「ホイールの性能や走りなんて、本当にわかるんでしょうか?切腹してください。」→ 回答しました。

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質問者さんの意図としては、ホイールの違いや性能を感じ取れるのか?ということが疑問に思われているのだと推察します。気になる最後に添えられた「切腹〜」はおそらく「せ」と入力したら、変換ソフトがサジェスト(提案・示唆)したのでしょう。

という話はともかくとして、早速回答していきます。

まず、違いがわかるかどうかに関していうと、以下の条件であれば違いがわかります。

  • 空気圧を統一する。
  • 空気圧の測定は手持ちのデジタルゲージで0.01まで統一する。
  • タイヤ銘柄を統一する。
  • タイヤ幅を統一する。
  • チューブを統一する。
  • チューブ銘柄を統一する。
  • バイクを統一する。
  • ウェアやヘルメットを統一する。

早い話、「ホイール」以外のあらゆるモノを同一条件にしなければ違いが何なのか正直わかりません。また、走る地形や風向き、その日の体の体調でホイールの「印象」は大きく変わってしまいます。

理解しておかねばならないのは、人間は測定器ではないので機材の絶対比較ができないということです。何か基準になるホイールからみた「相対比較」として違いを感じ取るしかありません。

したがって、基準となるホイールを何千キロもあらゆる条件(春夏秋冬、晴雨曇り、砂利、ウェット、アスファルト・・・)で乗り込んで特徴をを掴み自分の中で基準として持っておく必要があります。

でなければ、相対的に比較対象となるホイールの良し悪しがつかめないです。

また、フレームやホイールにかぎらずロードバイクのシステムにおいて留意しておかねばならないいちばん重要なこととしては、

タイヤが支配的

であるということです。以前記事にも書きましたが、タイヤと空気圧はバイクシステム全体の剛性に対して支配的です。

SILCA研究所の実験データーは、「空気圧が剛性に対して支配的である」という事実をわかりやすく説明しています。上の図はタイヤ幅28mm、25mm、23mmを17Cのリムに装着し、空気圧を6Bar、7Bar、8Barと変化させた場合の垂直方向の剛性(N/mm)を測定した実験データーです。

空気圧1Barの違いは「ホイールシステム」の剛性を大きく変えていることがわかります。

次は、3つのフレーム(エアロロード系、オールラウンド系、エンデュランス系)カテゴリの垂直剛性モデル:N / mm単位の剛性です。

ここでも、空気圧はバイクシステムの属性をいとも簡単に変えてしまっています。上図では剛性が異なる3種類のフレーム(250N/mm、200N/mm、150N/mm)にZipp303を取り付け、タイヤ幅28mm、25mm、23mmを使用し「バイクシステム全体の剛性」を測定した結果です。

空気圧は6Bar、7Bar、8Barと変化させており、そのうえで垂直方向に8mm変化させた場合に、どれくらいの力が必要なのかを表していまする。結果は一目瞭然です。

空気圧は、バイクシステム全体の剛性に対して常に支配的であることがわかります。空気圧はバイクが硬かろうが、ホイールが硬かろうが「バイクシステム全体の剛性」をいとも簡単に変えてしまいます。文字通り「支配的」です。

空気圧が高ければ高いほど、バイクシステム全体の剛性は上がっていきます。どれだけフレームが硬かろうが、ホイールが硬かろうが、”結線がされていようがいまいが”、タイヤの空気圧はバイクシステム全体の剛性をいとも簡単に変えてしまいます。

  • フレーム剛性150N/mmと空気圧8bar:36.3N/mm
  • フレーム剛性200N/mmと空気圧7bar:35.0N/mm
  • フレーム剛性250N/mmと空気圧6bar:31.9N/mm

これらの理由から、ホイールの評価をする際は、基準となるホイールに取り付けているタイヤをそのまま評価するホイールに移植し、ありとあらゆる条件を揃えると、やっと初めて違いがわかります。

また、多くのホイールを乗り、外周が軽いホイールの特徴、ディープリムの特徴、ローハイトの特徴など、様々なホイールの特徴を乗り込み、自分の中で理解しておくという取り組みも必要です。

MAVICのエントリーホイールのアクシウムを使っているユーザーが、突然COSMIC ULTIMATEを使ったらそりゃ超良い評価を下すでしょう。しかし、Lightweight オーバーマイヤーや、PRINCETON CARBON WORKS WAKE、CADEX 50 ULTRAといったホイールを使っているユーザーが使うと、また違う「相対評価」をするかもしれません。

したがって、ホイールを評価するにしても、評価を下すライダーがこれまでどのようなホイールを乗り込んできたのか、その背景を抑えておく必要があります。

私自身、かならずハイエンドモデルのホイールを自腹で購入してテストしています。自分にあう、合わないもあります。そのうえで、基準となるホイール、ホイール以外のありとあらゆる機材を統一することによって、ぼんやりではあるものの、ホイールの特徴が掴めてきます。

最後に切腹するかどうかの依頼についてですが、まだまだいろいろな機材を使って乗り込んでみたいのでもう少し先にさせてください。ただ、わたしがあるメーカーの機材だけをプッシュしたりするようになったら、それは切腹するときなのかもしれません。

質問は気が向いたら回答してます。

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