【もしかして才能ある?】スポーツ遺伝子検査を受けてみた結果

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2018年に受けたスポーツ遺伝子検査の記事を再編集した内容でまとめた。あれから5年が経ち、トレーニング方法や、効率的なメニューの登場、そして年齢を重ねることによる生活の変化など、自分が取り巻く環境が激変した。

あらためて、遺伝子検査の結果内容を確認して、今後のトレーニングや、自分の得意不得意分野への取り組みを整理することにした。

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スポーツ遺伝子検査DNA EXERCISE

受けた遺伝子検査は、スポーツを行う際に重要な遺伝子を知ることができるスポーツ遺伝子検査DNA EXERCISEだ。本検査を受けることで、スポーツに関する重要な能力(持久力、瞬発力、etc…)を知ることができる。

このスポーツ遺伝子検査DNA EXERCISEで知ることのできる内容は以下の3点だ。

  • PPARGC1A遺伝子
  • ACTN3遺伝子
  • ACE遺伝子

それぞれの遺伝子の役割を次章からみていこう。

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PPARGC1A遺伝子

PPARGC1A遺伝子は、持久力に関係するミトコンドリアの生成に深く関係している。PGC-1aの活性が高いと、運動でミトコンドリアが増殖しやすい。

持久系の練習すればするほど、すぐに持久力が向上する人もいるし、対して練習してもすぐさま持久力の向上がみられず、ゆるやかに持久力を身につけていく人もいる。練習に対する、能力向上のリターンがすぐさま見込めるか、緩やかに伸びていくかの違いを左右している。

選手にとってミトコンドリアが増殖するとうれしいのは、運動するためのエネルギー産生量が高く保持されるので、長時間のマラソンのように多くのエネルギーを必要とする運動に適応しやすくなる。

この遺伝子のタイプの特徴は、以下の3つのタイプに分かれている。27%の人は非常に活性の高い(練習で持久力が伸びやすい)素質を備えている。

  • G/G型(1型):活性が高い:27%
  • G/S型(2型):活性が普通:50%
  • S/S型(3型):活性が低い:23%

 

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ACTN3遺伝子とは

ACTN3遺伝子は、運動を行う人であればだれもが気にする遺伝子の一つだ(事実私もこの遺伝子が備わっていることを最も期待していた)。ACTN3遺伝子は、私たちにとても馴染みのある「速筋」や「遅筋」の能力と関係している。

注目したいのは、速筋繊維にのみ存在している「a-アクニチン」がという物質だ。a-アクニチンが筋繊維にたくさん存在すると、瞬発力系種目により向いている。100mが速かったり、ダッシュの加速に優れていたり、自転車競技のハロンが速かったりする選手は、「a-アクニチン」が多く存在しているかもしれない。

このa-アクニチンの量の違いは、3つのタイプに分かれる(%は日本人中)。

  • R/R型(1型):a-アクニチンが最も多い(速筋が多い):19%
  • R/X型(2型):a-アクニチンが適度にある(速筋と遅筋が備わっている):50%
  • X/X型(3型):a-アクニチンが少ない・無い(遅筋が多い):27%

このように速筋、遅筋はa-アクニチンのさじ加減で決まっている。

筋トレで有名な東京大学の石井直方教授の書籍「究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり」を見ると、次のような一文がある。

「速筋を遅筋に変えていくことはできるが、遅筋を速筋に変えられない」すなわち、もともと速筋がない人・少ない人は、遅筋を速筋に変えることはできない。努力しても変えられない部分はやはり人間には存在しているのだ。

このACTN3遺伝子R/R型は、短距離選手にとても多いというデータがある。 日本経済新聞の「筋肉を作るスポーツ遺伝子トレーニングに生かす」にも記述がある。

また、トップのスピードスケート選手や短距離水泳種目の選手を対象に調査した結果、遅筋が多い「XXタイプ」の選手は一人もいなかったという研究結果もある。「スプリンターは生まれつきスプリンターである」と呼ばれるゆえんは、ACTN3遺伝子にあるのかもしれない。

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ACE遺伝子とは

ACE遺伝子は血液の供給量を調整する役割を担っている。血管を収縮させたり、拡張させたりする能力を担っている。運動時の疲れやすさにも関係しており、血管収縮能が高いと、瞬間的に血液を供給する事に優れている。

瞬発系の能力にはもちろん短時間で多くの血液を送り込む必要があるから、アスリートであれば血管収縮能力は高い方が良い。

  • I/I型(1型):血管拡張性能が高い:持久系向き、疲れにくい:40%
  • I/D型(2型):血管拡張性能は普通:普通:49%
  • D/D型(3型):血管収縮性能が高い:瞬発系向き、瞬間的に血液を供給:11%

現在でも、ACE遺伝子に関する研究は盛んに行われている。イギリスの研究グループが、山の無酸素登頂(標高7000m以上)に成功した人に対してACE遺伝子を調査したところ、D/D型の割合が非常に少なかった。そして、条件を厳しくした標高8000m以上の無酸素登頂成功者の中にD/D型は一人もいなかったという。

酸素が薄い登山の世界から話題を変え、スポーツについてもACE遺伝子に関する研究は進んでいる。ボート選手や陸上の長距離選手のACE遺伝子を調べた結果、上位の競技者は一般人と比べてI/I型の割合が高い傾向が得られている。

ただし、研究が進むにつれ異なる事例も多数出てきている。トップの競泳選手はD/D型の比率がとても高いという研究結果や、競技者と一般人の間でACE遺伝子の違いは見られない(差がない)、という研究結果も存在している。ACE遺伝子に関する研究は過渡期であり、まだまだ解明されていない部分も多い。

その点をふまえて、ざっくりとACE遺伝子のパターンについて見ていこう。I/I型は血管の拡張する性能が高い。土管が太いから、大量の血液を体に流すことができる。タバコを吸うと血管が収縮してしまい、細くなってしまう映像をTVで見たことがあるが、あれとはまったく逆のイメージだ。

対して、瞬間的に血液を供給する能力が高いのが3型だ。瞬発系の能力を支えてくれる能力といえるだろう。マーク・カヴェンディッシュなんてのは、R/R型(1型)のa-アクニチンが最も多い速筋繊維が備わったD/D型(3型)の血管収縮性能が高く、瞬間的に血液を送り出せる選手なのかもしれない。

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ハーセリーズスポーツ遺伝子検査

検査方法は至って簡単だ。

ハーセリーズが販売しているハーセリーズスポーツ遺伝子検査キットを買って、口の粘膜を採取して、最寄りのポストから指定の機関へ送りつけるだけだ。検査期間は2週間ほどに時間を要するが、とてもワクワクした気持つことができる。

わざわざ病院にも行かず、診察で長い時間待つ必要もなく、家に居ながらにして、簡単に遺伝子検査ができるのだから、この検査価格は安いと感じる(もちろん保険対象外)。

必要なのはわずかな検査料金と、口の粘膜を取るわずかな時間、そしてポストまで行く労力だけだ。その3点を我慢しさえすれば、あなた自身の遺伝子検査結果を簡単に受け取ることができる。

0歳で遺伝子検査を受けようが、80歳で受けようが検査内容はいつだって変わりはない。ワインのように時間が経って遺伝子検査結果が変化するものでもない。だから、一度思いきって検査を受けてしまえば、ずっと有効だ。

たとえばお子さんを検査して、得意なスポーツのジャンルを決める、なんて事も海外で実際にあるらしい。

では、私のスポーツ遺伝子検査結果はどうだったか。

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結果

正直なところを書き残しておく。

検査キット送ってから待っている間「めっちゃ才能あったらどうしよう」と、ポジティブに結果を待ち望んでいた。しかし、手元に届いたスポーツ遺伝子検査の結果は、私をひどく落胆させた。その結果を以下に記す。

  • X/X型(3型):a-アクニチンが”無い”らしいので瞬発系苦手(スプリント最弱)
  • S/S型(3型):運動しても持久力つきにくい(持久系には致命的)
  • D/D型(3型):瞬発力ないのに、瞬発力用の血管機能

私は、どこにでもいる平凡な人間で、そして全項目中、目立った能力もなかった(パターンとしては全部右側)。結果を知らせる紙に、申し訳ない程度に書かれた一文は、次のように記されていた。

ミトコンドリア増殖能は低いため、運動習慣をきちんと身につけることで運動が段々と楽に行えるようになるタイプ。

正直、つらい。

私は、心の何処かで、持久系の能力と、瞬発系の能力を併せ持つ才能を期待していた。どうやら、私には目立った能力を持ち合わせていないらしい。

少しの落胆と、どうしようもない遺伝子レベルで刻まれた、変えようのない事実と向き合いながら、壮大なオチがついたところで、本記事のまとめへと移ろう。

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まとめ:知らなかった遺伝子を知る意味

たとえ、この記事を読んで、あなたが検査を受け、望んだ才能の結果を知ることができなくとも、決してあきらめないでほしい。

私自身、身体的な能力に恵まれない下位に位置している。私は自分以外の、「才能のある70%の人」と戦わなくてはならない。ただ、そんな私でも地道に日々トレーニングを続けていくことで、ある一定の能力を向上させていく事はできるようだ。

スポーツ遺伝子検査の検査キットで、あなた自身の能力を簡単に知ることができる。その想像している能力は、私が経験したように期待にそぐわない内容かもしれないし、うれしい結果かもしれない。

本記事をここまで読み進めている読者と同じように、私も「自分の能力」を知りたかった。科学の進歩により、昔は病院で精密な検査を行わなくては判別できなかった事までわかるようになった。

本来知り得ない自分自身を知ることは、あなた自身の判断に託されている。自分自身に備わった変わらない能力なのだから、後にも先にも、今知っておいて損はないとおもう。

知らないよりは、知っていたほうが能力をさらに伸ばせる可能性だってある。逆に知らないまま、何かの可能性にかけることは、遠回りかもしれない。ただ、いくら才能が備わっていても、才能を開花させるための努力は必要だ。

その努力の方向性を定める羅針盤として遺伝子検査を使う事も、1つの手段なのである。

ハーセリーズスポーツ遺伝子検査は、自分も知らなかった遺伝子レベルでの能力を簡単に、そして残酷なまでに知ることができる。自分に備わった能力を知り、その能力をどのように受け止め、どのように活用するのか―――。

その道のりの第一歩は、あなた自身が、あなた自身を知ることから始まるのだ。

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