![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509740-231026_Canyon_Presskit_Lux_Trail_MY24_EN_ROW2-b95891-original-1698348595_1280x791.jpg)
image: CANYON
CANYONから人気が高まっているダウンカントリーバイクのLUX TRAILが登場した。筆者自身もダウンカントリーバイクを探しており、このタイミングで、このスペックで登場してきたかと財布の紐が緩みまくる全盛りスペック&秀逸なジオメトリ設計のバイクだ。
ダウンカントリーについては明確な定義がされていないが、PinkBikeが2018年にダウンカントリーの高まりについて触れた記事を引用すると、
ダウンカントリーとは、クロスカントリー、トレイル、オールマウンテンも融合した、奇妙で定義が難しいマウンテンバイクの新しいカテゴリーだ。
![](https://ep1.pinkbike.org/p4pb13038869/p4pb13038869.jpg)
当時は奇妙で定義が難しいカテゴリーだったという。この記事から5年経ってダウンカントリーはある程度成熟したカテゴリになった。mbr.comの記事によればダウンカントリー・マウンテンバイクは以下のように定義される(た)という。
- 120mm以下のサスペンショントラベル
- 100mm以上のリアトラベル(120mmぐらいまで)
- ヘッドアングルが67°以下
- 29インチホイール
![](https://keyassets.timeincuk.net/inspirewp/live/wp-content/uploads/sites/11/2023/07/Trek-Top-Fuel-8-10-600x400.jpg)
ダウンカントリーバイクで用いられるサスペンションのトラベル量は120mmを超えない。それでいて、典型的なダウンカントリーバイクは、リアのトラベルが100mm~程になる。S-WORKS EPIC EVOが110mm、Santa Cruz Blur TRが115mm、Transition Spurも115mm、今回登場した新型LUXは115mmだ。おおむね115mmが標準になりつつあるようだ。
ダウンカントリー用マウンテンバイクにおいて、あまりコンセンサスが得られていないのはヘッドアングルやジオメトリだという。現在のアングルや寸法については、リーチが長かったり、シートアングルが急だったり、BBが低かったりするバイクもあるが、ヘッドアングルは67°以下の設計が多い。LUXは67°だ。
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/507431-Canyon-Lux-Trail-CFR-LTD_Rider-Neil-Philips_Trail-Lakeland-200-England_Photo-Roo-Fowler_29-232dbc-original-1697198054_1200x800.jpg)
image: CANYON
Transition Spurは66°、Santa Cruz Blur TRは67.1°、EPIC EVOが66.5°など各社まちまちだ。下りを楽しみたいなら66°が間違いないとmbr.comは紹介しており、最も一般的に見られる数字だという。
余談だが、2023年のMTBのプロレースにおいてスペシャライズドのMTBチームがEPIC WORLD CUPではなくダウンカントリー向けのEPIC EVOを男女ともに使用していることが話題になった。コースの難易度も影響していそうだが、ダウンカントリーはバチバチのXCバイクではなく、ある程度トレイルも楽しみたいという方向けに仕上げられている。
前置きが長くなったが、早速CANYONの新型ダウンカントリーバイクLUX TRAILを見ていこう。
LUXをベースに再設計
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509739-231026_Canyon_Presskit_Lux_Trail_MY24_EN_ROW-f18ab0-original-1698348422_1280x720.jpg)
image: CANYON
マチュー・ファンデルプールが操るLUX World Cupをベースに再設計したのがLUX TRAILだ。完全に再設計されたバイクで、路面がラフでも、過酷なエンデュランスでも、自信を持って走ることができる。
Lux World Cupはコーステープが張り巡らせれた世界で勝利を追い求めるバイクであるのに対して、LUX TRAILはテープから一歩でた領域を追い求めるために作られたバイクだ。具体的にはマラソンレースの王滝、近所のトレイルでも上り下りを楽しめる設計になっている。
LUX TRAILは120mmの29erに115mmのリア・サスペンションを装備している。登りでは瞬時に反応し、下りではライダーに速いラインを選ばせるレベルのコントロール性と操作性が得られるという。
XCとAMが融合したようなジオメトリ
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509747-roofowler_RZ97088-4b0382-original-1698350549_1200x800.jpg)
image: CANYON
XS | S | M | L | |||||
Body Height (cm) | 158 | 166 | 166 | 175 | 175 | 183 | 183 | 192 |
Reference Seat Height (mm) | 680 | 720 | 760 | 800 | ||||
Seat Tube Length (mm) | 415 | 420 | 420 | 450 | ||||
Top Tube Length (mm) | 559 | 585 | 609 | 633 | ||||
Head Tube Length (mm) | 90 | 90 | 100 | 115 | ||||
Head Tube Angle (°) | 67 | 67 | 67 | 67 | ||||
Seat Tube Angle (°) [MTB] | 76 | 76 | 76 | 76 | ||||
Chainstay Length horizontal (mm) | 435 | 435 | 435 | 435 | ||||
Wheelbase (mm) | 1129 | 1155 | 1180 | 1206 | ||||
BB Drop Front (mm) | 38 | 38 | 38 | 38 | ||||
BB Drop Rear (mm) | 38 | 38 | 38 | 38 | ||||
Stand-over Height (mm) | 768 | 768 | 772 | 777 | ||||
Thru Axle Standard, Rear (mm) | 12×148 | 12×148 | 12×148 | 12×148 | ||||
Stack (mm) | 589 | 589 | 598 | 612 | ||||
Reach (mm) | 412 | 438 | 460 | 480 | ||||
Fork Spezification | ||||||||
Length (mm) | 526 | 526 | 526 | 526 | ||||
Fork Offset (mm) | 44 | 44 | 44 | 44 | ||||
Travel (mm) | 120 | 120 | 120 | 120 | ||||
Shock Spezification | ||||||||
Length | 210×50 | 210×50 | 210×50 | 210×50 | ||||
Travel (mm) | 115 | 115 | 115 | 115 | ||||
Cockpit Spezification | ||||||||
Handlebar Length | Width (mm) | 50 | 760 | 50 | 760 | 50 | 760 | 50 | 760 |
Topcap | Height (mm) | 10 | 10 | 10 | 10 | ||||
Recommended Spacer Stem (mm) | 5.0 | 0.0 | 10.0 | 15.0 | ||||
Crank Length (mm) | 170 | 170 | 175 | 175 | ||||
Seat Post Diameter (mm) | 31.6 | 31.6 | 31.6 | 31.6 | ||||
Wheel Size (front wheel) | 29″ | 29″ | 29″ | 29″ |
LUX TRAILは可能な限り快適で疲労を軽減できるジオメトリーを追求した。急勾配のシートチューブは、登りではライダーを力強いポジションに保つことができる。テクニカルな下りではヘッドアングルを緩め、ライダーは完全にバイクをコントロールすることができる。
シートチューブの角度は他社のダウンカントリーバイクよりも急な76°だ。ライダーはよりアップライトなポジションをとることができ、ロングライドがより快適になる効果がある。また、この急角度のシートチューブは、ライダーをボトムブラケット上方のより効率的なポジションに導いてくれる。
ライダーの体重がかかる位置が、バイクに対して適切な位置にあることで登り坂でも前輪がしっかりと固定される。ヘッドアングルを67°とすることで、高速走行時や急な下り坂でのコントロール性を高めた。
2段階の修理キットを搭載
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509764-lux-trail-storage-429e07-original-1698392620_1280x640.jpg)
image: CANYON
MTBでつきものなのが故障やパンクだ。LUX TRAILには、ライダーを再び走らせるために2段階の修理キットが組み込まれている。1段階目は簡易修理やパンク修理のために、以下が備わっている。
- トップチューブ下側:ミニツール
- ダウンチューブ内側:CO2ボンベ
- バーエンド:タイヤプラグ
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/510098-Lux_Trail_Bundle_Clouds-65ce2d-original-1698702174_1280x720.jpg)
image: CANYON
2段階目は別売りのCanyon LOADポーチを使用するとダウンチューブに以下を収納することができる。
- チューブ
- CO2キャニスター
- タイヤレバー
- その他ポーチに入るものなら何でも
MTBで不測の事態はかならず起こりうる。LUX TRAILに乗るのであれば、これらの必需品を詰め込むことが考慮されているから安心だ。これまでヒップパックやサドルバックに入れていたものが全て収納できるから、これまで使用していたバッグ類は家に置いておくことができる。
調整可能なパフォーマンス・サスペンション
LUX TRAILは、サスペンションを完全にコントロールすることに主眼が置かれている。ハンドルバーに取り付けられたコントロールが、3つのサスペンションモードのオープン、ペダル、ロックを素早く切り替える。
- オープンモード:フロントとリアサスペンションのトラベル量をフルに活用し、最大限のトラクションを得る。
- ペダルモード:バイクのトラベルを高い位置に保持し、ペダルのブレを抑えて登り坂を力強く上る。
- ロックモード:サスペンションを完全にロックアウトし、スプリントや舗装路の登りでパワーを出し切る。
完全に再設計されたシングルピボット・サスペンションは、LUX WORLD CUPと同様だが、小さなバンプの感度を向上させるハンギング・ロッカーを追加した。
これはLUX TRAILの性能の要であり、リア・トラベルが長いバイクのように感じられるという。XSからMサイズ、そしてLとXLサイズに特化したショックチューニングによって、LUX TRAILはすべての人に同様の性能を提供する。
ダブルボトルに対応
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509581-3445_TOP-7_lux-trail-cfr_M139_P02_hydration-385a90-original-1698310701_800x800.jpg)
image: CANYON
LUX TRAILが他社のバイクと異なるのは、すべてのモデルに2本のウォーターボトルを収納できる。リアサスペンションの位置の都合で1本しかボトルを収納できないモデルが多い。長いライドでもハイドレーションパックが不要になりボトルを持ち運ぶことができる。
フレームはCFRとCF
新型フレームはCFRのMサイズで1,996g、CFフレームで2,164gとMTBバイクとして非常に軽量に仕上がっている。CFRフレーム構造は同社の最高グレードだ。東レM40Xを採用しており、薄い層を戦略的に重ねることで、必要な部分には強固なサポートを、その他の部分には驚くほどの軽量化を実現している。
CFモデルは、CFRフレームのエッセンスをより身近なパッケージで提供する。週末レーサー向けのモデルだ。
モデルとスペック
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509757-roofowler_RZ97137-fcba6a-original-1698350560_1200x800.jpg)
image: CANYON
LUX TRAILには6つのモデルがある。
- CFR:LUX TRAIL CFR LTD、LUX TRAILCFR
- CF:LUX TRAILCF 9、8、7、6
すべてにカーボンフレーム、リモートサスペンションロックアウト、ドロッパーポストが装備されている。
Canyon LUX TRAIL CFR LTD
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509567-full_2023_3446_lux-trail-cfr-ltd_P01_P5-bf17fb-original-1698309768_1280x720.png)
image: CANYON
最高のロックショックスとSRAMパーツを使用した、一生に一台の最高級モデル。ロックショックスSIDアルティメットフォークとロックショックスSIDLuxeアルティメット3-Pos RMTショックは、どこを走ってもトラクションとサポートを提供する。
SRAM Level Ultimate StealthブレーキとSRAM XX AXS Eagle Transmissionドライブトレインで軽量化され、DT Swiss XRC1200ホイールセットが付属する。ライトニング・モーブカラーで仕上げられたこのバイクは、見た目も乗り心地も抜群だ。LUX TRAILCFR LTDのミディアムサイズの重量は11,66kg。
Canyon LUX TRAIL CFR
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509566-full_2023_3445_lux-trail-cfr_P02_P5-be08ae-original-1698309768_1280x720.png)
image: CANYON
FOXとシマノ製パーツを採用している。エリートクラスのXCライダーは、LUX TRAILCFRを選ぶだろう。FOX 34 SC FACTORYフォークとFOX Float SL FACTORY 3-Pos RMTショックが、しなやかでレスポンスの良いライディングを提供する。
ブレーキとドライブトレインにはシマノXTRを採用し、レースにも対応できる仕様となっている。重量はMサイズで11,25kg。バーント・オレンジにマッチするタン・サイドウォールのシュワルベ・ウィキッド・ウィルとレーシング・ラルフ・タイヤが付属する。
Canyon LUX TRAIL CF 9
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509563-full_2023_3444_lux-trail-cf-9_P01_P5-7a58ff-original-1698309768_1280x720.png)
image: CANYON
CFラインナップの頂点に立つCF 9は、120mmトラベルのロックショックスSID Select+フォークとロックショックスSIDLuxe Select+ 3-Pos RMTショックを採用し、ロックショックスのサスペンションをセットアップ。
ブレーキ、ドロッパーポスト、ドライブトレインはSRAMで、SRAM Level Silver Stealth、RockShox Reverb AXS、SRAM GX AXS Eagle Transmissionを採用。重量12,45kg(Mサイズ)だ。Chrome Leve 1とMirage Blueの2色が用意されている。
Canyon LUX TRAIL CF 8
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509560-full_2023_3443_lux-trail-cf-8_P02_P5-2455f2-original-1698309767_1280x720.png)
image: CANYON
LUX TRAIL CF 8のサスペンションは、フロントに120mm FOX 34 SC Performance Eliteフォーク、リアに115mm FOX Float SL Performance Elite 3-Pos RMT。FOX Transfer SL Performance Eliteドロッパーポスト、シマノXTドライブトレイン、シマノXTブレーキはすべてRaceFaceコックピットを搭載する。
カラーはChome Level 1、Late Sunset、Mirage Blueの3色で、MサイズのLUX TRAIL CF 8の重量は12,48kg。
Canyon LUX TRAIL CF 7
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509561-full_2023_3442_lux-trail-cf-7_P01_P5-c2b52b-original-1698309767_1280x720.png)
image: CANYON
FOXとシマノにこだわったLUX TRAILCF 7のサスペンションは、FOX 34 SCパフォーマンス・フォークとFOX Float SLパフォーマンス・エリート3-Pos RMTショック。
フロントにはシュワルベ・ウィックド・ウィル2.40アディックスSpdGrp、リアにはシュワルベ・レーシング・ラルフ2.35アディックスSpdを採用。転がり速度とグリップのバランスを図っている。クローム・レベル1とレイト・サンセットの2色から選べるLUX TRAILCF 7は、Mサイズで重量12.9kg。
Canyon LUX TRAIL CF 6
![](https://rbs.ta36.com/wp-content/uploads/2023/11/509570-full_2023_3513_lux-trail-cf-6_P03_P5-5e466a-original-1698309797_1280x720.png)
image: CANYON
FOX 34 SC Performanceフォークをフロントに、FOX Float SL Performance Elite 3-Pos RMTショックを搭載。ブレーキとドライブトレインにはシマノDeoreを採用し、XCライダーにとって最も使いやすいモデルとなっている。カラーはクローム・レベル1とミラージュ・ブルーの2色で、CF 6のMサイズは重量13.1kg。
![](https://www.canyon.com/dw/image/v2/BCML_PRD/on/demandware.static/-/Sites-canyon-storefront/default/dw71e59e8d/category-landing/mountain-crosscountry-lux/Category-canyon-lux-trail-MY23.jpg?sh=350&sfrm=jpg&q=80)