CR2032ってどんな電池?主要メーカ7社の比較まとめ

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「ボタン電池」という電池を知っているだろうか(知っとるわ!)。様々な電子機器で使用されている電池である。正式名称はCR2032というコイン型リチウムイオン電池である。今回は一見同じようにみえるCR2032について各社メーカーの性能比較を行い、一番性能が高いCR2032を探し出す。

電子機器は電池を入れないと動かない。そしてひとたび電池切れをしようものなら、命の源を失ったかのように停止する。この記事は、CR2032を使っている全てのユーザー、そしてかならず訪れるであろう交換対応する際に気をつけるべき情報を備忘録として記す。

まずは、CR2032という電池の「特性」について見ていこう。

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CR2032という電池について

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「CR2032」は国際電気標準会議 (IEC) が定めた電池の規格である。CR2032とは一次電池に関する規格IEC 60086で定められた規格名称だ。と、言うととっつきにくいかもしれない。頭文字のCはA、B、C….と順番に様々な種類や規格に別れている。Aは空気電池、Bはフッ化黒鉛リチウム電池、そしてCは二酸化マンガンリチウム電池(CR20xxなど)である。

CR20xxの”xx”にした意味は20mmなのでCR20だ。Rは円形(round)を示している。あわせてC(二酸化マンガンリチウム電池)R(円形)20mmで、CR2032である。CR2032の公証電圧は3.0Vだ。もう一度言おう、「公証電圧は3.0V」である。

だから新品かつ、きちんと管理されている電池であれば、測定器に3.0Vと表示される。もし新品の電池を入れて3.0V付近を示さなければ粗悪品か、ノーブランドの低品質のもの、もしくは管理状態が悪い場合がある。

新品の電池を使っていきなり公証電圧より大幅に低い場合、詳細に分析せずして電圧が低い原因について判断できない。しかし大体の場合、高温下においてあったり時間がたっていたり、ジャンク屋のように一つの袋に電池と電池が接触しあいジャラジャラ入れてある、そんなことが考えられる。

CR2032の仕様

電池は、原理や単位が簡単で理解しやすい。だから覚えておいて損はない。CR2032に関する正しい知識と、ここまで紹介した知識さえあれば、”なぜCR2032が3.0Vなのか”が既に理解できているはずだ。ひとまずCR2032についてまとめておこう。

次は各社のCR2032比較と「どれだけスタミナあるのか?」を示す放電終了電圧について考察していく。

CR2032についてのここまでのまとめは以下のとおりである。

  1. 国際電気標準会議 (IEC) が定めた一次電池
  2. C(二酸化マンガンリチウム電池)
  3. R(円形)
  4. 20(R=20mm)
  5. 32(H=3.2mm)

CR2032の各メーカ比較データ

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では本題に入っていく。実際に各社のCR2032の放電特性を参考に、電子機器に一番適したCR2032の製造メーカー各社比較見ていこう。まず、CR2032の放電終了電圧は2Vだ。

しかし実際に測定器を使ってみて、断言できることがある。「電圧2.4-2.5V」のあたりで電池交換を強くお勧めしたい。これはCR2032の放電特性を考えても、2.3V程を境に急激に電圧低下し、リチウムイオン電池の特性上、放電終了電圧2Vまで急降下する。

放電特性という言葉が出てきたので少し補足したい。まずはなじみのある懐中電灯を例にして、電池の電圧について考えていこう。

電池の放電特性とは

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懐中電灯を使っていると、いつの間にかその明かりが弱よわしくなっていく。なぜなのだろうか。「電池が少なくなってきたから」と小学生でも解答できる。厳密には”電池の電圧が低下した”と、言えれば適切である。したがって電池は使っていくと、どんどん電圧が下がっていく。

この電圧が使用する時間と共に変化していく様を”放電曲線”とよんでいる。先ほど紹介した「公証電圧」の話がここで出てくる。そもそも電池で電圧を供給する仕組みは、「プラス極(正極)」と「マイナス極(負極)」の材料が反応することから生み出される。

プラス極とマイナス極が反応している間は「公証電圧」が供給される。厳密にはずっと一定の公証電圧がかかるわけではない。電池それぞれの理想曲線に近似し、使用時間と共に電圧がCR2032の場合は3Vから徐々に減っていくのだ。

CR2032は正極に「二酸化マンガン」と負極に「リチウム」を用いている。それら2つの反応をやり尽くしたあとに、結果として懐中電灯の明かりは消えてしまうのだ。リチウムイオン電池の特徴として電圧は徐々に減ってはいくものの、ある一定レベルを保ったまま”粘り強く”電圧を維持する特徴がある。

しかしその寿命を終えるときは、線香花火のように”ボトン”と、ある境で電圧が落ちる。特にリチウムイオン電池は、アルカリやマンガンといった乾電池に比べて平坦な放電曲線を示す。従ってアルカリやマンガン缶電池と比べ放電特性に優れた電池といえる。

ここまでのCR2032の仕様まとめは以下のとおり。

  • 正極:二酸化マンガン
  • 電解質:有機
  • 負極:リチウム
  • 公称電圧:3V
  • 終止電圧:2.0V

リチウムイオン電池は粘り強く電圧を維持し、散るときは潔く散る。そんな特徴を持つ電池だ。

良い電池の定義

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良い電池の条件とはなんだろうか、すこし基本的なことを考えてみたい。電池が無くなっていくという事を考えると、”電池を使っていく=放電”しているといいかえられる。この際、放電すればするほど増加するものがある。

それは内部抵抗だ。内部抵抗は放電の邪魔をする。それが徐々に増えるため、引きづられて電圧は徐々に下がっていく。したがって、各メーカーは内部抵抗を小さくする為に様々な工夫と技術を用いている。

いわば電池の寿命を終えるその直前まで一定の電圧を保つ電池は、メーカーの工夫と技術が凝らされた違いが出るポイントと言える。内部抵抗が小さい電池は持ちが良く「良い電池」といえる。

電池を長時間使えるということすなわち、正極と負極の反応を効率良く機器を作動させることができ、厳密には”放電特性の優れた効率の良い電池”と言える。

ここまでで、電圧の話やリチウムイオン電池の特性が理解できた。次は各メーカーの「内部抵抗を小さくする為に努力」の結果についてみていきたい。内部抵抗の良し悪しで放電特性が異なる。

そこで大阪のヨドバシカメラで扱っている(4/3現在)主要3メーカーを比較する。

各メーカーの放電特性

各メーカーのCR2032の仕様は国際電気標準会議 (IEC) が定めた一次電池に関する規格のとおり共通である。しかし一部異なる点がある。

CR2032各社共通仕様

  • 公証電圧(V):3
  • 標準容量(mAh):220
  • 標準放電電流(mA):0.2

上記仕様は各社共通である。しかし”動作温度範囲”は各社異なる。主要三社の動作温度範囲を確認する。

  • 日立マクセル:-20~+85
  • パナソニック:-30~+60
  • ソニー:-30~+60

上記のとおりその動作温度範囲に差がある。日立マクセルは他と比べ高温でも動作し、パナソニックは低温でも動作するようだ。ソニーはなぜか表記がない。次は各社の放電温度特性を見ていく。

なお我々パワーメータユーザが使用するであろう気温20℃付近を見ていく。

日立マクセルの放電温度特性

日立マクセルCR2032の放電温度特性は以下のとおりだ。

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参照元: http://biz.maxell.com/files_etc/9/cr/ja/CR2032_DataSheet_12j.pdf

パナソニックの放電温度特性

パナソニックCR2032の放電温度特性は以下のとおりだ。

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参照元: http://industrial.panasonic.com/www-data/pdf2/AAA4000/AAA4000CJ68.pdf

ソニーの放電温度特性

ソニーCR2032の放電温度特性は以下のとおりだ。

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参照元: www.sony.co.jp/Products/MicroBattery/cr/pdf/cr2032.pdf

どうもソニーやパナソニックのグラフが、グラフっぽくない。私の個人的な主観が入っているが、”綺麗過ぎる”グラフだ。マクセルのように、”いびつなゆらぎ”があるグラフの方が私はグラフとして好きだ。

個人的に綺麗すぎるデーターやグラフはあまり好きではないらしい。しかし実際にデーターとしてそのように出ているので、事実としてそうなのだろう。実際にここまで3社の放電温度特性についてのデーターがそろった。

CR2032の各社比較検証結果

実際に放電特性からは、どれが長持ちするのかその良し悪しがわからない。実際に探してみると、2chの電池スレ(参照元:http://ch.i.cmaas.net/kaden/battery/1294471020/)に実験結果が掲載されていた。非常に面白いデーターだったので紹介する。

比較対象:

  1. Panasonic CR2032 01-2018 インドネシア製 (水銀0)
  2. maxell CR2032H 12-2017 日本製 (水銀0)
  3. Fujitsu CR2032 02-2018 インドネシア製
  4. SONY CR2032 01-2018 インドネシア製 (水銀0)
  5. TOSHIBA CR2032 11-2017 インドネシア製
  6. MITSUBISHI CR2032 11-2017 日本製
  7. GP CR2032 **-2022 中国製

1.0mA定電流連続(小電流連続)

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持続時間: Panasonic>maxell>TOSHIBA>MITSUBISHI>GP>SONY>Fujitsu

CR2032は温度変化に対する電圧変動が大きい。各社データシートにはこの温度特性について記している。

3.0mA定電流連続(中電流連続)

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持続時間: Panasonic>MITSUBISHI>GP>maxell>TOSHIBA>Fujitsu>SONY

10mA定電流連続(大電流連続)

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持続時間: GP>MITSUBISHI>Panasonic>maxell>Fujitsu>SONY>TOSHIBA

30mA定電流間欠(大電流間欠)

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持続時間: GP>Panasonic>MITSUBISHI>maxell>SONY>TOSHIBA>Fujitsu

電力量の比較

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参照元:http://ch.i.cmaas.net/kaden/battery/1294471020/

上記のように非常に興味深いCR2032の実験データーが公開されている。上記データーを考慮するとパナソニック、三菱、マクセルが優勢である。昔、エボルタVSエネループ戦争をしていたパナソニックはサンヨーを買収した。そのメーカーが作る電池はやはり強い。

様々な条件があるが一番パワーメーターに適した電池はパナソニックか三菱といえそうだ。しかしヨドバシカメラはミツビシを取り扱っていなかったため、入手性を考えてパナソニック、売り切れの場合はマクセルとしたい。

電池といえば以前はサンヨーだった。いまでは電池といえばパナソニックと言える。エボルタ君も、自転車をこいだり、泳いだり、走ったりとトライアスリートとして”スタミナ”は超一流だ。

できれば是非とも、当チームのトライアスロンチームに選手として参加してほしいほどである。

まとめ:CR2032はPanasonic選ぼう

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パナのCR2032を使おう。今日のCR2032電池のまとめだ。

電子機器で使用されている電池はCR2032の場合、どのメーカーを選ぶのが良いのか。入手性や性能、実験データから考えるとパナソニックのCR2032と結論付ける。迷ったらパナソニックのCR2032だ。

どのメーカーのCR2032電池が良いのかわかったところで、さらに読み飛ばさずに、ここまで読んだ方はCR2032の知識が”一般人よりはいくらか”付いているはずだ。ぜひ、CR2032の電池を使っている方は、ブクマするなりPocket化するなりして、今後間違いなくやってくる「電池切れ」の際に、本記事を役立てて頂けたら幸いである。

ちなみに私が愛用している電池を紹介しよう。AmazonでパナソニックのCR2032が10個で520円で売られている物だ。「電池切れたから今日は練習しない」なんて言い訳が出来ないくらい、電池は確保しておきたいものである。

備えあれば憂いなしだ。

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