SRAM社がZIPPのエアロホイールの2つの特許を侵害しているとして訴えていた裁判は、プリンストン・カーボン・ワークス(以下PCW)が勝訴した。
SRAM社は約2年前にフロリダ州南部地区連邦地方裁判所に提出した訴状で、PCW社のカーボン製ロードホイールの一部モデルの波状リム形状(断面変動)が、同社のZIPP NSWに代表される”ザトウクジラのヒレ”をモチーフにしたリム形状の特許2件を侵害していると訴えていた。
SRAMのホイールは、発明家Dimitrios Katsanisの2つの特許に依存している。本特許(2011年にDimitrios Katsanis氏が提出した特許情報「US10611188B2」)に関する空力性能の改善内容の論文については、当ブログでも過去に詳しく紹介している。
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特許には、特に横風時の空気抵抗を減らすとされる「起伏のある構成」を持つリムの形状が記されている。
裁判の結果は、「PCW社はどちらの特許も侵害しておらず、損害賠償の対象にはならない」とする評決を下した。
PCWは発売当時まったくの”ノーブランド”であったにもかかわらず、2020年にイネオスがPCWのホイールを採用し一躍有名になった。それ以来イネオスはスポンサーのシマノデュラエースホイールの代わりとして、今でもPCWのホイールを使い続けている。
特にタイムトライアルやトラック競技ではPCWのホイールとともに世界記録の樹立も果たした。さらにピナレロ、タイムといった大手ブランドがこぞってPCW社のホイールを完成車に採用しはじめている。
PCWは”空力性能を1%でも高めたい稀な人々”に特に人気のあるモデルで、筆者自身もメインの決戦ホイールとして使用しているため、裁判の行方に注目していた。
結果は、PCWが勝訴という結果だった。今後、SRAMが評決を不服として訴えるかどうかは未定だが、PCWのホイールの回収などの事態にならずひとまずは安心といったところだ。
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