ロードバイクにおすすめの工具セット TONEトルクレンチTBS20 インプレッション

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ロードバイクのボルトを1度でも調整したことがあるのならば備えておきたい工具がトルクレンチのセットだ。トルクレンチは単体で購入すると高価な商品が多く、先端部分のビット(六角、プラス、マイナスなど)も複数本用意すると費用がかさむ。

そして、初めはどのビットを揃えればよいのかわかりにくいのが現状だ。トルクレンチとビット一式がセットになったトルクビットラチェットセットであればその悩みも解決してくれる。

トルクレンチは締め付け量を数値化してくれるため、ボルトの締め付けすぎによるねじ山の破損や緩みなどが簡単に確認できる。締め付ける感覚を手さぐりで行うのも良いが、その感覚は人によってバラバラだし、経験がないと締め付け過ぎなのか、締めなさすぎなのか判別することは非常に難しい。

今回の記事は、1938年(昭和13年)創業の日本の老舗工具メーカーTONE(トネ)の簡易タイプのビット差替え式トルクレンチセットを実際に購入しインプレッションした。カーボンパーツを使用したバイクメンテナンスに最適であり、狭い場所でも使い勝手が良い工具だ。

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トルクビットラチェットセット TBS20

TONEは日本で最初にソケットレンチの国内生産に成功したメーカーだ。1938年(昭和13年)にプロ向けの高級工具メーカーとして創立した。関東平野を貫流する利根川(とねがわ)にちなんで、人々のインフラとして行きわたる工具のイメージをなぞらえてTONEのブランドは誕生した。

様々な工具を展開する同社の製品の中で、ロードバイクのメンテナンスに適した工具のトルクビットラチェットセットTBS20がある。直読式で簡易タイプのビット差替え式トルクレンチセットでカーボンパーツを使用したロードバイクなどのメンテナンスに最適だ。

直読式簡易トルクレンチは21点のセットから構成されており、プラス、マイナス、六角、トルクスと主要規格が初めから一式セットになっている。

  • トルク範囲:2~10N・m
  • トルク精度:2~3N・m ±20%、3.5~6.5N・m ±15%、7~10N・m ±12%
  • ドライバービット(マイナス):0.8×5.5、1.0×6.0、1.2×8.0
  • ドライバービット(プラス):No.1、2、3
  • 六角ビット:二面幅4、5、6、8mm
  • トルクスビット:T15、T20、T25、T27、T30、T40
  • ビットアダプター:1/4″(6.35mmソケット用)

六角レンチはロードバイクの機材で最も使用頻度の高い4~6mmが揃っている。また、ワイヤー式リアディレイラーの調整でドライバービットが活躍する。トルクスビットが使われている機材は少ないが、いざというときのために十分なサイズが備わっている。

ケース自体も秀逸だ。各ビットの規格が記されており、どのビットを使用しているのかがひと目ですぐわかる。また、収納する場合も元に戻すだけでよいため紛失することもない。ケース自体も頑丈かつコンパクトで軽量だ。

使い方は簡単で、ソケットにビットを差し込んで使う。丸いレバー部分を指で押していくと、締め付けの強さに比例してトルク表示がされているダイアルが増えていく。ステムやシートポストといった10N/m以下の程度の締め込みであれば事足りるだろう。

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狭い隙間作業も得意

TONEのTBS20が優れているのはその薄さだ。ステムやシートポストを締める際はその恩恵をまったく感じないが、CANYONのAEROADのシートポストを締める際に工具の薄さが非常に役立つ。

AEROADのシートポストを締め付けるボルトは、シートチューブとタイヤとの間に配置されている。このボルトを締めるのが非常に厄介で、六角レンチのサイズでは入らない場合がある。そのためCANYONはシートポストのボルトを締めるためだけのレンチを用意しているほどだ。

TBS20を使うとタイヤとシートポストの間に入り込んでくれる。狭い隙間でも作業が行えるため非常に使い勝手が良い。薄さによってダイレクト感も増す。締め付け時に不安定にならないのも特徴だ。

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ラチェット式で作業スピードが向上

ラチェットレンチはホイールのハブと同じ仕組みだ。締まる方向(駆動方向)にストッパーが働き、逆に動かすとフリー状態になる。ラチェットレンチを使うとボルトの穴から工具を抜かずに、ビットを差し込んだまま何度でも締め付けることができる。

ステムのようなボルトが多い機材の場合、何度も締め込む作業が素早く行える。先程のAEROADのシートポスト用ボルトは締め付ける際の隙間が狭く、かつレンチの移動幅がほとんどとれない。この場合TBS20のラチェットレンチを使うと楽だ。

TBS20のラチェット量は細かいため、少しの移動量でラチェットが噛み合う。そのため、こまめに移動と締付けを繰り返すことで、普通のレンチを使用するよりも早く締め付ける事ができる。

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CANYONの付属工具にも互換

CANYONのバイクを購入するとTOPEAK製の簡易トルクレンチとビットが付属してくる。この付属ビットは全てTONE TBS20と互換があり、差し込むとすぐに使用することができる。

AEROADのシートポストを締め付ける際に付属の専用の薄い簡易トルクレンチを使うのだが使い勝手が悪かった。TONE TBS20のソケットレンチを使えばより簡単に、より正確に早くシートポストのボルトを締めることが可能になる。

CANYONのバイクをお持ちの方はTONE TBS20は非常におすすめだ。

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まとめ:ロードバイクの整備を確実簡単に

愛車のボルトを締めたり緩めたりした経験が1度でもあるのならばトルクレンチは必須だ。トルク範囲は2~10N・mと対応幅が少ないようにも思えるが、ステム、シートポスト、ディレイラー固定といった作業なら十分なトルク量だ。

また、オーバートルクにより大事なロードバイクを破壊してしまったり、ボルトをなめてしまったりする可能性も低くなる。機材にはたいてい指定トルクが記されているが、手で測るトルク管理はそもそも不確実であるため適正なトルクで締め付けることは不可能だ。

TONE TBS20のような工具を用いて締め付けることによって、機材を確実かつ安全に使用できるという安心感もある。

わたしは、スルーアクスルの締め付けもきちんと10N/mで行っている。実際に締め付けると「あれ、この程度で良いのか」と拍子抜けするほどの締め付け量だった。これまで手の感覚で締め付けてきたが、明らかに締め付けすぎだった。

締め付け過ぎは破損の原因にもなる。機材のダメージも少なからず発生する。TONE TBS20のような工具を1つ備えておけば、これから先も安全に自転車機材と付き合っていけるはずだ。

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