「PINARELLO史上最速のバイク」としてBOLIDE F(ボライド・エフ)が発表された。ツール・ド・フランスのタイムトライアルにフィリッポ・ガンナがピナレロのカスタムペイントを施したこの “史上最速のバイク “で挑む。
ピナレロが「史上最速」と謳うこのバイクは、ツール・ド・スイスでテストされ話題になった。ガンナはイタリア国内のタイムトライアル選手権で優勝した際にこのバイクを使用している。
最新のDOGMA Fと合わせてBOLIDE Fと名付けられた新型バイクは3世代目にあたる。ブラッドリー・ウィギンズはBOLIDEのトラックバージョンを使用して、2015年にアワーレコードを更新した。
新型のBOLIDE Fはこれらの開発研究の土台の上に、最近の数値流体力学(CFD)を用いてエアロダイナミクスの大幅な改善を施した。開発にはクラウドコンピューティングが用いられ、フレーム表面を約5,000万セルの大規模メッシュに分割し、多数のシミュレーションを行ったという。
BOLIDE Fはエアロダイナミクスだけではなく、ハンドリングと転がり抵抗の改善も行われた。最大28mmのタイヤを装着できること、ディスクブレーキ専用設計だ。ただし、ディスクブレーキに変更したため従来のリムブレーキモデルと比べて1.4%の空力が悪化している。
しかし、シートチューブ、シートポスト、シートステー、チェーンステー、つまりフレーム全体の設計を見直すことで、ディスクブレーキシステムの空気抵抗の増加を相殺した。空力的に同等のバイクとライダーシステムを実現したことによって1.4%分を帳消しにしたという。
それでもバイクとライダーの空気抵抗の合計は、従来のリムブレーキBolideに比べるとまだわずかに劣ると公式に認めている。PINARELLO LABが7つの異なるヨー角と8つの異なるライダーポジションを研究した結果、Bolide Fは従来のBolide TTと比べて0.04%(0.0075N)以内のDrag差が生じることがわかった。
これらの0.04%をさらに埋めるために搭載されたのが新型ベースバーと3Dプリントエクステンションだ。
新しいベースバーとエクステンションを使用することによって、トータルのDragは2~3%改善される。時速50kmにおいて-15ºから+15ºの間の7つのヨー角の加重平均計算後の結果は、トータルDragを0.1%改善したという。
新しいヘッドセットは、ピナレロのTiCRシステム(Total Integrated Cable Routing)を導入し、ステムの厚みとトップチューブの厚みを減らし、エアロダイナミクスを改善している。
カスタムバーエクステンションは3Dプリントを使用している。エクステンションは、ライダーの前腕を最もエアロダイナミックな位置でスキャンし、チタンでカスタム3Dプリントすることで作成される。
重量に関しては170gの軽量化した。エアロダイナミクスを改善するには、一般的にチューブの表面積を増やす必要があるが、重量増とのトレードオフだ。しかし、CFDと風洞実験によって空力的に優れ軽量化が達成されている。
- BB剛性は17%向上
- ヘッドチューブ剛性は7%向上
- フォーク剛性は、前方/後方に12%、側方に5%向上
- カーボン東レM40X
- 非対称フレーム
- Bolide F TTオンダフォーク
- TiCR(トータルインテグレーテッドケーブルルーティング)
- 上部1.5、下部1/4ステアラー
- イタリアンスレッドBB
価格は未定だ。
¥1,650