自転車でも人間でも共通しているのは、日々の小さなメンテナンスを怠らないということだ。少しの点検をしていると大きなトラブルを防げる。ことが大きくなってから対策しても取り返しはつかない。日々辛い練習してきて、いざレースに挑むときにメカトラで不発に終わるのは本当に意味がない。
それは日々の小さなメンテナンスを怠るという、いわば怠慢である。いや機材については偉そうに言うが肝心の自分の体はどうだろうか。ようするにそういうことである。機材は金を出せば変えが効くし、新品に取り替えられる。金さえあれば。ただ、「私という人間」はどうだろう。
変えも効かないし、新品になるためにはもう一度人間に生まれ変わるしかない。無理な話である。にもかかわらず、大きな病気や怪我をしないと人間は馬鹿なものでその「当たり前のありがたさ」を知り得ない。すこしだけローラーにまたがって感動した。普通に乗れること、普通とはとてつもなくありがたいことなのだ。
結構痛い目を見たので少し書いてみる。
定期的なメンテナンスを
体に痛み(まだ痛いけど)が無く生活できて、自転車に乗れて、美味しいものを食べられる。あたりまえのことだけど、決してそうではない。当たり前にできなくなる、という経験をしないと人間は慣れてしまって手を抜いてしまう。昨日まで座ってられないほど体が辛かった。
変な汗をかいてくるというのがわかった。処方された漢方を飲んで痛みは和らいだ。医者ってすごいなと感動する。この機会に妻おすすめの歯医者に行くことにした。病院のハシゴである。ちなみに、歯はどこも痛くない。行くに至った理由は、もはや書く必要はないが「メンテナンス」である。おっくうになって行かない歯医者だ。
「綺麗な歯並びで問題なしです。よく磨けています。」と言われて終わった。歯石だけ取る。ただ、終わり際奥歯に虫歯になりそうな初期段階の物があるので次また来てくださいと。これが何年もかけて歯を少しずつ侵食していくのだという。そして何年か後に時限爆弾のように痛み始める。
そしたら、痛みと、キュイーンという音とともに悶絶しながら処置されるのだ。しかし今の初期段階に潰しておけば痛みなど皆無である。キュイーンという音を聞いているだけで良い。なんという先行投資だろうか。予防というものは一件何もない無駄なものにお金をかけているのでは?という人も中にはいる。
ただ予防をしないことなどいつか爆発するかもしれない時限爆弾を抱えているだけだ。それもガンだってそうだし、体の不調も結局は日々の積み重ね、生き方、食べるもの、全てだ。歯のメンテは三ヶ月に一回ぐらいで良いらしい。年をとった時に、歯がしっかりしてないと美味しいものも食べられないのよ。と、義理のお母さんが言う。
自転車に乗れることは体あってのことだ。仕事もそう。何もかも体が資本なのだな。金を稼ぐために体を壊す、自転車に乗るために体を壊す、本質はそこではない。日々食べるもの、生活習慣、全てにおいて本当に当たり前のことが重要であると再認識する。
人間も機材もそうだけど、壊れると余計にメンテナンスに時間も金もかかる。そして、肝心の時に、ここぞって時に限って時限爆弾は発動するのだ。それはたいていレースの時だし、楽しい旅行の最中だったりする(まさに今回の山口がそうだ!)悪いことは決まって来てほしくない時に来る。
とはいつつも、更にたちの悪いのは痛い目を見て何日かすると忘れて同じ過ちをすることだ。少なくともそこまでアホなことはしたくないので、日々よく観察してみよう。後々になって「ああしておけばよかった」だとか「こうしておけば」なんてことが無いように。先延ばしにすればするほど、大事なものは自分の手から簡単にこぼれ落ちていく。
現代書林
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