プロ機材として、突き抜けた性能を。
「完成」の域に達していたAEROADは、「完璧」を求めて進み続けた。
新型AEROADの開発では、プロ選手やプロメカニックからこれまでにないほどのフィードバックを得て、製品の細部にいたるまで改良が行われた。非の打ち所がないほど完璧に仕上げられた新型AEROADは、名実ともにワールドツアー最速のマシンとして飛躍を遂げた。
プロの、プロによる、プロのためのAEROADだ。
ひとめ見ただけでは、前作のAEROADと大きな違いを見つけられない。しかし、細部に目を凝らせば前作とは全く異なるチューブ形状、新たなエンジニアリングスマートソリューションを細部に散りばめ、大幅なアップデートが行われた。
何が変わり、何が違うのか。プロトン最速のマシン、新型AEROADの全容を余すことなく解説していく。
何が進化した?
- 新UCIレギュレーション対応フレームシェイプ
- 空気抵抗を14W削減するPACEバー
- エアロダイナミクスが向上
- ワールドツアープロトン最速
- カーボンレイアップの改善
- 耐久性と堅牢性が向上
- ハンドリングの応答性が向上
- ユーザーフレンドリー専用ツール付属
- タイヤクリアランス32mm
ワールドツアープロトン最速のマシン
AEROADはグランツールや世界選手権など、世界トップレベルで勝利を量産してきたバイクだ。ワールドツアーのレースにおいて空力性能が最も優れたバイクとして知られている。CANYONは自信をもって新型AEROADを「プロトン最速のマシン」と呼んだ。
これは非常に上手い表現だ。
AEROADよりも空力性能が優れたバイクは存在しているが、ワールドツアークラスにおいて最も速いバイクであることは第三者機関の風洞実験で証明されている。前作で既に優れた空力特性を備えながらも、形状や細部を見直すことで空力性能のさらなる向上が図られた。
CANYONの本国ドイツには、F1マシンや戦闘機の開発にも使用されている有名なGST風洞施設がある。DTSWISS、TOUR紙も利用しておりレーシングカーや戦闘機開発まで幅広く活用されている風洞施設だ。
AEROADのエアロダイナミクスのコンサルティングはSWISS SIDEが実施している。F1出身のエンジニアで構成されており、エアロダイナミクスに関するスペシャリストたちだ。
AEROAD CFRの設計と検証は、風洞実験とCFD(計算流体力学)解析の両方を実施した。最高の空力性能を追求するため、風洞実験前にCFD解析を実施し最適なプロファイルを導き出す。そして、様々な方向からの風向きを考慮し、Yaw Angleの変化に応じて最適になるように設計が進められていった。
風向きは常に正面から吹くわけではなく、±0~10°の出現率が高いとされている。そのため出現率が高いYaw Angleに対し加重平均計算を行い、抵抗を算出するのが一般的になっている。
GST風洞実験室で行われた空力性能試験の結果は以下の通りだ。
- Mr525 P = 201,3W R108-1 New AEROAD
- Mr551 P = 202,9W R065 Old AEROAD
- Mr544 P = 203,8W Cervelo S5
- Mr548 P = 209,3W S-WORKS TARMAC SL8
コンポーネントの仕様としては、ホイールがDT Swiss ARC1100 50mm、タイヤがSchwalbe Pro One TLE 25F/28R、ダミーレッグはフレディ君が一貫してペダリングを行っている。
名指しで他社メーカーのバイクを比較するのはCANYONの自信の表れだ。競合他社のTARMAC SL8はエアロ系ロードバイクではなく、空力の良いバイクとも言えないが、世界系に人気のバイクであるため引き合いに出されたのだろう。
旧型AEROADですらCervelo S5に対して0.9W空力性能が優れている。これでも十分すぎるが、新型AEROADは旧型よりも空力性能が1.6W改善した。「たった1.6W」と思われるかもしれないが、現在のプロレースの高速化や、タイヤのバリ山差で勝敗がわかれる状況を考えると無視することができない。
新型AEROADは重量に対するエアロダイナミクスも優れている。リムハイト50mmと新型AEROADの組み合わせは、リムハイト62mmを組み合わせた前世代と同様の空力性能だ。そのため、新型AEROADはリムハイト50mmがすべてのモデルで標準搭載になっている。
では、新型AEROADは何をどのように改善し、さらなる空力性能の向上を果たしたのだろうか。
フレーム形状を刷新
新型AEROADは横から見ると変化がわからない。しかし、正面や上部からみると別物のバイクに仕上がっている。まったくもって、似て非なるフレームだ。
旧型から新型への開発の間に起こった大きな変化としては、UCIレギュレーションのアップデートが行われている。UCIのレギュレーションは緩和する方向に変更され、フレーム設計の自由度が高まった。その結果、これまでにないデザインを設計することが可能になった。
新型AEROADのデザインは先代のデザインをベースにしている。最適化されたチューブプロファイルによって形状がさらに洗練化した。旧型は肉厚なフレームだったが、新型は贅肉をそぎ落とした細身の形状に進化した。
新しいフレームとフォークは空力、剛性、軽さ、コンプライアンスといった全体的なバランスが取られ再設計されている。
フレームセットはほぼすべてが刷新され、全体的に薄くなった。
- フォークブレード
- ヘッドチューブ
- ダウンチューブ
- シートチューブ
- シートポスト
- シートステー
- BB周り
フォークブレードは最新のUCIレギュレーションを最大限に生かした設計だ。アップデートが最も大きい部分といえる。フォークブレードは薄く横に長くなり空力性能が向上した。
逆に、フォークにハブが収まるツメ部分は肉厚になった。ホイールをマウントした時の収まりや、交差、接触面積が大幅に改善されている。まるで、MTBのサスペンションフォークにホイールを取り付けたときのような安定感と剛性感がある。
旧型のAEROADはフォークにホイールを差し込むと、ハブ軸が左右にカタカタと揺れ動くような寸法になっていた。スルーアクスルを締めこんで止めれば問題はないのだが、確実に遊びが生じる設計寸法になった。
ヘッドチューブ前面の幅も減少した。風が真っ先に当たる先端部分は角のようになっており、空力性能の向上を狙って最適化している。
逆にトップチューブは幅広になったことでフロントトライアングルの剛性向上に寄与している。トップチューブは空力性能をギリギリまで高めつつも、クラッシュ時のダメージを低減するためカーボンレイアップを強化している。
トップチューブの剛性が向上したことで、ダウンチューブ側のプロファイルを縮小することが可能になった。その結果、ダウンチューブはさらに薄くなった。一部の北米メーカーは、ダウンチューブの形状は空力性能にそれほど影響が無いという解析を提示していたが、AEROADはさらなる薄さを追及した。
シートポストの形状も大幅にアップデートした。より短く、より軽くなったシートポストは、全体的なエアロ性能を損なうことなく、より高いコンプライアンスを手に入れている。
シートステーは左右非対称だ。非ドライブ側のシートステーはシートポストとの付け根こそ変わらないものの、チェーンステーとの接合部分が縦方向に伸びた。シートステー自体が短くなり、さらに薄くなっている。
従来はシートチューブに左右のシートステーが独立して接続されていたが、新型はシートステー間をつなぐリブのような構造が追加された。ねじれに対する剛性が強化されており、パワーを負荷分散しフレーム全体で受け止める事が可能になった。
リブを設けることで、剛性と空力が改善されている。
BB付近は一見すると違いが判らないが、ダウンチューブとBBの接合部分はよりシェイプアップしており、輪郭がはっきりとした形状になった。
空力性能を向上するためのアプローチは、各社が求める設計思想の違いや特色がある。AEROADは全体的に薄さを追及した。逆に、トップチューブやヘッドチューブは応力を考慮し太さが増している。
14W削減するPACE BARシステム
新型AEROADで使用できるハンドルは「クラシックドロップ」と「エアロドロップ」の2種類だ。
クラシックドロップは、全モデルに標準付属している。その名が示すとおり、フレアを最小限に抑えドロップが130mmで利便性の高いフォルムだ。
エアロドロップは、ライダーの前方投影面積を最小化する狙いがある。STIやシフターを内側に入れるプロの要求に応えるために設計された。クラシックドロップとは異なり、シフター部分のセンターからセンターまでの幅が20mm狭くなっている。
STI幅 | ドロップ幅 | ドロップ | リーチ | フレア | |
クラシック | 370/395/420 | 385/410/435 | 130 | 85 | |
エアロ | 350/375/400 | 420/445/470 | 105 | 95 | 19 |
フレアは19°になっているため、スプリント時に大きな力を発揮できるよう下ハンドルのドロップ部分がワイドに設計されている。シフター部分の幅が減少した代わりにリーチを10mm追加して95mmにすることで全体的なフィット感を高めている。
エアロドロップの空力性能を確認するために複数の風洞試験とサーキット試験が行われた。リードアウトポジションを維持した条件において、クラシックドロップと新しいエアロドロップとの間には最大14ワットの差が生じている。
エアロドロップは標準付属せず、オプションとして追加購入することが可能だ。
利便性も追及され、ケーブルルーティングとハンドル交換を容易にするために内部構造の改良も行われた。従来はハンドル内部の中央をホース類が通る構造だった。新型ではハンドル内部の手前側からケーブルを通す方法に変更されている。
ハンドルの調整範囲は拡大した。幅は50mm調整、高さ調整は15mmから5mmアップして20mm調整可能になっている。
PACE BARは素早く簡単にドロップを交換できるのが最大の特徴だ。目的に応じて2種類のドロップオプションがあり、ブレーキラインを外すことなく数分でドロップを交換できる。
エンジニアリング・スマートソリューション
新型AEROADで新たに導入されたのが「エンジニアリング・スマートソリューション」だ。
直訳すると「工学的に賢明な解決方法」と言い換えられる。CANYONのエンジニアたちは、前作で抱えていた既知の問題や、プロ選手やメカニックからのフィードバックに対して、工学的に最適と思われる様々な解決方法を新型AEROADに盛り込んでいった。
ひとつひとつの改良は小さな変化かもしれないが、それらが集合体となって最速のバイクを形成している。
- クローズドドロップアウト
- フォークドロップアウトプロテクション
- チタン製フォークベアリングシート
- 強化シーリングヘッドセット
- セラミック製ハイブリッドベアリング
- ドイツ製 TX25ボルトに統一
- スルーアクスルレバー一体型非常用ビット
- サドル角度専用ボルト
- 着脱式FDハンガー
- マグネット式リアライト
注目すべきことは、AEROADが得意とするエアロダイナミクスとは全く異なる方向性の改良であるということだ。クローズドドロップアウト以外は、様々なシチュエーションでバイクを快適に走らせるためのアップデートになっている。
クローズドドロップアウト
各メーカーで流行しているのが「クローズドドロップアウト」だ。ドライブ側のスルーアクスル出口がふさがっている。最近ではCannondaleのSuper SIX EVOや、PINARELLOのDogma F Gen2などが採用している方式だ。
見た目のスマートさだけでなく、わずかながらエアロダイナミクスの向上にも寄与する。先代のAEROADでは、スルーアクスルの穴をプラススチック製のカバーで塞いでいたが、接着のため剥がれてくるデメリットがあった。そして、見た目的にも美しいとは言えなかった。
空力や見た目も改善した美しいフォークに進化している。
フォークドロップアウトプロテクション
「フロントホイール外してフォークを地面に立てたとき傷つくのがイヤだ」
わかる。
どうやらプロ選手やプロメカニックたちも、同じことを思っていたらしい。フロントホイールを外して別のホイールに交換する際、フォークを地面に直接接触させて立て掛けてしまうとアスファルトと接触して傷がついてしまう。
そこで、「フォークドロップアウトプロテクション」という構造が新たに搭載された。パンク修理や荷台への積み込みのためにフロントホイールを取り外しても、大事な愛車の塗装やカーボンの欠けを防ぐことができるのだ。
仕組みとしては、フォーク先端部分に交換可能な硬い金属が取り付けられており先端部を守る仕組みになっている。地面との接触角度も計算されており、リアホイールを取り付けたままフォーク先端を地面に置くと、プロテクション部分が身代わりになって地面に着くように配置されている。
小さな配慮だが、フォークの塗装ハゲなどを気にする人には嬉しい機能だ。
チタン製フォークベアリングシート
新型AEROADはフォークやヘッドベアリング周りのアップデートがとても多い。ヘッドセットアセンブリ全体に耐久性を向上させる工夫が凝らされている。激しいレースを走っても、常に安定した性能を保つための大幅改良だ。
背景には、パリルーベで発生した問題がある。フォークとヘッドの間から砂や砂利が入ってヤスリのように作用してしまい、フォークコラム根本が削れてしまったという。そこで、フォークコラムの根本はチタン製のベアリングシートで覆う改良が施された。
摩耗に強いチタン製のシートが、ベアリングとカーボンコラムの間に入ることによって直接接触することがなくなった。劣悪なコンディション下でも安定したステアリング操作が常に可能になっている。
強化シーリングヘッドセット
新型AEROADには、プロの現場で常用されている高圧洗浄機に耐えうるヘッドセットが搭載されている。従来のモデルでは水分やホコリなどが入りやすくなっていた。新型ではベアリングとヘッドチューブをしっかりと密閉し、異物が届きにくいヘッドセットに改良されている。
下側のベアリングにはダブルリップシールを、上側のベアリングには大型でフィット感の高いシールが搭載された。上側ベアリングと同様に風雨、汗、路面からの飛沫、高圧洗浄に耐えうる性能を備えている。
あたりまえの防塵構造にも思えるが、いまだに他社のハイエンドバイクでもヘッドカバーまわりの防水防塵構造が甘い製品がある。エアロダイナミクスや軽量化もいいが、実際の運用や様々な環境を考慮したこの構造は、長期間使っていくうちに効果と恩恵を次第に実感するだろう。
セラミック製ハイブリッドベアリング
従来のスチールベアリングから、アウターがステンレスでボールがセラミックのハイブリッドヘッドベアリングにアップデートされた。より滑らかなステアリング操作が可能になっている。
ベアリング外周部分は硬度が高いステンレスであるため摩耗や衝撃にも強くなった。チタン製ベアリングシートやシーリングヘッドセットと合わせて堅牢性が増している。そればかりか、密閉度が高まったためベアリングの寿命が従来よりも伸びるという。
セラミックベアリング自体の耐久性も非常に高い。耐久性がどれほど向上したかをCANYONはラボ試験で定量化した。テスト装置では、汚れ、水、振動 の腐食性を組み合わせた最悪の条件で実験が行われた。
標準的なヘッドセットベアリングの場合、摩耗の著しい兆候を示すには2~3日かかるが、新型AEROADに導入されたセラミックベアリングは丸2週間、昼夜を問わず試験機を稼動させても摩耗の兆候が見られなかった。
その後、CANYONのテストラボのマネージャーから「もう、試験機の電源を切っていいか」どうか尋ねるほどだったという。2週間連続のベアリング耐久テスト結果は、試験開始時と同じように、何事もなかったかのようにスムーズに動いた。
ドイツ製 TX25ボルト
新型AEROADで使用するボルトはすべて、TX25(トルクス25)で統一された。AEROADの調整の際に工具の選定でもう悩まなくてよくなった。TX25のメリットは以下の通りだ。
- トルクが中心にかかる
- トルク伝達効率がよい
- 工具が抜けにくい
- 摩耗や割れが防止され耐久性が高い
一般的な六角はすべて直線でつながれており点で接触している。一方、トルクスは曲線で構成されているため、工具を穴に入れた際に工具とネジの接触が面で接触しトルクがより伝達できる。
さらに、面接触は分力が発生しないという点から、摩耗や割れといった応力集中もなくなるため、工具やネジの耐久性も上がる。ネジは締結している時間の方が締める時間よりも長いため、耐久性が良いというのは大きなメリットだ。
スルーアクスルレバー一体型非常用ビット
スルーアクスルレバーの先端がT25になった。ボルト類をT25に統一したためすべてのボルトを締め付けられるようになった。ユーザビリティに富んだアイデアであり、スルーアクスルの締め付けや、サドル後退幅、角度、ステアリング周り、ボトルケージの固定などすべて1本で行うことができる。
レバーを使用しない場合は、スルーアクスルに差し込んで保管しておく事ができる。しっかりと固定されるため、多少の振動で脱落する心配はない。
サドル角度専用ボルト
旧AEROADで難儀していたサドル角度の調整が大幅に楽になった。新型ではサドル角度を決める専用のスリットとボルトが追加されたため、容易にサドル角度が決められるようになった。サドル後退幅を調整する方法は、従来通り左右からウスを締めつけていく方式になっている。
2つのボルトに役割が分離されたため、サドルポジションを実現するための手間を省いてくれる。
着脱式FDハンガー
FDハンガーは着脱式に変更されている。
タイムトライアルや一部のSRAMコンポーネントではFDを外して空力性能を高める手法が行われている。FDハンガーは一体成型や、リベットで直接固定されている方法が主流だったが、リアディレイラーハンガーのように交換できるため利便性が高くなった。
マグネット式リアライト
シートポスト後部にゼッケンホルダーやライトを装着できるようになった。レースの日にはゼッケンプレートを、普段の練習ではライトを使用することができる。取り外しは特別な工具を使用せず、ワンタッチで取り外しができる。
マグネットが仕込まれているため、吸い付くように固定でき振動などでも異音が発生しにくい構造になっている。
純正ダイレクトマウントハンガー
プロレースの現場においてリアディレイラーを直接接続するダイレクトマウントハンガーが主流になった。AEROAD用はサードパーティー製のダイレクトマウントハンガーが存在していたが、新型AEROADでは純正のダイレクトマウントハンガーが標準付属している。
他社で採用が進むUDHは見送られたが、ロード用のディレイラーのラインナップがそもそも無いため、ロード用UDHは時期早々といえるだろう。純正で用意されたAEROAD用ダイレクトマウントハンガーの採用は、多くのユーザーに好意的に受け入れられるはずだ。
ジオメトリ
ラインナップ
完成車重量
- Aeroad CF SLX 7 Di2:7.91kg
- Aeroad CF SLX 7 AXS:8.06kg
- Aeroad CF SLX 8 Di2:7.45kg
- Aeroad CF SLX 8 AXS:7.86kg
- Aeroad CFR Di2:7.07kg
- Aeroad CFR AXS:7.15kg
価格
- Aeroad CF SLX 7 Di2:689,000円
- Aeroad CF SLX 7 AXS:599,000円
- Aeroad CF SLX 8 Di2:929,000円
- Aeroad CF SLX 8 AXS:999,000円
- Aeroad CFR Di2:1,429,000円
- Aeroad CFR AXS:1,499,000円
Aeroad 純正パーツ
Canyon PACE T-Barは、70/80/90/100/110/120/130/140のステム長から選べる。
STI幅 | ドロップ幅 | ドロップ | リーチ | フレア | |
エアロ | 350/375/400 | 420/445/470 | 105 | 95 | 19 |
Canyon Aeroad SP0078 Seat Postはセットバック0のシートポストだ。
エアロボトルも登場する。
まとめ:プロ機材として突き抜けた性能を。
新型AEROADは順当進化したエアロロードだ。1つで全てをまかなうわけではなく、純粋に空力性能を突き詰めた形だ。
改良の内容はプロ用機材として、プロレースに耐えうるためのアップデートに仕上がっている。それゆえ、明確にアマチュアやホビーを考慮していない尖ったプロ仕様であることがわかる。一般的な使用であれば、十分すぎるほどの性能を備えていることは明白だ。
注目されていた空力性能は、1.6ワットの改善と行きつくところまで行きついており、わずかな改良となった。AEROADが「完成」されたエアロロードバイクであることの裏返しでもある。
現代の空力や軽量化に偏重したバイクにおいて、長期間様々な過酷なコンディションで走るためのアップデートを行ったCANYONは高く評価されるべきだろう。空力性能や軽量性といった、サイクリストが好むこの性能以外にも手を入れ、完成から、完璧に近づいた。
ハンドルバーやステム長、角度の自由度は相変わらず低い。それでも、エアロドロップの追加によって、さらに空力性能が高められた。ポジション設定の自由度の低さを除けば、全方位的に死角のないバイクに仕上がっている。
次回は、実車を用いて前作から進化したポイントや、空力性能、重量、乗り心地などをまとめたインプレッションをお届けする。