長野県の富士見パノラマで行われた2024全日本自転車競技選手権大会MTB XCO 男子MMに参戦。総合は6位、年代別は2位だった。
全日本選手権ということで、普段とは違う選手や参加人数、そしてコースレイアウトも作り込まれておりロックセクション、キャニオン、丸太、パンプトラック、大きな岩の下り等があり、テクニックだけでなくフィジカルも求められた。
要するに、私には難しいですw
昨年とは異なり、登りが長いコースから、ややスピードコースに変わりロックセクションが難しくなったようだ。確かにそんなに登りはきつくないが、要所要所で小さな差が積みあがり、結果的にタイム差につながるそんなコースだ。
上手くつないで走れる人は走れるし、私のように下手な場合はどんどん遅れる感じ。競技歴7ヶ月目に突入した初心者おじさんながら、大舞台の全日本選手権XCOに挑んだ。
コースと試走
来年も冨士見かもしれないので、コースレイアウトや各セクションを走った感想をまとめておく。エリートクラスのライダーからすると普通なコースだったようだ。しかし、私からすると、大岩は怖いしロックセクションはBラインを選ぶなど結構手こずった。
スタート直後は背の高い芝生を走る。途中段差があるが、左側に一部芝生がない場所があるのでその道を通った。砂利区間を登り、シングルトラック区間に入っていく。当初Aラインにジャンプ台があったが、けが人が続出して救急車のサイレンが鳴りやまない。当日はBラインのみになった。
ここで龍野MTBの小野さんと、一緒に試走させていただくことに。これが良かった。
シングルトラックはキャニオンがある。初めは怖くて迂回を考えたが、小さなほうより右側の大きなほうを飛んだほうが楽なようで、小野さんに引っ張ってもらってキャニオンを飛んだ。一度飛んだら、この浮遊感が楽しくて何度も遊んで飛んでいた。
きれいなバーム区間を登り、3連のジャンプから、またバーム区間を登っていく。ロックセクションは金曜日は岩が結構あったのだけど、土曜日にラインが出来上がっていて真っすぐ走れば通過できるほどイージーになっていた。
芝生区間を登ってフライオーバーを通り、またトレイル区間へ。Aラインは3連続の岩、Bラインは小さな岩と根っこがある。私の場合はB行ったほうが確実なので、何回か練習した。岩を乗り越えてから根っこをフロントアップして走れば何とかクリアできる感じ。試走の段階ではほぼ乗車クリアできた。
しかし、試走でできてもレースペースで走ると心拍や息が上がっている中クリアする必要がある。実際のレースは成功率75%だった。やっぱり限界の中で走ると全然違う。フライオーバーをくぐって大岩に良くて前の岩も丁寧にフロントアップすれば通過できるのだが、これも疲れていると動作が雑になるのでタイヤを当てる角度に注意が必要だった。
ここで体勢を崩すと、大岩にスムーズに入れなくなる。大岩はみんな簡単だというけど、正直なところ初めて下るときはめちゃくちゃ怖かった。初めは小野さんに引っ張ってもらって下った。
降りる(落ちる?)前に肘をまげて顔と胸をバイクに近づけてつつ、しっかりと下方向を覗き込んでから(これが私にはめちゃくちゃ怖いんだ・・・)、バイクを送り出してリアタイヤで岩をなめるように走る。あとブレーキは離す、離す、離す・・・。
いや、できる人にはできるんだけど、初見かつMTB初心者のおじさんには怖いのだよ・・・。
あと、「できる」「成功する」「走れる」っていうポジティブイメージはMTBにはとても大事で、逆に「できない」「失敗しそう」「走れん」というネガティブなイメージは絶対失敗する。ここがMTB面白いところで、一度走れたらそのイメージを繰り返すと走れるようになるのが快感になる。
まぁ、岩下るのはめちゃくちゃこわかった。そのあとは下り区間や丸太を超え、芝生区間を下ってスタートエリアに向かっていく。岩場以外は楽しく、常に何かに対応しなければならないため、気が抜けないコースだ。
あとは、心拍が上がった状態でどこまで丁寧に走れるか。小野さんと周回したことで、かなり走れるようになった。小野さん、本当にありがとうございました。あとは、一人でロックセクション、大岩を繰り返し走る。何度走っても怖かった。
コースの流れが良いだけに、つなぎをいかにハイスピードでスピードを落とさないように走れるかがキモな気がしていたが、心拍が上がり切った状態かつ、脳に酸素が行っていない状態で判断しなきゃならないので、そこをうまく処理できるかがまだまだ自分の課題だと思う。
レース:XCO MM 総合6位、年代別2位
今だから書くけど、気管支炎が治らず両日DNSしようと思っていた。エントリーしていたXCCはDNSした。気管支炎と診断されてからパルスオキシメーターでSpO2を測ると大体87~89を行ったり来たり。SpO2が低下しまくっていて、まるで低酸素トレーニング状態。
再診断の結果は、また肺の能力が7割、呼吸関係の75歳の結果。レース行くのやめようかと思ったのが2週間前。それから良くならず六甲山練も全然走れなかった。
パルスオキシメーターを念のため持ち歩いていたが、土曜日が一番ひどくて87%付近。起床時に92%ぐらいまで回復していたので、まぁ出て本当にヤバそうならレース降りようと思っていた。普段は98~99から変わることはないんだけど。
XCCは欠場したが、ここまで来たからにはXCOは走るしかない(お金払ったし)。
朝の試走で大岩とBラインを反復してウォーミングアップ代わりにした。やはり何度走ってもここは怖い。ギリギリまで走り込んで試走を終える。コールアップは8番目で左側から。
スタート前に暑さか、緊張か、低酸素なのかクラクラしていたが、深呼吸してなんとか緊張とめまいを抑える。スタートループは無理しないように、落車しないように徐々に順位を上げていく。
ちょっとカカリが悪い事に気づき、登りでやや遅れながらもよい順番でシングルトラックに突入した。この区間は前の選手がミスったら一気に遅れるので、ヒヤヒヤしながら走っていたが特に何事もなくロックセクションへ。
ロックセクションに入るころには、前方が開けてきてBラインを落ち着いて走った。フライオーバーをくぐる前にドロッパーポストを下すのを忘れないようにする。というのも、疲れてくるとドロッパー下げるの忘れる。そのまま大岩に突撃すると怖いのでフライオーバーくぐるときに下げるルールにした。
こういう細かい動作を疲れているときに無意識にできていないので、まだまだ初心者から抜け出せていない。ロックセクションはレーススピードだと走りやすく感じるが、ワンミスで終わるので丁寧に処理していく。まだ、意識的にフロントアップしないとフロントが上がらない・・・。
そのうちにベテランの吉本選手に合流する。良いペースだったので付かせてもらうが、やはり自分の調子の悪さが良くわかるほどに登れず、トレイル区間は引っ張ってもらったほうが有利だと思い着いて行くことにした。
登りでは前に出られるが、下りでは詰まってしまうので前に出て引っ張ってもらう。昔より下りで離される事が少なくなってきた。
下りはバームを上手く使えば、もっと早く走れるんだろうと思いながら色々と試していた。しかし、そう簡単に上達するわけもなく、ラインを真似ながら終始走った。下りは相変わらず下手くそだが、致命的な遅さからは徐々に脱却しているように(自分では)思う。
登り区間でアドバンテージを稼げるかと思ったが、そう上手くいくはずもなく一定ペースを刻むのがやっと。登りは得意なはずなんだけど、思ったよりも登れずに周りと比べても少し早いぐらい。下りでこのアドバンテージは消滅する。
走っていると段々と気温を上がってくる。暑いレースには弱いので、調子の悪さに追い打ちをかけてくる。熱タレすると一気にペースダウンするため、水分補給と掛水を受け取る。
区間区間で、掛水を下さる方たちが本当にありがたかった。この水が無ければ走り切れなかったし、この順位での完走は不可能だった。私はチームで来ていないので、ご厚意の補給や掛水に何度も助けられた。この場を借りてお礼いたします。
炎天下の中、フィードで何度も掛水や氷とても力になりました。本当にありがとうございます。
後半は徐々に踏めるようになってきたが、ペースダウンがわかるほどに順位を落としていた。一時期は4番手を走っていたが、5,6と順位を落とす。後半にペースを落とさない練習をしてきたつもりだが、暑さに弱いため最後は粘りに粘って走った。
6番手でゴール、年代別では2位。ただ、総合1位のカズさんとは7分以上離されての2位だ。圧倒的な差が付きすぎて、同じレース走ったとは思えない程だった。
冬の時期から一緒に練習してきて、このレース中で誰よりもカズさんの強さと速さ上手さを知ってたとおもうが、身をもって凄さを実感した。やはり、すごい人や、と。レース後話してたら「ぜぇんぜぇんすごくないよぉ!」と。やっぱりカズさんやなw。
やっぱりすごいわ。
ゴールすると、カズさんの勝利を祝福。いやー、なんとも感慨深い。
全日本選手権は1位だけを決めるレースだ。私の2位には何の意味もない。それは何年もやってきてよくわかっている。ただ、何だか晴れやかな気分だった
感謝すべきこと
フィジカル面では毎週六甲山朝練に伺っていた。初見の得体のしれない私なんかを受け入れて下さって大変感謝しております。とはいえ、ここ数週間は気管支炎がまた再発して一週間前にまったく登れなくなってしまった。皆さんにはご迷惑をおかけしました。
今のレース時間を考えると、今一番効率が良い練習でXCOやるにはこれだけでよいかもしれない。40分以上負荷かかりっぱなしで、そのあとは20分、30分などもう一発もがけるし。家から10分だし。
しかし、いきなり全日本選手権XCOに出るのは周りに失礼な話なので、ロードもMTBも一番練習しているカズさんと山の中を走った。今回の総合も圧倒的な差をつけての優勝だったわけで、噂ではラップタイムがエリートをフルラップ出来るほとだったらしい。
あと、テクニックで観客を沸かせていたようだ。
練習相手、というよりも完全にMTB先生なのだけど「離れないようについてきてね!」(いや無理w)という感じで必死に後ろについてトレイルを下ったり登ったり。「練習じゃなくて、山遊びなんだよ!」という格言をいただいたり、自分で言うのもアレな話なんだけど練習環境、教えてくださる方々にとても恵まれている。
練習中に走っている間はできるだけ、同じライン、同じフォーム、同じ動作を反復して繰り返した。見えるものをすべてコピーする感じで。でもどんどん離されていくのはやっぱりテクニックや経験の差が大きい。それでも、カズさんのおかげで少しは走れるようになった。初心者から初心者v2ぐらいにはなったか。
最後の練習帰りに「絶対一緒に表彰台乗ろうぜ!」という話をしていたんだけど、私はロードでもシクロクロスでも全日本選手権で表彰台に登ったことがない。まぁ、かなり難しいなぁ、と思っていた。実際、全日本は相性が悪いと感じていて、全日本選手権は普段走らない人(カズさんみたいな魔物)が出場する。
ここまで一緒に走り方教えてもらって、表彰台に乗れなかったら申し訳ないなぁ、なんて帰り道考えていた。XCOのレースを走り始めて7月で7ヶ月目。今回の結果は教えてくださった方がのおかげ、そしてたまたま運が良かっただけなんだと思う。
使用機材
- フレーム:サーベロ ZFS-5
- フォーク:FOX 34 120mm GRIP
- タイヤF:シュワルベ レーシングレイ 2.35
- タイヤR:シュワルベ レーシングラルフ 2.35
- 空気圧:1.22bar, 1.28bar
- ジャージ:サンボルト PRO FIT
- レース1時間前:BOOST SHOT
- 補給:ACTIVIKE SPEEDジェル
レースを終えて
表彰台に乗れたものの、7分差以上つけられているのでもはやレースとして成立していない。それだけ力の差、技術の差がある。ただ、幸いなのは身近すぎる人がその追いかけるべき目標であり、常にその背中を見ながら走れるのはありがたい。
今週末も山遊びだ!
今年のXCOはゆぶね、岩岳は出る予定でそのあとは未定。その後は確実にシクロクロスへとシフトしていく。まだまだテクニック面が全然なので、この辺りは練習を続けていきたいところ。
今はリザルトよりも、いろんなコースを走って上達したい気持ちのほうが強い。結果は後からついてくるとおもう。MTBは段々と形にはなってきたかなという感じはあるが、うまい選手は本当に見ていて惚れ惚れするほどスキルに富んでいるので、自分もああやって走ってみたい。
練習を継続してやっていくしかないんだけど、上手くなるための環境はとてもよくあとは自分がどれだけやれるか。MTB初心者おじさんの戦いは、もう少しだけ続きます。応援してくださった方、サポートしてくださった方本当にありがとうございました。