- オイルと併用できる
- 保冷ジェルは40分維持
- 携帯性に優れ遠征や渋滞時にも
体は回復するときに強くなる。強くなるための話題といえば「ハードなトレーニング」や「トレーニングメニュー」にばかりフォーカスされてしまう。しかし私たちが強くなっているタイミングは回復する時だ。ドラゴンボールのサイヤ人ではないが、「死の淵からよみがえるほど戦闘力が上がる」のは、程度の違いはあれど人間でも同じことである。
強くなるアプローチには「体を疲れさせる」と「体を回復させる」の2つがセットだ。このセオリーを守り私は一年中ほとんどトレーニングを休まない。それでも故障一つせず継続してトレーニングを続けられているのは、日々の体のメンテナンスがあっての話だ。ハードなトレーニングをやりすぎでは、ただ疲れていくだけで狙った強度をかけられなくなる。
私の体のメンテナンスの方法と言えば「オイルマッサージ」と「アイシング」の2つだ。自分でやるから、いつも簡単に短時間で終わらせるようにしている。たいてい風呂を上がる際に足に冷水をかける。そして、上がった後は血行が良いうちに筋肉の張やコリが残っている部分を中心にオイルを使ってマッサージを施す。
色々と回復の方法を試してしたが「冷やすこと」と「オイルマッサージすること」の2つが、私にとって回復への近道だった。私のような素人でも気づいてしまうこれらの事実であるが、一見すると「冷やす」「オイル」という関係は相反している。
今回新たに導入したマッサージ器具では、これら二つの利点をうまく融合させ「冷やしながらオイルマッサージ」という謎のコラボが可能だった。正直なところ自分で試すまでは、このボールの良さが全くよくわからなかったのだ。今回は「冷やす」「オイルを使う」を同時に実現してくれる新感覚のマッサージアイテム「イナーメメタルボール」を自分の体を使って試してみた。
イナーメメタルマッサージボール
なんて冷たい子・・・、それでいてヌルヌルできもちいだなんて・・・、
第一印象のツンデレ具合はいまでも変わらない。余談だがどう見てもメタルスライムだ。しかもきれいな真球体ではなく、ほんのすこしいびつな球体である。冒頭でも記したとおり、メタルボールには2つの優れた機能が備わっている。1つ目はメタルボール自体が「保冷剤入り」であること(え?)。2つめは「オイルと併用できる」という点だ。
一見すると何の変哲もないメタルボールの内部には保冷剤が仕込まれている。冷蔵庫で冷やすとキンキンに冷えてくれる。驚くことに冷たさの持続時間は40分だ。40分も冷たい子だなんて相当である。この冷たさは単に冷たいわけではない。もちろんアイシングの役割を担っている。
このメタルボールが使える体の部位は広い。ふくらはぎの裏、太もも、肩、背中、臀部と射程範囲がとても広かった。メタルボールはゴロゴロと転がっていかないので、床において、背中や腰、ケツのツボをアイシングしつつマッサージしている。体の裏をマッサージをする場合、だれかに押してもらわないと刺激できず、自分では手の届かない部分だ。ただこのメタルボールを使えば難なく押すことができた。
もちろんツボ押しやアイシングだけがメタルボールの特徴ではない。面白いのはマッサージオイルと合わせて使用できるという点である。脚にマッサージオイルを塗ったあと、メタルボールを使って筋肉をマッサージするとすべりもよく気持ちよくマッサージを施すことができる。ここで肝心なのは「メタルボール」と「台座」の関係だ。
たとえば「メタルボールだけ」だとオイルで手が滑ってしまい、メタルボールを嫌な奴に投げつけてしまうかもしれない! もちろん悪気はない。手が滑ったという事にしておきたい場合は大変有効的な使用方法であるものの、マッサージ用途としては目的を達成できていない。
そこで滑りにくい素材を使用した台座の存在である。メタルボールと台座の間にはシリコンのようなスベりやすい素材が備わっている。この隙間にオイルが入り込み潤滑油の役目をする。土台のグリップ部分は、たとえオイルが着いたとしても滑ることはない。マッサージする際はメタルボールのすべりの良さと、冷たさの融合でとても気持ちいいマッサージが体験できるのだ。
関西人が最も恐れることは「スベること」であるが、このイナーメのメタルボールはとにかくよくスベる。スベまくる。スベり過ぎてもしかしたら関西人には耐えられないかもしれない。冗談はさておき、乾燥肌で指先がザラザラしている人にもお勧めだ。メタルボールならつるつるしているのでマッサージがしやすくなる。
指で筋肉をなぞるよりも圧倒的に動摩擦係数が小さい。スーッと筋肉の上をメタルボールが走り抜けてくれる。私たちがセルフマッサージの際に気にすることといえば、押し付ける際の圧の調整だけである。
実際の使用で気づいたデメリットもあげておこう。オイルをつけて使用した後には掃除しなくてはならない。とはいうものの手についたオイルを洗い流すのと同じ要領で解決すればよい。中性洗剤や、石鹸で洗い流せばいいだけだ。いつも手を洗うのと同じ要領で、メタルボールを挟んで洗う。私は洗ったあとにきれいに拭いて、すぐさま冷凍庫へほおり入れている。
次回使用するまでにはキンキンに冷えてくれる。思ったよりもアイシング自体の効果は高いから侮れない。運動後は筋肉の温度が上昇することでエネルギー消費が大きくなっている。それらは疲労の蓄積に繋がる。アイシングを行うことでエネルギー消費を抑え、疲労の蓄積を抑えられるメリットもある。
メタルボールは主に家での使用が想定していたのだが、私は色々なシチュエーションでテストしてみることにした。
シチュエーション別
メタルボールのマッサージ以外のメリットは「携帯性に優れている」ということだ。小さくて持ち運びに便利なのである。遠征のバッグに忍ばせておいてもかさばらない。はたまた、遠征先の宿でマッサージし合いっこする際にも使える。「うあ、あいつの体だけは直接触るのやだなあ」という場合にもメタルボールがあなたの身代わりになってくれる。
実のところ室内で使うよりも、遠征帰りの渋滞に巻き込まれたときにメタルボールの真価が発揮された。当初、レース前のマッサージ用に使うために持って行ったのだが活躍は帰りの車である。関西圏の方ならお分かりだと思うが「宝塚から大阪方面に向かう渋滞」はほぼ毎回巻き込まれる。緩やかなのぼりのため自然渋滞が発生する。
先日のレース帰りにもこの渋滞に巻き込まれた。レース後だろうがなんだろうと帰宅するために運転しなくてはならない。しかしレース後でアクセルを踏む脚がパンパンだった。帰宅の最中にマッサージを受けられたら、どんなに幸せだろうかといつも考えていた。例えばハイエースの後ろを全部潰して、施術台を置いて、専属マッサーを雇う・・・。
そんな事はTEAM SKYのような莫大な資金力を持つチームにしかできやしない。ただ、ほんの少しでも空いた時間にマッサージをしたいと思った私は、メタルボールを片手に太ももをぐりぐりマッサージすることにした。いつもは指先で脚や背中を押すが、メタルボールをつかんで太ももをぐりぐりするのである。
前方の車から目を離すことなく、メタルボールを腰に当てたり、太ももをなぞったり、首をもんだり渋滞時に活躍してくれたのだ。これは遠征帰りの運転手にとってはうれしいアイテムと言える。他にも新幹線や飛行機、はたまた仕事のデスクに置いてあっても目立たない。ただ、オイルはしっかりと拭いておこう。お隣に座っている人ににおいが伝わってしまう。
本来はレース前のウォーミングアップや、クールダウン時に使用する事が本来の用途だ。ただ、使い方と視点を変えてみればメタルボールが活躍する範囲は幅広い。
合わせるオイル
今までスポーツバルムや、イナーメアロマオイル、ナキ、ELITEといろいろ使ったが、最近はイナーメに落ち着いている。オイルは様々なラインナップがあるが、シチュエーションによって使い分けよう。神経質な人は、オイルが混ざらないようにタオルかティッシュで拭いてから別のオイルを塗ろう。定番のオイルは「Recovery」だ。筋肉を緩めてくれるので回復を早めたいときに使う。ただ、レースの前に使うのはやめておいた方がいい。緩み過ぎて本来のパフォーマンスが出せないかもしれない。
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レース前はrecoveryピンクで良いだろう。「高強度レース前日の回復オイル」と言った方がわかりやすい。レース前日のオイルは必ずリカバリーピンクだ。冬のシクロクロスの連戦、実業団レース前、先日の美山ロード等、必ずこのオイルを塗っている。
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レースのウォーミングアップには10月~6月は「CXオイル」だ。ロードにもCXオイルである。先日のTOJ併催堺クリテリウムで入賞した雑賀選手もスタート時に塗っていることを私は見逃さなかった。6月までならCXオイルを使っておけば間違いない。経験上、サマーオイルを塗るよりもCXオイルである。
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夏はサマーオイルを塗るのが良いが、最も出番が多く消費量が多いのは実はCXオイルなのである。サマーオイルは7月~9月のトレーニングからレースまで使用している。オイルの効果を最大限に高めるためには、一度ふき取ってから使用する事をおすすめする。
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アイシング&オイルマッサージのコンボ
なお、オイルを使用しなくともメタルボールは使用できる。また、土台が滑りにくい素材のため床においても転がっていかないから、寝そべれば背中や腰のピンポイントを攻めることができる。価格は2,600円と60分激安マッサージ1回分よりも安い。1つ備えておけばあなた専属のマッサー・・・とまではいかないが、好きな時、好きなだけ、様々なシチュエーションで使用できる。
日々体のメンテナンスをしているサイクリストや、ハードなトレーニングを重ねる選手たちでオイルマッサージを施している人であれば一度組み合わせて相乗効果を狙ってみてもよい。冒頭でも記したが、身体は回復するときに強くなるのである。その手助けをイナーメメタルボールは担ってくれるはずだ。
アイシングしながらオイルマッサージができるとは、なんとも欲張りな玉である。ひんやりとした感覚を保ちながら、オイルが肌の上を滑る特別な感覚をぜひ一度味わってみてほしい。(Blog掲載後、全て売り切れたようですΣ(´∀`;))
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