今年1番心を動かされた書籍 デジタル・ミニマリスト〜本当に大切なことに集中する〜

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今年を振り返り、読んで心を動かされた本を1冊紹介する。ベストセラーではないし、感動モノではないし、怪しげな自己啓発書でもないし、最新の本でもない。ただ、読んでみて無駄な時間ではなかったと感じ有益だと思た本だ。もしもまだ読んでいなければ、年末年始の休みに読む本の候補として記憶に留める程度に覚えておいてほしい。

デジタル・デトックス

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SNSやスマホをいかにして手放すかここ数年常に考えてきた。様々な書籍を読み漁ったが本書が最も腑に落ちた良書だった。本書はテック界で断捨離を研究するコンピューター科学者カル・ニューポート氏がデジタル断捨離の思考法を紹介している。

本書はスマホやSNSから可処分時間や可処分精神をいかにして守るかを細かく解説している。そして「情報の見逃し」を怖れずに、ほんとうに大切なことに時間を費やすための思考法と実践法がまとめられている。小難しい話に感じてしまうかもしれないが、難しいことは書籍には書かれていない。

私は以前、以下にまとめたような「スマホ依存・ネット依存の自覚症状」があった。同じような経験をお持ちの方は一読する価値がある。

  • 一日に何度もSNSやゲームを開く(ほとんど無意識で)。
  • 家族や友達と過ごす時もSNSやスマホを触る。
  • 食事中、コンビニ、トイレ、布団や風呂に入るにもスマホを持っていく。
  • 自転車や自動車に乗っている時信号待ちでスマホを探してしまう。
  • SNSの反応が気になる。

この5つのうち1つでも該当していない人にとってみれば本書はタダのゴミだ。一切関係のない話だし読むだけ金と時間の無駄である。ただ、1つでも該当しているのならば自覚している症状から抜け出す手がかりになる。

この書籍を読むまで様々な本を読み、SNSやスマホを遠ざける取り組みを重ねてきた。「実態を表さない繋がり」で構成されたFacebookはつながりを最小限にしている。個別に連絡を取り、互いの住所を知っているような親しい友人とはLINEさえあればいい。

1つ1つ減らしていくことで可処分時間や可処分精神は確実に増えていく。家族と顔を合わせて話す時間、ふと考え事をする時間、本を読む時間、はたまたトレーニングをする時間は増えていく。

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本書に書かれていない事としてテレビの存在がある。スマホと合わせて時間を食いつぶす人生で最も無駄な存在だ。スマホはどちらかというと情報を能動的に獲得していく手法が取られるが、テレビは録画でもしない限り一方的に情報が送り込まれる最悪の時間消費マシーンである。

私は一人暮らしをして数年後にテレビを捨てた。結婚するまでテレビ(とエアコン)を持っていなかったが、無ければ無いでどうにでもなる。家族の理解にも寄ると思うが、我が家では録画した映像しかみない。

娘も小さな頃から刷り込まれており、録画してある「いないいないばあ」の15分が終わるとテレビの主電源(リモコンではなく本体)を自分で切りにいく。保育園に通い出した1歳6ヶ月頃には見終わったら自分でテレビを消していたから、やはり親としてどのようにデジタルデバイスに関わるかは、親の行動が子供にも影響しているのだと実感した。

どちらかといえば、職業柄私はデジタルデバイスをどのように活用するのかという事を考えなければならない。しかし、いつの間にか「使っていたと思っていたら、逆に操られていた」ということに徐々に気づいてきた。

また合わせて「子供からデジタルデバイスを遠ざける」のではなく「どのようにデジタルデバイスを使うのか」という情報リテラシー(自己の目的に適合するように情報を使用できる能力)をいかに身につけるかという事も教えられるようにならなければと考えていた。

この考えの根底には、この記事がある。

ジョブズは自分の子どもにiPadもiPhoneも触らせなかった(ニック・ビルトン) @gendai_biz
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Why Steve Jobs and Bill Gates Both Severely Limited Their Kids' Tech Use
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人(子)に教えるためにはまずは自分自身の「依存症」や「中毒症状」がどのような原因から生じているのかを理解する必要がある。本書を読めば、自覚すらしていない依存症に気づき脱出する手がかりを見つけられるはずだ。

美しい景色、旅行先で、友人、家族、子供の顔を見ずにスクリーンばかり眺める人生はもう今日で終わりにしよう。

デジタル・ミニマリスト: 本当に大切なことに集中する
カル・ニューポート(著), 長場 雄(イラスト), 佐々木 典士(その他), 池田 真紀子(翻訳)
早川書房 (2019-10-03T00:00:01Z)
5つ星のうち4.2
¥1,980
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