ピナレロの新型TTバイク「Bolide」がディスクブレーキ搭載で目撃された。使用していたのはTT世界王者のIneosのフィリッポ・ガンナだ。バイクはエアロパーツがふんだんに使用され、ディスクブレーキも初めて採用されている。
ピナレロの最新型タイムトライアルバイク「Bolide」は、昨年までリムブレーキモデルしか存在しなかった。今回ディスクブレーキ仕様となったが、ブレーキ以外の部分にもエアロダイナミクスの配慮を行っている。ヘッドチューブとダウンチューブは再設計され、新しいフォークとエアロエクステンションは、空気の流れを緩やかにする形状になっている可能性がある。
ディスクブレーキへの移行が、ハンドリングやエアロダイナミクスのために取られたものなのかは不明だが、TTバイクが生み出す高い開発コストと低い売上を考えると、ピナレロがリムブレーキモデルも生産するとは考えにくい。
興味深いのは、モストバーエクステンションが、ベースバーの細い部分から外側にカーブしていることだ。そして、前腕部をサポートの位置まで戻る形状を採用している。これは、膝に接触する前に空気の流れを乱すための配慮かもしれないが、快適性に良い影響を与える可能性も十分ありうる。
BolideのTTバイクでディスクブレーキを採用したのはこれが初めてだが、トライアスロンバージョンでは何年も前からディスクブレーキを採用している。IneosのCameron Wurfが複数のアイアンマンイベントでこのバイクを使用していた。
Bolide TTの最後のアップデートは2016年に行われた。ピナレロはウィギンズのアワーレコードから教訓を得て、2013年のオリジナルマシンよりもドラッグを減らすことに成功している。しかし、9年間のBolideバイクを振り返ってみても、全体的なデザインに大きな変化は見られていない。いわば完成された造形だ。
ピナレロがこの新しいバイクはこれまで以上に速いと言うことは間違いない。
エアロダイナミクスに焦点を当てると、ガンナのバイクはダウンチューブの輪郭が強調されているように見える。ボトルケージ上部の前にある膨らみは、おそらくボトル周りの移行を滑らかにするためにあるようだ。
ヘッドチューブは、かなり鋭いエッジから始まり、全深度にわたって細いままになっている。フォークの脚が大きく外側に反っているのは、ダウンチューブ周りの気流をきれいにするためか、あるいは整流するためだろう。
シートステーの角度からわかることは、ホイール上部よりかなり下の位置でダウンチューブに接続されているということだ。直角に曲がってシートチューブに接続されているかは不明だが、他のTTバイクでこのような方法をとっているものはいくつか存在している。
ホイールは相変わらずシマノサポートを受けながらもプリンストンカーボンワークスのマッハとリアにはBLUR633(おそらくGen2)を使用している。世界最速のホイールでマチューファンデルプールも昨年のツール・ド・フランスで使用する予定だったほどだ。
今のところ確認できるのはこれだけだ。ガンナは先日のクリテリウム・ドフィーヌのTTで旧型のBOLIDEに乗って優勝している。これから始まるツール・ド・フランスの第1ステージではこの新型マシンに乗り勝利するガンナが見られるはずだ。
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