KSYRIUM 125を購入し新しい記事を書きました。
Mavicから125周年記念のホイールKsyrium 125が発売される。一見既存のKSYRIUM SLRを黄色にしただけの「マビック商法」かと思ったが、実際に細かく見ていくと全く別物のようだ。なによりトピックスとしてはKSYRIUM SLRよりもさらにリム重量が軽くなっている。
既存のKSYRIUM SLRとどのように違うのか今だ国内での発表はされていないが得られた情報から細かく見ていくことにしよう。なお、KSYRIUM SLRについて当ブログでインプレしているので、末尾の関連記事を参照して欲しい。リム以外は同じである。
MAVIC KSYRIUM 125
Ksyrium 125は全世界6000セット販売だ。量産型ザクとは違う。すなわち、限定数が終われば終了というプレミアム商売というわけだ。ということは国内には100台も入ってこないだろう。現実的な数は25セットといったところだろうか。今回の販売も、近年のMAVICおなじみのタイヤセットでの販売になる。WTSというタイヤとホイールを総合的に考えたセットだ。
プレミアム商売といえど、色を黄色にしただけだったり、コスミックカーボンのデカールをおしゃれにしただけのマビック商法ではない点が私としてはサプライズだ。なんと、リムが全く別物になっている。
KSYRIUM 125は何が変わったのか
リムを再設計しなおしている。なおエグザリットは踏襲しているので安心してほしい。軽量化もそうだが、KSYRIUM SLRに見られた角ばったリム形状ではなくなった。見ての通り丸みを帯びたプロファイルで構成されている。この利点についてMAVICはこう説明している。
「以前のバージョン(恐らくSLR)よりも空力特性が良く、スタートダッシュを容易にする」
以前のバージョンは紛れもないKSYRIUM SLRだろう。
上記の写真はエグザリット加工する前の無印のアルミリムだ。明らかにボテッとしたリム形状になっているではないか。いまだ、リム幅についてのアナウンスは無いが、近年のワイドリム化によって少しばかり太くなっていてもなんら不思議ではない。
ISM 3DからISM 4Dへ
MAVICは独自のリム加工切削技術を持っている。ISM 3Dという技術だ。ISM 3Dとは「インタースポークミリングスリーディメンション」の略称だ。リムの加工技術によりリム重量を軽量化して、低慣性化(初動の軽さ)している。
ISM3Dはリムを軽量化することができるため容易に登坂できるというメリットがある。低慣性化により楽な加速も可能になる。ISM 3Dでは各スポークホール間のリムの下部ブリッジだけでなく、サイドウォールまで切削している。
KSYRIUM 128ではISM 4Dへと昇華している。具体的にはMAVIC得意の目立った切削の加工ではなく丸みを帯びた加工になっている。この形状によりリム自体の剛性が高められている。
スポークの組み方はSLRを踏襲
KSYRIUM 125のスポークの組み方は完成度が高い組み方であるため変更はない。すでに完成し切った組み方と言える。むしろ組み方を私は変更しないでほしいくらい好きだ。余談だが恒例の脱線を少しする。MAVIC製品の横剛性の実測値についてだ。
- Mavic Cosmic Elite:51 N/mm: DSタンジェント、NDSラジアル
- Mavic Ksyrium Elite:50 N/m: DSラジアル、NDSタンジェント
- Mavic Ksyrium SR:58 N/mm: DSタンジェント、NDSラジアル
MAVICはシリーズによって組み方が異なっている。ハイプロはDSがタンジェント組であること。ロープロのノーマルスポークはDSがラジアルであること。ロープロのトラコンプ仕様はDSがタンジェントであるということだ。
上記の構成は何を意味しているのだろうか。簡潔に言うなれば、リムハイトの違いから、左右のスポークテンションの是正のために組み方を変えている。トラコンプのカーボンスポークは円柱のスポークのため構造自体の剛性が高い。そのため左右のテンション是正のためにDSもタンジェントにしている。
公称値重量1370g
KSYRIUM 125の重量は1370gである。KSYRIUM SLRの重量は1400gである。しかしSLRの実測重量は1441gだ。おそらく実測は1400gを超えているのではないかと予想している。しかしリム重量はSLRが410gほどだ。それよりも更に軽いことを考えると非常に魅力的だ。
私が記憶している限り、完組でリムが軽いのはWH9000 C24 CLの380-390g台、そしてキシリウムプレミアムの390-400g台である。おそらくこの辺がリム自体の信頼性や組み上げた際の素材自体の剛性確保を考えた時の閾値なのだろう。
とにかくSLRのリムは、幅を除けば高いレベルでまとまっている。
まとめ:KSYRIUM SLRからの買い替えはすべきか
単純に色だけ変わっていた程度なら、欲しくはないだろう。ただ、リムの形状が大幅に変更され別物になってしまった(嬉しいことに)。そして重量もアッセンブルに変更がないから、単純にリム重量が軽くなっている。
そしてエグザリット2も踏襲している。海外の価格は£1,100だ。恐らく国内の売価は20万ほどであろう。以前SLRに関する記事を書いたとおり非常に気に入っているホイールだ。
もし、入手できる可能性があるなら購入したい。125周年記念の気合の入った新しいリムであるKSYRIUM125はいつものMAVICの使い回し商法ではない点が魅力的に映る。リムは非常に重要だ。そのリムを再設計しなおしているということ自体でMAVICユーザーとしては購入に悩むホイールであることは間違いない。
ただ、別の問題も考慮しておきたい。それは1/6000のユーザーになれるかどうかだ。それらは、入手生の問題でサイフの問題とは別である。したがって、そもそも買えるかどうかもわからない製品と言える。ショップの争奪戦になる、といった事も十分考慮し、マビック信者は購入を計画的に考えてみてはどうか。
欲しいと思った時が、買い時だ。