世の中には様々なサプリメントがあるが、本当に効果があるのか怪しいものはたくさんある。私はサプリメントを取る前に、国立研究開発法人医薬基盤健康栄養研究所の健康食品の安全性有効性情報を確認している。
また、国際スポーツ栄養学会(ICCN)が報告しているエビデンスを参考にしている。その中のエビデンスA「明らかに安全で、効果のある強力なエビデンスを示すもの」に該当するのは以下のサプリメントだ。
- カフェイン
- クレアチン
- 重炭酸ナトリウム
- リン酸ナトリウム
- ベータアラニン
- 水とスポーツドリンク
エビデンスB「限定された効果のあるエビデンス」に該当するのは以下のサプリメントだ。
- L-アラニル-L-グルタミン
- アラキドン酸
- BCAA
- シトルリン
- EAA
- グリセロール
- HMB
- 硝酸塩
- タウリン
- ケルセチン
言ってしまえば、これ以外のサプリメントには効果を裏付けるエビデンスは無いと国際スポーツ栄養学会(ICCN)は報告している。私もこの中のサプリメントをいくつか摂取しているが、効果を感じるものもあればそうでないものもあった。
サプリメントは年々様々な新しいものがリリースされているが、有酸素運動をサイクリストにとって非常に重要な、ミトコンドリアを活性化させるサプリメントがあるという。
TGR5を同様に活性化する成分
2006年、フランスのルイパスツール大学の研究チームが行った実験によると、細胞表面の受容体であるTGR5を刺激する事によってミトコンドリアを増殖、活性化させることを突き止めたという。TGR5刺激すると、ミトコンドリアが増えるという仕組みだ。
このTGR5を活性化する成分を見つけ出すために、400種類以上の植物エキスの中から選別し研究が行われた。数年の研究の末、オリーブ葉がTGR5を最も強く活性化することを発見した。オリーブ葉のエキス分が含まれているサプリメントはいくつかある。
その中でもプロチームのマトリックスパワータグのサプラヤーであるミトロングVがオリーブ葉のエキス分が含まれているサプリメントだ。
マトリックスパワータグのサプラヤー様の「ミトロングV」は最近注目されているEPA配合サプリメント。「ミトロングV & BOOST SHOT」組み合わせは、ロードよりも競輪選手愛用が多いみたいですが、この機会に是非お試しください。 https://t.co/T6A4G2obem
— 吉田隼人(YOSHIDA HAYATO) (@HAYATOYOSHIDA19) April 15, 2020
プロ選手の場合はサプライヤであるため当然のことながら宣伝しなくてはならない。また、SNSでフォロワーの多い方や有名な選手達がこぞってミトロングVをプッシュしていることを複数件確認している。しかし、「~が飲んでいるから」という話は、サプリメントの効果とは切り離して考えるべき別の問題だ。
だからこそ、本当に効果があるのか自分の体で試す必要がある。そこで2021年の7~10月の4ヶ月間ミトロング-Vを試すことにした。結果を言うとFTPは更新しなかった。しかし、データの変化を確認できた(因果関係は不明)。
パワーデーターとVo2MAX
体重は58kgぐらい。まずは60分のベストパフォーマンスだ。パワーが低いことはさておき、8月以降にベストパフォーマンスが出ている(因果関係は不明)。
次に20分のデーターだ。こちらも8月以降にベストパフォーマンスが出ている(因果関係は不明)。
次に10分のデーターだ。こちらも8月以降にベストパフォーマンスが出ている(因果関係は不明)。
次に5分のデーターだ。こちらも8月以降にベストパフォーマンスが出ている(因果関係は不明)。
次に1分のデーターだ。こちらも8月以降はピークがないためデーターが表示されていない。
次に5秒のデーターだ。あまりスプリントをするようなことがないため、こちらも8月以降はピークがないのでデーターが表示されていない。
最後にガーミンのVo2MAXの測定結果だ。これが一番驚いている。最大酸素摂取量、酸素がどれだけ取り込めるかという指標だ。競技人生のなかでこれほどまでにVo2MAXが上がったことは1度もない。とはいえ、「ミトコンドリアが増える=Vo2MAXが増える」、という簡単な話ではないらしい。
詳しくは以下の超有名な論文が参考になる。
まず最大心拍数(HRmax)と最大拍出量(SVmax)の掛け算で心臓が送り出せる血液量が決まる。動脈内のヘモグロビン数(Hb)で酸素運搬能力が決まる。これらがVO2maxを決定する。さらに肺の能力も関係している。
一方で、骨格筋内の毛細血管やミトコンドリアが酸素と乳酸からATPを合成する。LTにおけるこれらもVO2maxを決める要因になる。いわば、自分のVo2MAXのボトルネックがどこになるのか(足を引っ張っている能力がなにか)によってVo2MAXの伸びしろも決まる。
したがって、「もしかしたらミトコンドリアだったのかもしれない」という推測の域を出ることはないが、事実としてVo2MAXが向上した。
2018-2019年の最も調子が良く、今の1.5倍練習を重ね、CTLは140前後のときですらVo2MAXは68だった。それが今や83である。GARMIN大丈夫か。明らかに8月以降ぐんぐんとその値を更新し続けている。
これがサプリメントを取り続けた効果なのか、それとも40歳を目の前にしてエンデュランス能力がピークに達しているのか、それともミトコンドリアがボトルネックになっていたのかは定かではない。いずれにせよ、急激にVo2MAXが上昇していることとリンクしている。しかし、直接の因果関係は不明ではあるが。
Vo2MAXがこれからどこまで伸びるのかはわからない。幼少時代はスキーのアルペンやVo2MAXが高い競技とされるクロスカントリースキーをしていたためVo2MAXが高められた可能性もある。その伸びしろをミトロング-Vが後押ししたと考えるのは、考えすぎだろうか。
今後も継続的に使用して、様々なデーターと突き合わせつつ自分の体を使ってその効果を確かめていく予定だ。ミトロング-Vは以下から購入することができる。
つじトレーニングジム ()
¥7,560 (¥84 / 粒)