケが50T(フロントクランクじゃなくてリアスプロケが50Tね)を採用している。

2017モデル シマノが11-46(11S)のスプロケをリリース
シマノが11-46Tのカセットスプロケットをリリースする。グレードはXTR、DEORE XT 1×11ドライブトレイン用だ。発売時期は夏...

シマノも46Tを出しているが、、、

【速報】SRAM 12速化へ! 10-50Tの変態スプロケとかwww
11速の普及もそこまで進まない中、SRAMが遂に12速化へと踏み出した。SRAM EAGLEだ。アメリカ合衆国の象徴でもあるEAGLE(...

SRAMは12速と50Tでさらに斜め上を行っている。

ブレーキはSRAMの関係かSRAM Level Ultimateを採用。フロントは180mmローターでリアは160mmだ。できれば過去のモデルのようにMAGRAのMT8なんてものを積んでくれれば良いと思うのだが。そうはいかなかったようだ。ブレーキはシマノ、SRAM、MAGRAと使ってみてやはりMAGRAのMT8はとても良いブレーキの効き方をする。

まとめ:2018にフルサスEPIC BOOST来たら買うわ

今回の記事は完全に、自分のほしいスペックとジオメトリに変えてきたS-WORKS EPICに賛辞を送るべく記した。

MTBの機材はどんどん過去の規格を切り捨て、どんどん進化している。それは一種の「買い替え需要」を狙った業界のコントロールかもしれない。。。と、ロードバイクの機材の場合はそんなありきたりな文章で締めくくってしまうだろう。しかし、ことオフロードの機材であればちょっと話は変わってくる。

かかる衝撃や、負荷はロードと比べ物にならない程大きい。そして「剛性」というフレームの性能やハブの性能をオフロードの機材の場合は嫌でも感じる。だから、どんどんより良いものに変わっていっているのかもしれない。この新型S-WORKS EPIC HTはおよそ8kgだ。私のTIMEのZXRSが7.4kgだから、あと600gでこのMTBのハードテイルと同じ重量ということになる・・・。

ロードバイクの機材を見ていると、ホント細かい点を潰すようなアップデートしか最近見当たらない。ただ、オフロードの世界ではBOOST規格、電子制御サスペンション、12速化、超ワイドギアレシオと「ある意味ユーザーを置き去りにした」アップデートが繰り返されている。

一度は142mmが主流になる!とささやかれていたのが一変、142mmのユーザー(私を含む)にとっては残念な話ではある。しかし、新しいものを取り入れ進化することは乗り手にとっても恩恵が有るはずだ。

私は近い将来、ロードバイクの機材にもオフロードの世界では当たり前になっている「チューブレス」「リアハブ幅の変更」が訪れると予想している。シマノは14速化まで視野に入れているが、現在の130mm寸法では限界がある。おそらく135mm、または新たなハブ寸法をシマノがデファクトスタンダードにしていくのか。

少なからず、12速化の時点で新しい幅にシフトする際には、ディスクブレーキでも採用されている135mm幅が有力だろう。そうすると面白いのはリアハブのワイドフランジ化・・・。と考えると12速化に伴い、古くからあるロードバイクのリアハブ規格変更もそう遠い未来ではないのかもしれない。

オフロードの機材を見ることは、シンクロシフトと、ワイドリム化がそうであったようにロードバイクの機材の未来を暗示しているのかもしれない。