各社30万円オーバーのハイエンドなカーボンクリンチャーが目立つ中、BONTRAGERやSACRAホイールが格安カーボンクリンチャーを発表してきた。そんな中、第三の勢力「PRIME」というブランドのホイールが登場している。特に目立つのは・・・その価格だ。
おそらく大量生産しコストダウンを図っているようで、クーポンを使用するとカーボンクリンチャーは6.9万円、カーボンチューブラーは6.4万円で購入が可能だ。その値段は非常に魅力的なのだが、実際の製品はどうなのだろうか。謎に包まれたフルカーボンホイール「PRIME」を見ていこう。
PRIME ホイール
PRIMEのホイールは、Wiggle系列で独占販売している独自ブランドだ。そのラインナップはカーボンチューブラー、カーボンクリンチャーの2種類が展開されている。そしてリムハイトは35mm、38mm、50mmのスタンダードな展開だ。
基本的にリムの素材は共通で「T700 UD カーボンファイバー」を使用している。リムに使用される最もメジャーな素材だ。気になるカーボンクリンチャーのリムプロファイルは内側16.5mm, 外側 25mmというシェイプを有している。なおSACRAホイールもブレーキトラック面は25mmだ。流行りのチューブレスにも対応している。
ハブはABS(Anti Bite Guard)と記載されているので、安心のノヴァテックだろう。フリーハブの対応はShimanoとSRAMの9〜11スピードだ。
スポークの組み方はフロントは20Hのラジアル組みだ。気になるリアは、わかっている24両タンジェント組(クロス)だ。完組用の専用設計ハブではないので、もちろん左右タンジェント組である(わかっている)。反フリー側をラジアルにしている手組みホイールは、どうも苦手である。その点、このPRIMEのホイールはわかっている人が組んでいる、、、のだろうか。
ではラインナップを見ていこう。
Prime RR-38 カーボンクリンチャー
PRIMEホイール中最も万能なホイール「Prime – RR-38 カーボンクリンチャーロードホイールセット」。幅広のリムプロファイルでタイヤとの接触面が最適化されている。重量は1510gで、なんとSACRAホイールの同一リムハイト38mmと全く同じカタログ重量だ。
価格は¥79,469なのだが期間限定(8/31まで在庫限り)のクーポン「WHEEL1」でさらに10000円OFFだ。実質6.9万円で前後セットが購入可能。なおフルカーボンクリンチャーホイールかつ前後セットである。前輪だけではない(笑)安すぎるので片側だけではないのかと心配になるほどだ。おそらく過去最安である。もはやヘタなアルミホイールを買うよりもお買い得であることは間違いない。
Prime RP-28 カーボンクリンチャー 1372g
PRIMEカーボンクリンチャー中最も軽量な「Prime – RP-28 カーボンクリンチャーロードホイールセット」。カタログ重量はわずか1372gというフルカーボンクリンチャーだ。主にクライマーや重量を気にするライダーに適したホイールセット。リムハイト28mmという高さは、リム外周重量が軽減されている。
なおこちらはストレートスポークタイプの最上位グレードで価格は99,000円だ。クーポンを適応すると89,000円で購入できるのだが、ハブやスポークを選ばなければ同一のリムタイプの廉価版「Prime – RR-28 カーボンクリンチャーロードホイールセット」が存在している。ハブがJベンド。
リムは変わらない為、ハブとスポークが変更。それだけの違いなのだが価格は82,500円からクーポン「WHEEL1」使用で72,500円・・・。という激安。これ前後セットのカーボンクリンチャーの価格ちゃうで・・・。軽量ホイールの次は、50mmのエアロホイールを見ていく。
Prime RR-50 カーボンクリンチャー
地味に・・・もしも1本選べと言われればこの50mmを選んでもよいのではないかというホイール「Prime – RR-50 カーボンクリンチャーロードホイールセット」。なぜなら38mmのホイールと重量が20gしか違わない。カタログ重量は1530gだ。
「自己ベストの更新と走行距離の延長を目指すサイクリストのために、直線走行で並外れたスピードと加速を実現するよう作られたホイールセットです。 50mm ディープエアロリムを備え、TT やクリテリウムのレースに適しています。」
という感じで、エアロホイールとして活躍しそうです。価格は82,500円でクーポン「WHEEL1」使用で72,500円。ディープリムを手軽に購入したい方へ。
カーボンクリンチャー低廉化競争の波が来る
カーボンクリンチャーと言えば、一昔前は高嶺の花だった。しかし、昨今の格安カーボンクリンチャーの登場によりその情勢は変わってきているのかもしれない。大手通販メーカーが大量生産し、コストダウンすることでカーボンクリンチャーは6万円台で前後セットが買える時代に突入した。この事実は、ユーザーにとってはたいへん望ましいことである(他社は戦々恐々だが)。
このカーボンクリンチャーの移り変わりはかつて液晶テレビを彷彿とさせる。液晶テレビの販売が飽和し価格競争に突入した結果、体力のないメーカーは駆逐されていった。その中でも独自の技術や、競争力のある企業はなんとか生き残っている。これからホイールに限らず自転車業界にも同じ事が起こっていくのだろう。
海外の黒船は、高級化路線からコストダウンに舵を切った。今回はカーボンクリンチャーを特集したが、PRIMEホイールはチューブラーホイール、アルミホイールと数々のラインナップが存在している。その一覧は「PRIMEホイール全ラインナップ」から確認してほしい。
カーボンクリンチャーホイールはもはや高嶺の花ではなくなり、珍しい存在でもなくなった。PRIMEホイールの登場で価格競争が活性化すればユーザーはよりカーボンクリンチャーを手にしやすくなる。カーボンクリンチャーながら7万アンダーで購入できるホイールという存在は、今までカーボンクリンチャーが欲しくても手の届かなかったユーザーに対して、魅力的な選択肢になるだろう。
安いので、当ブログでも購入して試してみようかと今検討中である。