革命的。走行中に空気圧を上げ下げできるGRAVAAシステムが販売開始!

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Photo: GRAVAA

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記事の要約
GRAVAAシステムは走行中にタイヤ空気圧をリアルタイムに上げ下げできる。2021年初頭の発表後ついに販売が開始。GRAVAAが特徴的なのはリモート操作で、走行中であっても空気圧調整の調整ができるだけでなく、パンク時に空気圧を入れ続ける使い方もできる。GRAVAAはパリルーベの実際のコースを使用して、ついに「低圧は速い」事を証明する実験データーを公開した。それは、これまで難しかったインピーダンスロスのチューニングをより身近にするものになっている。最近話題になっているチームDSMが採用した、Roubaixの統合タイヤ圧管理システムのスコープATMOZとは別のシステム。

ついに、タイヤの空気圧調整最適化できるGRAVAAシステムの販売が開始された。GRAVAAシステムはハブに内蔵されたポンプと空気圧を測定するセンサーから最適な空気圧を割り出す装置だ。このハブが革命的なのは、走行中にタイヤの空気圧を上げ下げできるシステムを搭載していることだ。

2021年初頭に発表されたGRAVAAシステムはようやく販売されることになった。最近話題になっているチームDSMが採用した、Roubaixの統合タイヤ圧管理システムのスコープATMOZとは別のシステムになる。

これまで、当サイトでも低圧運用やインピーダンスロスとして「タイヤ空気圧を上げ過ぎると、転がり抵抗が増す」などの記事を紹介してきたが、そのチューニング方法が存在していなかった。GRAVAAシステムはインピーダンスロスを測定する画期的なシステムになる。

【なぜ?】タイヤ空気圧を上げ過ぎると、転がり抵抗が増す【実験結果あり】
はじめに 結論は「空気圧を上げすぎると抵抗が増してしまう」という事実だ。それ以上、それ以下でもない。 今回のタイヤ空気圧に関する記事が、どのように迎え入れられるかは正直わからない。何年か前に当ブログで紹介した「転がり抵抗を比較 23Cと25Cのタイヤは違うのか?」にも登場したローリングレジスタンスという考え方に、プラスアルファして「ローリングインピーダンス」という考え方が登場する。 少々難解ではあ...

今回の記事はGRAVAAのシステムに迫った。インピーダンスロスを測定できるばかりでなく、路面状況に応じてタイヤの空気圧を上げ下げできる革命的なシステムについて探った。

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GRAVAAの技術

Photo: GRAVAA

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GRAVAAシステムは、創設者のゲルティアン・ファン・ギンデレン氏の「なぜ、走行中にタイヤの空気圧を上げ下げできないのか?」という疑問から始まった。この問からスタートしたGRAVAAシステムは、開発が進む中で以下の目標を掲げた。

  • 走行中に圧力を調整できること:走行中に圧力調整(上昇・下降)が可能なシステムであること。
  • 永続的であること:空気圧の増加・減少が無限大であること。
  • 人力駆動であること:電気モーターを搭載せず、人力で駆動すること。
  • 軽量であること:一般的なハイエンドホイールと比較して、追加重量が非常に小さいこと。
  • 見えないこと:ホイールの外観は、標準的な高級ホイールと同様でなければならない。システム全体は、直径70mm以下のホイールの中心であるハブの中に安全に収まっていること。
  • プラグアンドプレイ:標準的なホイールに取り付けられるシステムであること。また、システムのインストール、設定、使用が容易でなければならない。
  • エネルギー的利点:このシステムはエネルギー的な利点をもたらすものでなければならない。

GRAVAA社が行なった市場調査の結果、上記の要件をすべて満たすようなタイヤ空気圧管理が行える同様のシステムはこの世に存在していなかった。そこでGRAVAAは高度な技術と経験を持つエンジニアのチームを結成し、オランダのアイントホーフェンで開発を開始した。

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最終的に完成したのは、前後のホイールのハブ内に装着された空気圧デバイスだ。タイヤの空気圧は、ハンドルに取り付けられたワイヤレスコントロールユニットを介して制御されハブと通信する仕組みだ。

完成したGRAVAAには以下の特徴がある。

  • 小型往復動メンブランポンプ:エネルギー効率が高く小型化されたポンプのシリンダーはカムシャフトによって動かされ、そのカムシャフトは車輪の回転によって駆動される。ポンプはGRAVAAシステムの心臓部だ。
  • 空気圧式クラッチ:タイヤの空気注入に必要なエネルギー量をさらに抑えるために、ポンプは空気圧クラッチユニットによって自動的にオン/オフされる。このクラッチは空気膜で作動し、タイヤ内の圧力もクラッチを作動させるのに利用される。
  • ブースターバルブ:GRAVAAシステムには多くの小型部品が含まれている。空気の流れは狭い部品の間を通過しなければならず、空気の流れが制限される。そこで、空気圧で作動するブースターバルブを使用し、空気の通り道を大きくすることで、システムの応答性を高めている。
  • 超低消費電力エレクトロニクス:システム全体は人力によって駆動するが、超低消費電力のエレクトロニクスによって、システムとの通信やシステムの制御を可能にしている。ハードウェアとソフトウェアのデザインは、すべて機能と低消費電力に最適化している。また、各ハブには充電池を内蔵しており、USB充電器で充電することができる。
  • ワイヤレスコントロール:前後ホイール、スマートフォン、サイクルコンピューター、ボタンユニット間の通信には、Bluetooth low energyとANT+のプロトコルを使用。
  • ボタンユニット:風量調節のために、ヒューマンマシンインターフェースの設計に注力している。その結果、専用のボタンユニットが生まれ、人間工学に基づきハンドルバーに設置することができるようになった。上下に押すことで、システムはライダーのコマンドに直接反応する。
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GRAVAAでどれほど抵抗を下げられるか

Photo: GRAVAA

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理想的なタイヤ空気圧の選択は繰り返し議論されてきたが、GRAVAAホイールを用いることによって、そんな時代に終わりを告げる。

では、「最適なタイヤ空気圧」とはいったいどのような状態なのだろうか。最適なタイヤ空気圧については、様々な研究機関によって研究が行われている。最も有名なのが、SILCA研究所のインピーダンスロスの実験だ。

【なぜ?】タイヤ空気圧を上げ過ぎると、転がり抵抗が増す【実験結果あり】
はじめに 結論は「空気圧を上げすぎると抵抗が増してしまう」という事実だ。それ以上、それ以下でもない。 今回のタイヤ空気圧に関する記事が、どのように迎え入れられるかは正直わからない。何年か前に当ブログで紹介した「転がり抵抗を比較 23Cと25Cのタイヤは違うのか?」にも登場したローリングレジスタンスという考え方に、プラスアルファして「ローリングインピーダンス」という考え方が登場する。 少々難解ではあ...

しかし、理論上はその特性を把握しているもののコースや路面、タイヤの種類、バイクの種類、環境条件、個人の嗜好、研究手法などが多岐にわたるため、一概に結論を出すことはできていない。

石畳や小道、砂地のような平滑でない路面では、振動や(ライダーやバイクによる)減衰、トラクションの維持(地面との接触を保つ)など、他の効果がより重要な要素を締めている。

しかし、実験室のドラム上のテストでは、一般的にこれらの効果は考慮されていない。結局のところ、タイヤ圧の選択には個人の好み(特にバイク、体重、ライディングスタイル)があり、快適性を重視する場合と、最適なスピードを重視する場合とがあるからだ。

GRAVAAは、路面の違いによるタイヤ空気圧の影響について調査を行った。その結果は、「空気圧を下げたほうが速く走れる」ということだった。

実験条件

グラベルバイクに対して以下の設定を行なった。

  • Gravaa GX-30 wheels
  • Challenge Grifo Pro 29×1.30” (33-622) tyres,
  • Favero Assioma DUO Power Meter
  • Garmin Edge 830
  • 石畳(500m)、舗装路(1400m)、砂地(1000m)の3セクションを両方向に走破。
  • 複数のテスト日、すべて穏やかな天候。
  • テストライダー75kg

テストでは、経過時間、距離、スピード、パワー、そしてもちろんフロントタイヤとリアタイヤのタイヤ空気圧を測定した。例えば3.5barの場合、フロントは3.5bar、リアは3.7barということになる。

結果

ベンチマークとして、平滑な舗装路で風向きの影響を無視した双方向の走行による反復テストが行われた。テストは異なる速度で、タイヤ空気圧は3.5barで行われた。このデータから、空気抵抗に関する情報を収集し、さらなる測定からこの影響を切り離した。

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さらに、舗装路ではタイヤの空気圧を下げた(2.5barと1.5barもテスト)。すべてのテストは、再び同じ区間で複数回繰り返された。前回と同条件で両方の方法で乗車している。そして、そこから空気抵抗を差し引き、転がり抵抗を算出した。

明らかに、いくつかの違いが観察された。例えば、Challenge Grifo Pro 29×1.30インチタイヤを装着し、今回のテストセットアップで時速25kmで走行した場合、3.5バールのタイヤ空気圧と比較して12W多く(合計)かかることがわかった。

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平滑でない路面では、タイヤの減衰力(結果としてトラクションの維持)が大きな役割を果たすため、タイヤ空気圧が消費電力に与える影響はより大きくなると予想される。その結果、ある限界まで空気圧を下げると、(平滑な路面とは対照的に)抵抗が少なくなる。

そこで、石畳の荒れた路面と砂地の路面が選ばれた。これらの路面では、速度とタイヤ空気圧を変えて両方向に走った。下表は、時速25kmでの結果をまとめたものである。

  • 石畳では、3.5barから2.0barに下げると、32Wの効果が得られる。
  • 砂地では、2.5barから1.1barに下げると、49Wの効果が得られる。

この結果は、あくまでも使用した試験条件下で有効であることに留意する必要があるが、タイヤ空気圧の影響が大きいことは明らかだ。

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パリ・ルーベでタイヤ空気圧調整

KAPSテクノロジーでは、路面に合わせて乗車しながらタイヤの空気圧を調整できるため、GRAVAAホイールは転がり抵抗に対するタイヤの空気圧の影響をさらに定量化することができる。

タイヤ空気圧が重要な役割を果たす代表的なレースのひとつが、パリ〜ルーベだ。250kmを超えるこのレースで、選手は50km以上の石畳を走らなければならない。今回、2名のテストライダーは、このレースで最もひどい石畳のひとつであるパヴェ・カンフィン・アン・ペヴェール(全長1.8km)を繰り返し走った。

この区間はカルフール・ド・ラルブルの直前で、勝負の分かれ目となることが多い。石畳のほか、普通の舗装路も走って、タイヤの空気圧の影響を調査した。

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テストでは、デュアルパワーメーターのペダル、速度はGPSで計測した。転がり抵抗は、総合的なパワー測定値と空気抵抗の差から計算した。空気抵抗は、先に行われたテストによって決定している。

テストでは、2人のライダーが一定の速度で、設定したタイヤ空気圧で、ラップごとに変化する周回を繰り返し走行した。以下は、タイヤ空気圧を4.5barに設定した場合のテストデータの一例だ。トータルパワーとスピードは、経過時間の関数として表示されている。

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すべてのデータから、タイヤ空気圧が高くなると石畳での転がり抵抗が大幅に増加することが判明した。石畳の転がり抵抗に最適な空気圧は、テストによって明らかになった。逆に、転がり抵抗だけを考えると、平坦な舗装路ではタイヤ空気圧を高くすることが最適になる。

石畳のセクションは、タイヤ圧が高いほどハンドリングが難しくなる。プロライダーはタイヤ圧を4〜5bar程度に設定し、舗装路と石畳の間で妥協点を見出すはずだ。

下の表は、石畳と舗装路での転がり抵抗の測定値だ。これらのデータは空気抵抗を除いている。

Photo:GRAVAA

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石畳の区間に入るときの転がり抵抗は非常に大きい。転がり抵抗が突然、パワーロス要因として支配的になる。例えば、高速走行時(時速35km以上)には、その速度を維持するために石畳と舗装路の差は簡単に150W(!)を超えてしまう結果が得られた。

パリ〜ルーベでタイヤ空気圧を4.5barに固定した場合、石畳区間で最適な(低い)タイヤ空気圧と比較して、エリート女子で30W以上、エリート男子で50W以上の差が生じる可能性がある(体重と走行速度に依存)。

舗装路ではそれほど影響はないが、それでもなおこの差は存在し続ける。パリ〜ルーベの全コースを想定した場合、KAPSテクノロジーは、走行中にタイヤ圧を路面に合わせて調整するだけで、全体で約20W、ピークでは約60Wのパワーアドバンテージを得ることができる。

60Wのアドバンテージは、最も難しい石畳のセクションで真価を発揮するはずだ。その上、バイクのハンドリングが良くなり、グリップ力が増し、快適性が向上し、事故(パンク、転倒)が減るという恩恵もある。

これは、ハブ1個あたり250グラムの重量ペナルティと、ハブ内のポンプが作動しているときの(膨張時のみの)比較的小さな電力消費を簡単に補うことができる。

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GRAVAAで何が得られるのか?

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GRAVAAで完全な答えを出せるわけではない。そして、この分野の研究も完全ではない。しかし、ここまでの結果は明確な効果を示している。以下では、GRAVAAホイールのパワーロスとパワーゲインを比較している。

スイッチを入れて時速25kmで走行する場合、各ポンプに約4Wを供給する必要がある。つまり、両タイヤに空気を入れるだけで、合計8Wの電力損失となる。空気を入れるためにシステムを使用しない限り、KAPS内部での電力損失はない。また、空気を抜くことにも何のコストもかからない。

ここまでのテスト結果からは、大きな違いがある。平滑な路面では10W程度(タイヤの種類、速度、重量などによって異なる)だが、石畳の道や砂地など、平滑でない路面では50W程度まで上昇する。

ポンプをオンにすることによる一時的な電力損失は、適正なタイヤ空気圧による電力節約によって簡単に補うことができる。そのため、平坦でない路面を高い空気圧で走行すると、比較的多くのエネルギーが消費される。

そのような場合、GRAVAAホイールは数秒のうちにタイヤの空気を抜くことができる。平坦な路面では、タイヤの空気を再び入れるのに少し時間がかかるが(一般的にはこれも数分以内に実行)、平坦な路面ではエネルギーの節約も少なくなる。

このように、タイヤ空気圧は様々な要因や走行するコースによって異なるが、歴史上初めてライディング中にタイヤ空気圧を自由に調整できるようになった。

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Kinetic Air Pressure System:KAPS

Photo: GRAVAA

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GRAVAAは複数のシステムから構成されており、総称してKinetic Air Pressure System(KAPS)と呼んでいる。KAPSには以下の特徴がある。

  • Kinetic:ライダーの運動によって、ハブに内蔵されたポンプが車輪の回転で動作する。ポンプを動かしているのはライダーだ。
  • Air:当然、タイヤの中にあるもの
  • Pressure:制御できるようになったパラメータ
  • System:車輪のハブの中に覆われた完全なメカトロニクスデバイス

KAPSシステムにより、ライダーは以下の体験をすることが可能になる。

  • 走行中のタイヤ空気圧を調整し、空気を入れたり抜いたりすることができる。
  • タイヤ空気圧を一定に保つ。
  • 実際のタイヤ空気圧を表示します。
  • パンクの可能性を低くする。
  • 過度の摩耗から保護しパンク時の空気漏れを補う。

次章からは、KAPSシステムの特徴についてさらに詳しく掘り下げていく。

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GRAVAAの主要構成

Photo: GRAVAA

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GRAVAAを構成する主要なデバイスは以下の7つだ。

  • ミニチュアポンプ
  • リモートスイッチ
  • リモートディスプレイ
  • スマートフォンアプリ

特徴的なのは、ハブ内に仕込まれたポンプだ。GRAVAAのシステムの心臓部ともいうべきポンプは非常に小さく、非常に高性能で、コーヒーカップの中に収まるほどだ。3つのシリンダーで構成され、フィルターでろ過された外気を常圧から高圧まで圧縮する。

ポンプ本体はハブに取り付けられており、論理的には車輪と一緒に回転する。タイヤに空気を入れる指令があると、クラッチが作動してポンプ内部のカムシャフトを停止させる。その後、車輪の回転によってシリンダー内のピストンが上下し、圧力が発生するという仕組みだ。

そして、ミニチュア逆止弁により、加圧された空気が直接タイヤに流れ込む。そのため、走行中のタイヤ空気圧を無段階に調整することが可能だ。

空気圧を上げるもしくは下げる方法としては、主に3つの要素で決定される。

  • 移動速度:ポンプ内のピストンは、速度が速いほど上下に動くため、速くポンピングすることになる。
  • タイヤの種類:特にタイヤ内の容積が空気流入速度に影響する。どのホイールセットもポンプの容量は同じだが、グラベルバイクのタイヤはその容積のため、一般的にマウンテンバイクのタイヤよりもはるかに速く(2~3倍)空気を入れることができる。ポンプはマウンテンバイクとグラベルバイクの両方のタイヤでスムーズに作動するように設計されている。
  • 空気圧レベル:タイヤの空気圧が高くなると、熱力学的損失(例えば発熱など)の理由から、より空気を圧縮するために低い空気圧レベルよりも少し多くのエネルギーを必要とする。よって、空気注入の速度がわずかに低下する。しかし、その設計により、タイヤ圧の全範囲で高い効率を維持できる。

空気圧の管理は、リモートスイッチで操作する。

Photo: GRAVAA

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走行中に親指を動かすだけで、タイヤの空気圧を管理することができる。これは、ハンドルに装着したワイヤレスコントロールユニットを用いて、どんな状況でも簡単にコントロールできる。

また、LEDの点滅で基本的なユーザーフィードバックが得られる。ワイヤレスコントロールユニットはシステムに標準装備されている。

空気圧の表示は、標準的なサイクルコンピューターで、標準的なデータフィールドを使って前輪と後輪のタイヤ空気圧を表示するオプションを提供している。

また、スマートフォンのGRAVAAアプリでもタイヤ空気圧を表示することができる。このモバイルアプリは、Google Play StoreとApple App Storeでダウンロードできるようになる予定だ。スマートフォンのGRAVAAアプリを使うことで、以下のことが可能になる。

  • ホイールへのすべてのワイヤレス接続を設定し管理。
  • システム設定のカスタマイズ。
  • 固定増分モード:空気圧プロファイル(プリセットモード)の切り替え。
  • リアタイヤのオフセット圧(フロントタイヤとの比較)を選択。

GRAVAAはリモートスイッチを用いた空気圧調整ができるだけでなく、スマートフォンから前後のタイヤ空気圧を管理することができる。

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ホイールセットは2種類

GRAVAA XC-28

GRAVAA XC-28

GRAVAA GX-30

GRAVAA GX-30

GRAVAAホイールセットはグラベルモデルのGX-30とMTBクロスカントリー用のXC-28の2種類だ。

モデル名 GRAVAA GX-30
Bike touring, Gravel riding
GRAVAA XC-28
MTB XC riding
ホイールサイズ 29″(622) 29″(622)
ブレーキタイプ Disc brake only Disc brake only
重量 1970 g (non-boost) 1990 g (boost)
リムタイプ Carbon, TLR Carbon, TLR
リム素材 Carbon Carbon
リムハイト 30 mm 28 mm
リム内幅 25 mm 25 mm, 30 mm, I will specify this later
タイヤタイプ Clincher – Tubeless ready Clincher – Tubeless ready
チューブレスレディ Yes* Yes*
チューブラーバージョン NO NO
ハブタイプ Boost (110 mm front, 148 mm rear), Non-boost (100 mm front, 142 mm rear) Boost (110 mm front, 148 mm rear)
最大システム重量 110 kg (rider + bike) 110 kg (rider + bike)
ANT+ Yes  Yes
BLUETOOTH  Yes  Yes
DISC BRAKE ROTOR FRONT 140 mm disc, 160 mm disc, 180 mm disc, I will specify this later 140 mm disc, 160 mm disc, 180 mm disc, I will specify this later
DISC BRAKE ROTOR REAR 140mm disc, 160mm disc, 180 mm disc, I will specify this later 140mm disc, 160mm disc, 180 mm disc, I will specify this later
スポーク本数 28 28
スポークオフセット 2.5 mm 2.5 mm
スポークタイプ DT Swiss Competition Race (1.6 mm) DT Swiss Competition Race (1.6 mm)
スポークニップルタイプ DT Swiss Pro Lock 2.0 mm (aluminum) DT Swiss Pro Lock 2.0 mm (aluminum)
フリーハブボディシステム 6 – pawl freehub system, for fast engagement 6 – pawl freehub system, for fast engagement
フリーハブボディ Campagnolo N3W 13 speed, M-body (Shimano/SRAM 9-10-11 sp, Campagnolo 10-11-12 sp), Shimano Microspline 12 speed, SRAM XD/XDR, I will specify this later Campagnolo N3W 13 speed, M-body (Shimano/SRAM 9-10-11 sp, Campagnolo 10-11-12 sp), Shimano Microspline 12 speed, SRAM XD/XDR, I will specify this later
Tタイヤスペック 29×2.25″ tyre (57-622) 29×1.50″ tyre (40-622)
空気注入方法 While riding While riding
空気減圧方法 During standstill, While riding During standstill, While riding
タイヤ空気圧動作範囲 0.5 – 6.0 bar 0.5 – 6.0 bar
平均注入率 200-250 mbar/min at 25 km/h 400-450 mbar/min at 25 km/h
平均減圧率 >100 mbar/s >200 mbar/s
空気注入時の平均消費電力 2 – 4.5 W at 25 km/h, between 1 and 6 bar (per wheel) 2 – 4.5 W at 25 km/h, between 1 and 6 bar (per wheel)
空気減圧時の平均消費電力 0 W 0 W
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まとめ:タイヤ空気圧の革命になるか

Photo: GRAVAA

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GRAVAAは空気圧調整をリアルタイムで行える数少ないシステムだ。チームDSMが採用した、Roubaixの統合タイヤ圧管理システムのスコープATMOZとは別のシステムになるが、今後も同様の製品は増えてくるだろう。

GRAVAAはプレオーダーを開始しており、その価格は35万円だ。空気圧調整に35万円を投資するのが合理的なのかはサイクリストそれぞれの考え方によるだろう。QUARQのTireWizも同様に空気圧を測定できる数少ないデバイスであるが、自動的には調整できない。

GRAVAAはインピーダンスロスの測定をする際に非常に重要な測定器になることは間違いない。GRAVAAやスコープATMOZの登場によって、より正確なタイヤ空気圧チューニングが一般的になっていくのだろう。

「低圧は速い」それが当たり前になる時代はすぐそこまできている。

https://www.gravaa.com/en/product/gx-30/

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