そうそう、チェーン落ちを防ぐチェーンキャッチャー(ガイド)は、このシンプルさだけでええんやで・・・。ウルフトゥースわかってる。
実戦投入してこれは良いと思ったのが、ウルフトゥースのローンウルフエアロチェーンガイド(以下、ローンウルフ)だ。ローンウルフの名の通り一匹狼、1x(フロントシングルギア)用のチェーンキャッチャーでシンプルかつ合理的な形状に仕上がっている。
昨シーズン、CX開幕戦からチェーン落ちに悩まされていた。今シーズンは、ローンウルフに変更してから1度もチェーン落ちしていない。エアロと名がついているものの、ロード、グラベル、CXでのチェーン落下を防いでくれる。重量もわずか30gで軽量なのも魅力だ。
ローンウルフの開発には、チーム・ジャンボ・ヴィスマが携わっており、同チームのバイクにもローンウルフが採用された。パリ~ルーベの石畳でチェーンの脱落を防ぎ、ジロ・デ・イタリアで優勝し、ツール・ド・フランスでも使用されている。
また、アンバウンド・グラベル2023の優勝バイクにも採用されており、様々なコンディションでローンウルフは実績を重ねている。
同社のグナーウルフとローンウルフは似ているが、チェーンの上部と内側だけをカバーする薄型ヘッドと、ガイドロック・クイック・アジャスト・システムだけを組み合わせたシンプルな構造になっている。
重量が30gのためフロントシングルのヒルクライムから、ロードではタイムトライアルなど空力的にも優れたチェーンガイドとして幅広く使用できる。
- フロントディレイラーハンガーを装備したバイクに対応
- 1xドライブトレイン専用
- 丸型または楕円型のチェーンリングに対応
- 3種類のベース・スイープ・オプションで、フレームに応じておおよそ38T~62Tのチェーンリング・サイズに対応。
- ガイドロック・クイック・アジャスト・システムにより、8mmのチェーンライン調整が可能。
1x専用設計の理由は、フロント・ディレイラーの代わりにチェーンキャッチャーがマウントを使用するためだ。ロードバイク、CXバイク、グラベルバイクの丸型、楕円型チェーンリングと組み合わせることができる。
調整可能な範囲には位置の指定があり、チェーンキャッチャーのヘッドがチェーンから2mm以内設定することでチェーンの脱落を防ぐことができる。そのため、3種類のベーススイープオプションが、38~62Tのチェーンリング径のに対応している。
- ロー・スイープ:38-52T
- ミッド・スイープ:52-58T
- ハイスイープ:54-62T
私はCXでロー・スイープを使用している。気に入ったので2つ購入した。ガイドロック・クイック・アジャスト・システムはチェーンラインの位置決めが8mm調整できる。なお、チェーンガイド部分は角度の変更ができない。
ボルトを中心にガイド部分をぐるりと回転させて角度が変えられるものだと思っていたが構造上はそうなっていなかった。チェーンガイド部分をチェーンから2mmほどの位置で調整して使用している。2mmという僅かな幅だが、バタつきの音などは全く気にならない。
同社のチェーンキャッチャーが優れているのは何も性能だけではない。アフターサービス、保守部品の入手のしやすさとメンテナンスのしやすさも群を抜いている。
ローンウルフの各パーツは、Wolf Toothの他のパーツと同様に個別に入手・交換可能だ。8つの部品は、ネジ1つから全て個別に購入することができる。クラッシュで何かが壊れても、チェーンキャッチャー全体を交換する必要がない。
影響を受けたパーツだけを交換することで、費用も節約することができる。他社の製品であればチェーンキャッチャーの部品1つだけを入手するなんて不可能だ。このようにアフターメンテナンスも簡単で、ショップに行かずとも自宅で簡単に交換や修理を行うことができる。取り付けと調整に必要な工具は4mmの六角レンチだけだ。
表彰台を争うライダーは、チェーンが脱落すると勝利を逃す能性があるため、30gは保険代と考えれば安いだろう。TTやフロントシングルユーザーは、ぜひローンウルフチェーンキャッチャーを試してみてほしい。