手持ちのホイールをすべて手放すきっかけになった、無名のホイールの話を。
たとえば、以下の優れた部分だけを取り出して、ひとつのホイールを作ったらどうなるのだろうか。
- 空力性:ROVAL RAPIDE CLX 前後リムプロファイル
- 伝達性:CADEX ULTRA 50 カーボンスポーク
- 駆動性:Lightweight スポークパターンと本数
- 軽量性:ROVAL ALPINIST CLXの軽さ
- タイヤ:ENVE SES Gen3のリム内幅
これら全てを組み合わせたようなホイールが存在する。
Craft Racing Wheel(以下CRW)のCS5060だ。CRWは台湾の大手メーカーで開発に携わっていたエンジニアが立ち上げたホイール専業メーカーだ。ハブ側にスポークをねじ込む特殊な構造、前後異形のリムプロファイル、カーボンスポークを採用し、50mmで1176.3g、60mmで1290g台の超軽量ホイールをリリースしている。
CRWはまだあまり知られていないが、2015年から他社のホイール製造を行い、2018年に自社ブランドCRWを立ち上げ、2020年には自社ハブの設計を開始した。少数精鋭のエンジニアを中心に開発チームが構成されており、特色のある製品を生み出している。
これまで数多くのホイールをテストしてきたが、CRWのホイールは特別だった。効率的なスポークパターン、特殊なリム設計、リムハイトに似つかない軽さなど、あらゆる点で他社の製品を凌いでいた。
今回の記事はCRWのCS5060をテストした。愛用していたPrinceton Carbon Works Wake6560を手放すきっかけになったホイールで、使用しているライダーがほとんど居ない、謎に包まれたホイールをインプレッションする。
前半はCRWの特徴、後半はROVAL RAPIDE CLX IIとの剛性、空力性能のデーターを紹介する。
CRWの異質さ
CRWホイールのどれもが、カーボンスポーク、前後異形リム、前後異スポーク設計、前後タンジェント組、特殊なリムプロファイルという特徴がある。カーボンスポークは複数の製造メーカー品をテストしていたようで、最終的にはハブ側にスポークをねじ込んで固定する方式が採用された。
CRWの特徴は前後で異なるリム設計にある。ENVE SESやROVAL RAPIDE CLXのように、リムハイト、リム内幅、リム外幅が前輪と後輪で異なっている。前後それぞれに求められる要件の違いが反映された設計だ。
CS5060で目立つのはフロントリム内幅が25mmに設計されていることだ(他モデルは21mmが主流)。BONTRAGER AEOLUS RSLで内幅23mmということを考えると、もはやロード用ではなくグラベルやMTB用のリムに近い。
タイヤ幅は28mm以上が推奨されており、空力も28mm以上のタイヤに最適化されている。
超軽量のワケ
ホイールの重量は、サイクリストが最も気にする情報だ。難しいことは抜きにして、CRWのホイールの”実測”重量を確認していく。
- CS4050 (40/45mm):1,178.5g
- CS5055 (50/55mm):1,251.2g
- CS5060 (50/60mm):1,290.0g
軽い。何度も言うように、実測重量だ。
私物のCS5060をタニタのキッチンスケールに乗せたところ1290gだった。リムテープ込みでこの重量は異常とも思える。
カタログ重量と実測重量が大きく乖離することは自転車機材の定番だった。しかし、CRWはどのモデルでもカタログ重量とほぼ同等の重さに仕上がっている。購入前は他の中華系ホイールのように、重量詐称を懸念していたが無用の心配だった。
50mm/60mmのリムハイトに似つかない軽さは目を引く。重量が軽すぎて「間違いなのでは」と思うほど軽く作られている。CRWのホイールは、なぜここまで軽いのだろうか。
理由は、部品の細部まで軽量化を追求していることにある。軽量化への執念は相当なもので、ディスクブレーキローターのスプラインを半分取り除いている。0.1gあるかないかの領域にまで踏み込み、軽量化が行われているのだ。
CRWの軽量化はむやみに削っているわけではない。応力解析を行っておりロックリングを規定のトルクで締め付けてあれば、ブレーキ力のほとんどはスプラインに伝わらないことがわかったという。安全性を確保したうえで、スプラインを減らしているのだ。
ハブボディも解析を元に、限界まで肉抜きが行われ削り込まれている。ハブシェルは、スポークを固定する土台だけを残し、その他を全て排除している。表面は可能な限り掘削が行われている。まるでチェーンリングの裏側のような作り込みだ。
驚異の16本スポーク
スポークはフロントが16本とリアが20本しかない。合計36本だ。ディスクブレーキホイールで標準的なスポーク本数は48本だ。12本も少ない。不安に思えるかもしれないが、強靭なカーボンスポークと左右タンジェント組で、十分すぎる剛性を生み出している。
参考までに、他社のフロントホイールのスポーク本数と組み方は以下の通りだ。
- ROVAL RAPIDE CLX:18本(ラジアル、タンジェント)
- CADEX ULTRA 50:21本(ラジアル、タンジェント)
- DTSWISS ARC 1100:24本(ラジアル、タンジェント)
- BONTRAGER AEROLUS RSL:24本(タンジェント、タンジェント)
- ENVE SES NEW STRAIGHT SPOKE:24本(タンジェント、タンジェント)
- ★CRW CS5060:16本(タンジェント、タンジェント)
- 参考:DTSWISS 180,240ハブ:24本(タンジェント、タンジェント)
フロントホイールはスポーク本数が少ないため、軽さと空力性能の両面でメリットがある。一般的なディスクブレーキ用のフロントホイールといえば、スポーク本数が24本で構成されている。フロント単体で8本もスポークが少なくなれば、その分空気抵抗も減少することは容易に想像できるだろう。
逆にスポーク数が少ないと不安になるのがディスクブレーキの制動だ。16本のスポークで耐えられるかどうかが気になる。
例えば、2:1構造の21本のスポークホイールは負荷伝達の大部分を7本のスポークで行っている。CRWのホイールは両側がタンジェント組であることを考えると1本多い8本のスポークが負荷を処理している。
それぞれを比較すると、CRW5060は左右タンジェントで組まれているため、ディスクローターの制動力に対処には十分なスポーク本数といえそうだ。
剛性テスト
ROVAL RAPIDE CLX IIとCRW CS5060の剛性テストは以下の通りだ。
単位はすべてN/mm。 | ROVAL RAPIDE CLX II | CRW CS5060 | 差 |
前輪(DS) | 42.42 | 45.71 | +3.29 |
前輪(NDS) | 44.34 | 38.90 | -5.44 |
後輪(DS) | 72.20 | 40.64 | -31.56 |
後輪(NDS) | 66.18 | 54.3 | -11.88 |
平均。 | 56.26 | 44.89 | -11.37 |
2つのホイールセットの横剛性は、平均してROVAL RAPIDE CLX IIはCRW CS5060よりも25.3%剛性が高い結果が出ている。 正直にこの値を出してくるところは評価したい。ROVAL RAPIDE CLX IIので最も印象的な点は、ドライブ側と非ドライブ側の剛性のバランスだ。
これはおそらく、2:1のスポークレースによるものだろう。
制動力を支えるスポークに関しては、圧縮と引張の両方のスポークが制動力を伝達することができるため、ROVAL RAPIDE CLX IIは12本、CRW CS5060は16本ということになる。
CRW CS5060はカーボンスポークが搭載されている。ROVAL RAPIDEののスチールスポークよりも引っ張り強度が高いという利点があるため、ブレーキング時のねじれ剛性はCRWの方がはるかに高いと推測できる。
TOUR紙でも指摘されているが、すべての剛性数値がそうであるように、「剛性が高い=優れている」とは限らない。双方の剛性は必要十分以上に高く、どちらも走行に問題はないのだ。両方使ったが、正直なところ違いがわからない。
空力性能
ROVAL RAPIDE CLX IIとCRW CS5060の空力性能テストは以下の通りだ。
平均パワー(w) | 平均時速(キロ) | 横風(度) | 向かい風/追い風(時速) | CdA(平方メートル) | 時速40kmのワット数(w) | |
TEST1:CRW CS | 190 | 35.2 | 2.0 | 0.2 | 0.277 | 261 |
TEST2:Roval CLX | 190 | 35.2 | 1.3 | 0.3 | 0.275 | 260 |
TEST3:Roval CLX | 190 | 35.5 | 1.3 | 0.1 | 0.273 | 258 |
TEST4:CRW CS | 191 | 35.5 | 1.5 | 0.1 | 0.274 | 259 |
ROVAL RAPIDE CLX II(2回平均) | 0.2740 | 259 | ||||
CRW CS5060(2回平均) | 0.2755 | 260 |
エアロセンサーを使用して空力性能の試験も行われている。両ホイールとも、28mmタイヤとTPUインナーチューブ、カセットとローターは同じサイズを使用を装着した。テスト路面が非常に滑らかなため、タイヤの空気圧はすべて4.82barで行われている。
結果はRoval Rapide CLX IIは、CRW CS5060よりも1ワット速い結果だった。この結果は、実験の誤差の範囲内かもしれないが、それぞれのホイールの空力性能は非常に近いものがある。
Lightweight 16/20の組み方
フロント16本、リア20本。
このスポーク本数で思い出すのはLightweightの16/20の組み方だ。CS5060はスポークの本数も同じで、組み方もLightweightと酷似している。
もちろん、LightweightやCosmic Ultimateのように1本のカーボンスポークをリムからリムへつなぐRim to Rim方式の組み方とは異なるが、CS5060も同様にハブのフランジからできるだけ垂直方向にカーボンスポークが伸びる設計になっている。
フロント16本、リア20本の構成はLightweightの16/20モデルのように左右タンジェント組相当のスポークパターンが最適になるのだろう。確かに左右のスポークテンションを是正するために2:1組が採用されるが、駆動効率や力の伝達を考えると左右タンジェント組が望ましい。
最新のENVEがそうであるように理想は両サイドタンジェントだ。
Lightweightの優れた組み方を丸パクリしているとも思えるが、NDSをラジアル組をしているROVALやCADEXと比べると、ホイールとして理想形に近い設計と言える。
スターラチェット式ハブ
ハブはスターラチェット式だ。DTSWISSの特許切れ構造を採用している。フリーハブは手で引っ張ると簡単に取り外せる構造だ。内部のラチェット数も36TでDTSWISSのロード用と共通になっている。
ラチェット数の36Tは、ロード用の標準的な歯数だ。54Tや72Tも存在しているが、ロード用途を考えると、かみ合わせの速さをこれ以上増やす必要はないと思う。オフロード用途なら、72Tが必要になると思うがロード用は36Tが最適だ。
ラチェット式のメリットとしては、ラチェットが面と面でかみ合うため力の伝達効率が高い。構造もシンプルで部品点数を減らせるため、軽量化するにも都合がいい。ラチェット音はやや甲高い音がするが、DTSWISSの赤いグリスを定期的に塗れば気になるほどでもない。
セラミックベアリング
ハブには高品質のセラミックハイブリッドベアリングが採用されている。フリーハブボディのベアリングは6802、その他の4つのベアリングは6902だ。標準的なベアリング規格を採用しているため、入手性が高く交換が容易だ。
- 6802:内輪径15mm x 外輪径24mm x 幅5mm
- 6902:内輪径15mm x 外輪径28mm x 幅7mm
特異なリム
CS5060のリム設計は以下の通りだ。
- リムハイト:F 50mm, R 60mm
- リム幅:F 34mm, R29mm
- リム内幅:F 25mm, R 21mm
- フック:あり
- タイヤ:F 26~45mm, R 24~40mm
前後で何一つ、共通する設計がない。
フロント50mmとリア60mmの組み合わせは、ROVAL RAPIDE CLX(F 51mm、R 60mm)とよく似ている。幅が34mmの太いリムは、空力性能と合わせて横風の耐性を高める狙いがある。
ディープリムはどうしても横風にあおられやすい。そこで、リム幅とリムシェイプを適切な形状にすることで、急激な横力の変化をリムに生じさせにくい設計になっている。
内幅25mmといえば、ひと昔前のMTBトレイル用ホイールの設計だ。フロントタイヤは26mm以上が推奨されている。28mmのタイヤをフロントに取り付けると、実寸は32mm程になる。
インプレッション
CS5060の結論は、
「ROVAL RAPIDE CLXとCADEX ULTRA 50とLightweightとENVEを足して4割ってALPINIST並みに軽くしたホイール。」
この表現がふさわしい、かは知らんが。
おそらく、CRWは本当に各社の最適解を組み合わせたホイールを目指して作ったのだろう。ROVAL RAPIDE CLXの前後リムとよく似たプロファイルをベースに、ラジアル組を一切使わず、前後タンジェント組でカーボンスポークを張り巡らせた。
大手が、フロントホイールの非ドライブサイドをラジアルにするのは、左右均一のスポークテンションにする狙いがある。しかし、ディスクローターを抑えつけ、回転の力を伝えようとした場合、ラジアルは適した構造とは言い難い。
CRWのフロントホイールはというと、左右がタンジェントで組まれた珍しい構造だ。実際にブレーキの効きが良くなっただとか、回転の伝達が良くなったということは感じられないが、「理想的な構造」を採用したホイールを走らせているという安心感はある。
組み方やリムプロファイル等は最高なのだが、一方でカーボンスポークを使ったホイールは元々あまり好みではなかった。
LightweightやCosmic ULTIMATE、CADEX ULTRA 50を使った時に感じたのは、明らかに硬いという印象だった。CADEX ULTRA 50はよく走ると感じたが、LightweightやCosmic ULTIMATEは思うように走ってくれないホイールだった。
カーボンスポークを使ったホイールは、どこか相性が悪く感じていた。
という経験を繰り返してきたのにも関わらず、CRWのカーボンスポークホイールを使おうと思った理由は、ここまで紹介してきた通りリム、スポーク、組み方、ハブなど、ホイールを構成する全てが興味深い設計だったからだ。
使わずして何かがわかることはない。人柱として、2023年5月に自腹購入してから15カ月程使ったが、CRWの乗り心地はこれまで使ってきたカーボンスポークの中で最も好印象だった。
ゼロスタートからの立ち上がりの軽さと、踏み込んでホイールが回転するまでのラグが少ない。速度が軽やかに上がって行きつつも、巡行スピードの落ちにくい。ホイールに求められる運動性能は、理想とするホイールの走りに近かった。
50mm/60mmのリムハイトながら、実測重量が1290gということは大きな決め手だった。参考までにROVALの軽量クライミングホイールのALPINIST CLXが前後セットで1248gだ。わずか+42gの差で、リムハイト50mm/60mmのまったく方向性が違うホイールが存在している。この事実は使うまで信じられなかった。
1つで全てを、という開発手法が流行っているが、CRWのホイールはハイプロの空力性能とロープロの軽量性を本当に併せ持つことに成功している。
では実際に乗ったらどうなのか。いくら軽くてリムが深くても、走らせてみたら良くないホイールというのは存在している。まずは、気になる登り性能からだ。登りに関しては「面白い」この一言につきる。
ディープリムを登りで使うと、もたついて重さを感じることが多かった。しかし、CRWは平坦を走る感覚と同じように登っていく。妙な面白さがあるのだ。
オノマトペ的に表現すると、「グイッ、グイッ、グイッ」という区切りのある登り方ではなく、「グィーーーン」という継ぎ目の無い、いわゆるリニアな登り方をする。
恐らくではあるが、登りでも減衰するスピードが比較的緩やかであるため、勢いをそのまま次の回転に力をつなげやすいのではないか。こう推測している。ライダーのペダリングスキルや、クセにも影響すると思うが、パワーを次に繋げやすいホイールだ。
LightweightやCosmic Carbon ULTIMATEだとそうもいかない。綺麗に負荷をかけ続けてあげないと、進ませることが難しいと感じたホイールだった。だから、カーボンスポーク系のホイールは硬質で苦手意識があった。CRWはカーボンスポークながら、それらの苦手意識をまったく感じないホイールだ。
下りも安定している。地面にしっかりと張り付いて、安定した走行感が楽しめる。カーボンスポークのため、振動がもろに伝わってくるかと思っていたがそうでもない。逆に「ほわん」とした感じだ。
理由は単純で、内幅25mmとタイヤ幅28mmを組み合わせると実寸は32mmになる。ワイド化によって空気の体積が増え、空気圧が下げられるようになった。通常のセッティングよりも0.3~0.5bar下げて丁度良い感じだ。
下りはホイールの性能というよりも、タイヤのセッティングを変えたことによる変化が大きいと思う。
平坦、登り、下り、全てを1つでこなせる数少ないホイールだ。それでいて、スポークの組み方やリムの設計が優れている。実測重量もカタログ重量よりも軽い。実際にレースから練習まで使っても何のトラブルも無かったのもよい。
CRWは中国ブランドだが、「中華ホイール」とひとくくりにするのは間違った考え方だ。そういう時代ではなくなりつつある。玉石混交のホイールの中でも、性能、作り、仕上がり、品質面でなんら不安のないホイールに仕上がっている。
未確認ではあるが、CRWのエンジニアはもともと台湾の世界最大手バイクブランドのC社で開発に携わっていたらしい。ああ、確かに似ている。
CRW Works CSシリーズ スペック
CS4055 1,178g
フロントホイール
- リム深さ:40mm
- リム内幅:21mm
- 外側のリム幅:29mm
- スポーク数:16
- 最小タイヤサイズ:24mm
- 最大タイヤサイズ:40mm
- チューブレス対応、フックドリム
リアホイール
- リム深さ:45mm
- 内側のリム幅:21mm
- 外側のリム幅:29mm
- スポーク数:20
- 最小タイヤサイズ:24mm
- 最大タイヤサイズ:40mm
- チューブレス対応、フックドリム
CC5055 1,251g
フロントホイール
- リム深さ:50mm
- リム内幅:21mm
- 外側のリム幅:29mm
- スポーク数:16
- 最小タイヤサイズ:24mm
- 最大タイヤサイズ:40mm
- チューブレス対応、フックドリム
リアホイール
- リム深さ:55mm
- 内側のリム幅:21mm
- 外側のリム幅:29mm
- スポーク数:20
- 最小タイヤサイズ:24mm
- 最大タイヤサイズ:40mm
- チューブレス対応、フックドリム
CS5060 1,290g
フロントホイール
- リム深さ:50mm
- リム内幅:25mm
- 外側のリム幅:34mm
- スポーク数:16
- 最小タイヤサイズ:26mm
- 最大タイヤサイズ:45mm
- 最大タイヤ空気圧:26mmで120psi
- スルーアクスルサイズ:100 x 12mm
- チューブレス対応、フックドリム
リアホイール
- リム深さ:60mm
- 内側のリム幅:21mm
- 外側のリム幅:29mm
- スポーク数:20
- 最小タイヤサイズ:24mm
- 最大タイヤサイズ:40mm
- 最大タイヤ空気圧:120psi 25mm
- スルーアクスルサイズ:142 x 12mm
- チューブレス対応、フックドリム
各ホイールには、各スポークのスポークテンション、リムとハブのシリアル番号、真円度および偏平度の測定値が記載されたホイールビルドカードが付属する。全てハンドメイドで、ホイールを組み立てた職人の署名と日付が入っている。
まとめ:ホイール版の「ひとつで全て」を実現
ROVAL RAPIDE CLXとそっくりなリムプロファイル、CADEX ULTRA 50と似た構造とカーボンスポーク、理想的な前後ラジアル組、ROVAL ALPINIST CLX並みの重量と、1つで全てを兼ね備えたホイールがCRW CS5060だ。
50mm/60mmのリムプロファイルで、実測1290g台のホイールはあまり見当たらない。
登り下りがあるロードレースに使うには最高だと思う。そして、重量を気にするヒルクライマーでも1290gは武器になる。軽量ホイールに空力が追加されたと思えばいい。この相反する空力と重量をあわせもつホイールは、SCOPEのAUTHECH 6以外見当たらない。しかし価格は70万以上だ。
CRWのホイールは3種類ある。使用するタイヤによって選べばいい。メーカーによれば、28mm以上の幅広タイヤを低空気圧で使用する場合はCS5060を、25mmのタイヤを使用する場合は2通りある。重量優先ならCS4045を、空気抵抗優先ならCS5055ホイールを選択することが推奨されている。
CS5060は、空力性能と軽さを求める方、どちらのライダーの希望も満たす稀なホイールだ。1つあれば全てのシチュエーションに対応できるだろう。
購入に関しては、2023年の5月に海外から入手した。当時1650ドルで26万円ほどだった。現在は国内のごく一部のショップで取り扱っている。しかも、私が購入したときよりも安く19.8万円で販売するという。なぜか国内で買ったほうが安いのだ・・・。
ただし、初回入荷は19.8万円(税込!)で、次回入荷から為替の影響で22万円(税込)になるという。初回は各モデル数本だという。ああ、6万も高いお金を出して買ったが、人柱としての役目は果たせたと思う。
CRWのホイールが欲しい方は日本で買うほうが安い。CRWのホイールが気になる方は、ショップのベックオンに連絡してみてほしい。実は、「ITさんCRW使ってますよね?今度取り扱うんですよ」と、話があった。
CRWのホイールについては、金森さんにつないで頂ければ話が早い。
ベックオン:06-6120-3939 (担当:金森)
なお、私はCRWを自腹で6万以上高いお金を出して購入している・・・。国内で安く買えるならそっちで買いたかったというのがホンネだ。中華系の機材はインフルエンサーマーケティングが蔓延っているが、CRWやベックオンと私は、利害関係が一切ないことも最後に書き残しておく。
CRWさん、ベックオンさん、5055や4550もインプレしたいのでご連絡お待ちしておりますw いや、買うか・・・。