自転車のライトを選ぶ際、我々は何を重視し選択をすれば良いのだろうか。人によってそれぞれ趣味趣向が異なるところである。私が重視するライトの要素は、ライト本体の構造とLEDであって、見た目やデザインはあまり考慮していない。本記事は前半に特徴を記し、そして後半は肝のLEDに特化した内容となっている。
私はいままでいろいろなライトを使ってきた。幾つものライト(キャッツアイは3つ以上)を使い結局手元に残ったのが今回紹介するBBboro MT-1.0である。そのBBboro MT-1.0LEDライトについて使用感、明るさをできるだけ伝わるように書いていく。
BBboro MT-1.0は何故良いのか
BBboro MT-1.0を一言で言うなれば、小型で明るいライトだ。今まで様々なタイプのライトを使ったが結局BBboro MT-1.0に落ち着いた。USB充電が可能で、繰り返し充電できる為ランニングコストもかからない。では明るさはどうだろうか。
明るさは200ルーメンだ。ルーメンとカンデラの違いについては別記事「ルーメンとカンデラの違いがわからない人の為のライト入門」を参照して欲しい。使ってわかる200ルーメンは、夜の峠で街灯がなくとも、登坂や下山に不安がない明るさである。
ライトの光らせ方は6モード有る。大きく分けて、点灯と点滅だ。オーバードライブと呼ばれるモードは最大の出力(200ルーメン)で光らせる。続いてハイビームとスタンダードが続く。点滅するフラッシング、ストロボと選べる。違いは、点滅の間隔が早いか遅いかである。他に特殊な救難信号の光らせ方もあるが使用する機会はないだろう。
注意書きに「救難信号を普段使用してはいけません」との記載があるのも面白い。
BBboro MT-1.0の電池
以前使っていたキャットアイとライトは乾電池式だった。好き嫌いが分かれるところだが、私は充電式を好んでいる。本製品は、ガーミンと同じ形のUSB充電方式を採用しており、ランニングコストを考えると電池交換が永久に必要がないのは嬉しい。
充電池の素材も考えられている。小型で軽量なリチウムポリマー電池(3.7V、1200mA)を採用している。電池の容量はiphone5をイメージするとわかりやすい。あちらは1440mAの3.8Vだ。特徴としては、高出力かつ長時間の駆動にも優れている。バッテリーがへたる気配はない。
充電時間は約2時間。充電状態インジケーターで一目でわかる。バッテリー残量もインジケーターが着いている。駆動時間は実際の動作モードによって異なる。スタンダードモードで50ルーメンの場合、最大8時間の点灯が可能だ。
使用時間の詳細はオーバードライブ(200ルーメン)で最大1時間50分 。続いてハイビームの105ルーメンは最大3時間35分だ。スタンダードも十分な明るさがあり50ルーメン、最大8時間だ。私が多用するフラッシングなら最大6時間55分となっている。
さらに、充電しっぱなしによるトラブルを防ぐため「自動充電終了システム」を搭載している。充電の機能や電池本体に力を入れている。とにかく電池の能力が高い。電池が大容量だが重量は65gと軽く仕上がっている。
MT-1.0はCREE社製LEDを採用
ここからが本記事の本編である。
BB Boro MT1.0 LEDはCREE社製LEDを積んでいる。私が友人に「騙されたと思って使って見てよ」と、言われて買った人はそのまま今でも使い続けている。私の場合は、ライトを選んだというよりは、CREE社製LEDを選んだと言った方が正しい。
この製品の利点をまず列挙してみよう。
- GarminEdge500と同様にUSB充電が可能である
- 充電しっぱなしでも自動的に充電を終了するシステム
- 200ルーメン
そして意外なことに台座が秀逸である。台座がある意味一番よく出来ており本体と接続する部分のプラスチックを除き全てゴム製である。このゴムは厚みがあり、固着力もしっかりしている。脱落はしたことがない。
私は上ハンを持つ際に、ライト自体が邪魔になるを避けるため「フロントフォーク」にマウントしている。フロントフォークに固定する際にこの台座が活躍する。なぜなら、台座は首振り機能がついておりどんなフォーク角度でも任意のライト角度に変えられる。
実際に、フロントフォークにライトに取り付けるとハンドル部と比べて、より地面に近いところから地面を照らすことができる。私は夜に、二人でローテーションをしながら周回練をする事があるが、その際に前にいる人の道すら照らしてくれるのだ。
例えばハンドルにライトを付けている場合、ライトは前の人の背中にあたり、上手く照らすことはできない。しかしフロントフォークに取り付けている場合、お互いの自転車のホイール経が同じであれば、上手く前の人の道も照らしてくれる。
ヘルメットへマウントするため、専用ライトマウントがついてくるのも嬉しい(夜のトレランにもぴったりだ!)。
CREE社製 LEDをさらに知る
光源のLEDについて考えてみよう。このBBboroのMT-1.0はLEDに「CREE製XT-E」を使っている。米軍もCREE製のLEDを使っている場合があり、LEDとしてはお馴染みの代物だ。
CREE社はLEDでメジャーなメーカであるが、どちらかというとLEDメーカーというよりは半導体メーカと言える。日本では三井物産エレクトロニクス株式会社がパートナー企業としてCREE社の製品を扱っている。
自転車用のライトで「CREE社製のLEDです」と書いてあるのはBBboroとジャイアントのライトの一部にCREE社製のLEDを使用しているようだ。もし他にも自転車用で、小型なCREE社製LEDを使っているところがあれば教えていただきたい。(ただしスティック状は除く)
CREE社製LEDライト
このCREE社製XT-Eについてもう少し詳細を見ていこう。まずCREE社製のLEDにおけるXT-Eのプロダクトポジションについてだ。CREE社製LEDはX-Lampシリーズとしていくつか製品が存在しており、そのハイパワータイプLEDとしてXT-Eがラインナップされている。LEDの性能は上から3番目だ。
- XM-L2
- XP-G2
- XT-E
- XB-D
上記性能に対して価格も当然比例する。XT-Eの詳細仕様は以下のとおりだ。
- 最大148 lm/W (at 85℃, 350mA)のクールホワイト効果(lmはモデルとmAによる)
- 最大53% (at 85℃, 350mA)の埋め込みプラグ
- 広視野角:115-140°
- 低熱抵抗:5℃/W
- max 1.5Aドライブ電流
BBboroにはXT-Eの200lmが使われていたが、実はXT-Eの中でも10種類以上LEDの色が分かれている。そのなかでBBboroがどの XT-Eを使っているかは、分解しないとわからないところだ。
まとめ: MT-1.0は高いが満足できる
この記事を書いた後、本製品は経年劣化でUSB充電部が壊れてしまった。しかしどうしても直して使いたいと思い修理の内容を「修理しても使い続けたいLEDライトBB Boro MT-1 」として再掲している。
私は機材に飽きやすく、フレームもホイールもポンポン変える。その中でSELLE SMPのサドルと同じくらい使っているのが本製品だ。壊れても修理し使い続ける。それほど気に入っている。本当に良い製品というものは直してでも長く使いたい。
このライトは「明るさ」「USB充電」「優秀なCREE LED」と三拍子そろった機能を併せ持っている。私は様々なライトを使い続けてきたがBBboro MT-1.0を自転車用ライトの決定版と位置づけている。
売り上げランキング: 1,159